愛のフィーリング

愛のフィーリング

 マイカーは人生でそう何回もない高い買い物だから、必要に迫られるわけでもなく、さして欲しくないのに買うなんてもったいない、どうせ買うなら欲しい気持ちが最高に高まったタイミングで買いたいものである。

 強欲な年寄りもみっともないけど、何も欲しくないような色気も何もない干からびた年寄りにはなりたくない。何でも手に入るようになった現代人の多くは、自分が何を欲しがっていいのかさえ見失っているんじゃないか。

 さて、NDロードスターの試乗からマツダ歌島店へ戻ると、お決まりの見積もり作成。グレードは?色はどうするか?オプションに何が要るのか、保険は?支払い方法は?生まれてこのかた新車なんて買ったことがないので、わからなかった疑問にいろいろと質問し、K氏には逐一ていねいに答えていただいた。

 ゴリ押しの営業トークなどもなく

「またいつでもロードスター乗りに来てください!」とあっさり見送られ、そのまま自転車で近所のパスタ工房へ行って昼食。

 パスタをくるくると巻きながら、ロードスター試乗の余韻に浸る。しかし気分は快晴とはいかず。実際に乗ってみると、ドライブフィーリングが思ってた感じと少〜し違ったのだ。初心者マークのど素人が何を生意気なと自分でも思うが、こういう違和感は大事にしたほうがいい。

 パソコンでもオーディオでもバイクでも洋服でも、何か買うたび「ここがもうちょっとこんなふうにならんのか」と軽い気持ちで口にしてしまう。素人なりに、結構な出費をして買ったのだからこのくらいできるだろうと思って。自分の要求はとんでもないコストと手間がかかると、いつもあとからわかって冷や汗が出る。

 この価格帯で、このような性能が一般的な消費者には大抵の場合マッチするから、消費者側がそれに合わせなさいというような製品、(それが悪いとは全然思わないが)からはみ出した部分にわたしのニーズはあるのだろう。およそマニアとなるのはそういう人間である(^^;

 それから数日間、ずーっと見積書とにらめっこ。もしこの間にマツダ営業のK氏が畳みかけるように売り込んできたらサインしてたかもしれないが、ある朝、ピーン!と閃いてしまったのだ!

 ほら、ほらほら!そうか、求めていたのはこれだったんだ!!

(つづく)

Jimmy Jazz