Monthly Archive 2024年6月12日

色気のないひと

 前回、「品が無い人」というのは、「自分が払った対価以上の報酬を求める人」という話をしたが、利益を得るのに罪悪感を持ったり、若いのに妙に遠慮して欲がないのは、「品が無い」というよりつまんねえヤツだなぁと思われてしまう。つまんねえヤツとは、言い換えると「色気の無い人」ということだ。

 「色」というのは「物質」のこと、色気があるのはすなわち欲望があることである。奢ってやるというのにちょっとしか食べない部下より、モリモリ食べてくれるほうが見てて気持ちいいでしょう。「母さんはなんで俺が食べるのを見て笑うんだろう?」というCMがあるけど、我が子が健全な欲望を持って成長するのは嬉しいものである。

 「品が無い人」にはなりたくないし、枯れて「色気の無い人」というのもつまらない。実は「品性」と「色気」はトレードオフの関係にあって、ちょうどいい配分は若さや各人のキャラクターにより異なる。若者は色気があって当然だし、老人は品格備わって然るべし。

 あんまり欲望まる出しの老人は品が無いというより気持ち悪いけれど、何も欲しいものがなく、生きてるか死んでるか分からないような人は、恋のひとつもしてみたらどうだいと言いたくなる。今どき「たばこ屋の看板娘」なんていないけど、コンビニのお姉さんでも、病院の看護師さんでも、異性の目を意識することは大切だと思う。

 尤も、いちばんの問題は、「品が無い人」も「色気が無い人」も、こまめに散髪に行かないことなのだが。

品のないひと

 品が無い人とは思われたくないものだな、と思う。いや、若いうちはいいんですよ。若い人や子供で品が無いのは、経験が浅いからある意味しかたない。でも、若い自分に品がないことを、恥ずかしいと思わないようではいけない。開き直ってないで、品性を身につけるよう精進しなくてはいけない。尤も、いい歳した老人で品が無いのは目も当てられない。

 では、「品が無い」というのはどういうことかというと、「自分が払った対価以上の報酬を求める性質」と言っていいだろう。ビジネスにおいては、原価に利益を上乗せしないと成り立たない部分もあるけれど、やたらふっかけたり、逆に値切ったりというのは、違法でないもののその「がめつさ」に品が無いな〜と思っちゃうのである。

 あるコンサートに行ったとする。当然入場チケット料は払うけど、ステージからミュージシャンがタオルとかギターのピックとか投げてくれないかなぁ〜なんて思ったことあるよね?あるいは野球観戦ならホームランボール持って帰りたいとか。あわよくば控え室に訪ねて行って、握手してサインしてもらい、一緒に写真撮りたいとか(^^;

 そこまでいかなくても、ダイアナ・クラールのコンサート行ったぞ!と会場前で写真撮ってSNSに上げたり、コンサートの感想をブログにアップしてみたり、まあほぼすべてわたしがやってきたことばかり。書いていて顔が真っ赤になるけれど、チケット代金分しっかりコンサート楽しんだら、元は取れたのだからそれでよしとするのが品のある大人の態度ではないか。自分だけ他の客よりちょっとだけ得しようなんて品の無いことは考えないように!

 しかしながら、同じコンサートに行った知人が、演者たちと一緒に写真に写ってるのを見ると、本当はうらやましくってしょうがない( ̄▽ ̄;