Monthly Archive 2024年12月24日

大晦日は満席になりました

12/29(日)営業、 12/30(月)営業、 12/31(火)大晦日は満席になりました。新年は1/7(火)より営業。ご予約はお早めに。

教習とバラの日々

 テレビドラマが結構好きで今でもよく見るのだが、最初面白くても途中からダレてきて、最終回がどんな結末だったか思い出せない作品がすごく多い。近年のドラマは1クール3ヶ月、10回くらいで完結するものがほとんどで、世界観の作り込みが充分でないせいではなかろうか。

 子供の頃、「最終回」といったらもう絶対に見逃せない一大イベントで、「俺たちの旅」や「飛び出せ!青春」に「熱中時代」、あるいは「天才バカボン」だろうと「あしたのジョー」だろうと、ブラウン管の前に正座して、「泣く準備」をして待ったものだった。

 やはりドラマが一年くらい続くものだと、途中で別の脚本家が入ったり、チェンジアップのような実験的な回もあったりで、ドラマの世界観に深みを与えていた。

 主人公との別れは、まるで親友との別れのように感じられて胸を熱くした。やはり3ヶ月10回程度だと感動が薄い。

 この教習所生活も、たった半年足らずであるから別れに涙するほどではないものの、一抹の寂しさはある。お世話になった事務員さんにはありがとうございましたと心からの感謝を告げ、帰りのバスに乗り込んだのだった。

 あと2時間補習するかと言われたら、いやぁーさすがにごめんだけどね。

 卒業式の最後に教官から「ラッキーですね、今月卒業の人は特別にSDカードがもらえま〜す!」と言われ、受け取りの印鑑を求められた。

 ????SDカード??何ギガバイト?サンワサプライとかの?一体何の関係があるんだろう?と疑問に思ったウブなジミーは、

「何のSDカードですか??」

 と手を挙げて質問してしまった。教習の日々は終わったが、一人前の男にはまだなれそうもない。免許があれば酒抜きでバラ色の日々が訪れるのだろうか?

(第一部おしまい)

危険なアイツ

「いっぱい付いてますよ」

 えっ?何何っ??

 教習生は教官の一挙手一投足が気になるものだが、卒業検定中に教官から話しかけられたらもう緊張で漏らしそうになる!

「ほら左手に」

 ふとハンドルを持つ自分の左腕を見ると、着ているGジャンの腕に無数の「ひっつき虫」が付いている!さっき運転交代で車を降りた時、路肩に生い茂った雑草に擦れて付いたのだろう。いや、こんな時にひっつき虫なんかどうでもいいんですけどぉ!( ̄▽ ̄;

 信号待ちの間に教官と自分で腕に付いたひっつき虫は取り払ったが、ひとまず減点でなくてヨカッタ(^^;

 気を取り直して運転再開、すると横断歩道でもない場所で道路工事の作業員が道路中央に歩いてきて、センターライン手前で立ち止まった。おいおい何すんねん!こちらを見ながらじっと立っていたのでそのまま通過した。あれは減点になったかもな。

 それからは調子を取り戻し、路上ではジミー的にも納得の運転ができたように思う。

 三番目の教習生と運転を代わり、無事に路上での検定終了。教習所に戻り、最後に方向変換左バックの試験だが、これもなんとか引っかからずに出ることができた。これにて検定終了!

 教官からの講評で、「ジミーさん、危険なところがありましたね」と指摘があった。例の工事作業員だ。「一旦停止して横断を待つべきだった」と。作業員が横断するかどうか不明で、何もない道路の真ん中で、こちらをガン見で突っ立ってたので危険なしと判断したが停止すべきだったか。

 ロビーでおよそ1時間後の合格発表を待つ。手応えはあるが、ひょっとしたらと不安にもなる。

 「ただいまから卒業検定の合格者を発表します」との場内アナウンス。結果はロビーのテレビモニターに教習生番号で表示されるのだ!!!

(つづく)

ポニーライド

 卒業検定不合格となると、最低1時間の補習(5,500円)と再受験費用(5,500円)の合計11,000円が追加でかかるのだが、18歳から29歳の教習生には「安心パック」が無料でついていて、いくら落ちても、補修を何時間受けても追加料金がかからない。

 したがって、たったいま信号無視で検定不合格が確定したポニーテールのお嬢さんもたぶん経済的ダメージはない、と言っても教官に補助ブレーキを踏まれたらそりゃあショックに違いない。

 万が一、わたしが不合格の場合は、追加料金に加え、補修時間の確保、さらに検定のためにまた休みを取らなくてはいけないのだからたいへんだ!これはなんとしても一発合格と行きたいところである。

 不合格確定のポニーちゃんも残りのコースを淡々とこなし、いよいよ運転交代、ジミーの番がやってきたぜ!!

 黙って見ていた後部座席から運転席に乗り込む。シートベルトを締め、座席を調整、ミラーも大丈夫。よしエンジンスタート!サイドブレーキ解除してドライブに入れたら右ウインカー、目視で安全確認、クリープ現象を使いゆっくりと出発だ。

 ポニーちゃんが不発だったとはいえ、わたし自身、路上教習はさんざんやったからいささか自信はある。ここは還暦ジミー(まだなってないが)の余裕を見せて難なく完走したいところである。

 失点カウント無しの100メートルを過ぎ、余裕の信号待ちをかましていると、原則、進行方向の指示以外はアドバイスしないはずの教官がボソりと呟いた。

「ジミーさん、ちょ、ちょっと」

 ドッキーン!心拍数マーックス!ジミーピーンチ!!!( ̄▽ ̄;

(つづく)

正攻法で勝て!

 なんでもかんでも世間一般と違うことを言いたがるのは、「オレは他とは違う、そこらへんの奴らとは違うんだ!」というアピールに他ならない。裏を返せば、「正攻法で勝てないから奇襲法でなんとかできないか」と、もがいてるだけ。要するに実力不足なのである。そもそもジャズなんか聴こうなんて奴は概ねそんなはぐれ者ばかりだ(偏見)。

 還暦を目の前にした今の今まで自動車免許を取らなかったのも、きっと正攻法で勝てないコンプレックスがあったんだと正直に白状しよう。

 さて、ついに教習所の卒業検定の日がやってきた!教習生活に約半年もの歳月を費やしてきたが、いよいよ決戦のとき、検定は火曜と土曜にしか行われないため火曜の今日は休みをとった。

 ちなみに第一段階の修了検定も半日休みを取ったのだが、午後JimmyJazzへ散髪に来た何人もの顧客に「午前中なんで休んでたの?」と聞かれて、「ちょっと免許の書き換えに」と言ってお茶を濁した。書き換わるだからあながち嘘ではない(^^;

 本日検定を受ける教習生はMT2名とAT3名の合わせて5名。2台に分かれて受験する。事前にくじ引きで、縦列駐車、方向変換右バック、方向変換左バックの三つのうち一つが決められるが、わたしは左バックが当たった。これに限っては路上運転が終わったあと教習所内で審査される。

 わたしはもちろんAT3名のグループで、二番目に運転する。一人約20分の道のりだ。

 トップバッターはおとなしいポニーテールのお嬢さん。方向確認の動きから几帳面な性格が見て取れる。最初の100メートルは慣らし運転区間で失敗してもノーカウントだが、100メートルを超え、次の信号を左折しようというとき

「あかん!危ない!」教官の急ブレーキがかかった!

 緊張からだろうか、なんと赤信号で交差点に侵入してしまったのだ。

 ご存知のとおり、教官に補助ブレーキを踏まれてまうと即検定失格である。かわいそうにポニーテール嬢はこのあと約20分ほどの検定コースを失格と知りながら運転することになる。

 初っ端からどんよりとしたムードが車内に充満していた。

(つづく)

半人前ブルース

 何事も初心者のうちが一番楽しいものだ。新しい世界に不安と期待を抱いて進んでいく感覚は、例えばジャズ喫茶に初めて足を踏み入れた時のような、高級オーディオショップのフカフカのカーペットを踏み締めて聴くクラシック音楽のような、あるいはWindows3.1のマイコンピュータとごみ箱しかないグリーンでまっさらのデスクトップが立ち上がった時のような、そんなワクワクをこれから展開するクルマの世界に感じている。きっとドライバーの諸先輩方もそうだったはず。おそらく馴れてしまえばなんてことないのだろうが。

 路上の技能教習第二段階は最短19時間、順調に行けば今頃は卒業検定を終えて、あとは門真の試験場へ行くだけという算段だったが、前回のみきわめの縦列駐車でしくじって来週へ持ち越しとなった。

 この歳になって人様からジャッジされるのはかなりのプレッシャーで、不合格となればかなりのショックである。数日間どんよりして気分も晴れなかったが、くよくよしてたってしょうがない。YouTube動画で復習しつつ、来週の必勝を願うとしよう。

 それにしても教官の教えるスキルによって、その一時間の教習がスムーズにうまくいったり、また要領を得ずギクシャクしたりで、運転の出来不出来が左右されるのは事実である。

 教習生の運転技術の何が問題で、どの点を指導すれば理解できるのか、適切な指導をして次段階に導く教官と、不安な生徒をますます萎縮させて不合格の判を捺す教官、ジャッジされてるのは実は教官の方なのだ…。おっと、そうやって自分の至らなさを他人のせいにしてるからわたしは半人前なのだ。反省反省っと。

(つづく)

愛のように大胆に

 エクスペリエンスといえば、わたしの葬式には是非ともジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスの「Bold As Love」をかけて欲しいとリクエストしておこう。自動車事故で死ぬのはごめんだが、ジミヘンのギターソロで昇天できたらさぞかし気分がいいだろうな。この曲は「愛のように大胆に」という変わったタイトルだが、何かの本で「男性は(恋愛に限ってだけ)ほんの些細なことでもポジティブに変換して考え大胆になるが、女性は(私なんて)とネガティブに捉える傾向がある」と書いてあるのを読んで、なるほど、男性が逃げる女性を追いかける構図はこうして作られるのだなとひどく納得したものだった。

 さて、わたしの運転も愛のように大胆であるがゆえ、なかなか第一段階見極めOKのハンコを教官が押してくれない。これぐらい余裕で大丈夫だろうと思っても、教官はなかなか首を縦に振らないものである。教習所内を周る第一段階は(二輪免許ありの場合)最短10時間で仮免試験となるが、すでに2時間超過している。超過3時間目の教習を終え、教官の顔色を窺うと「どうされますか?(仮免検定試験前に)もう少し練習しますか?」と言われた。いやいや、教官どの、練習したらその分(1時間5500円)追加になるんでしょう?もういいです。検定受けさせてください。こうして満面の笑みではなくやむなしの顔で教官は「みきわめ良好」の判を点いたのだった。

 いよいよ仮免検定の日がやってきた!いや〜キンチョーする!!プロポーズの時でもこんなに緊張せんかったぞ!検定試験で同じ教習車に乗るのはベトナム人の青年グエン君。先行はグエン君だ。ちなみにベトナム人はグエン姓がやたらと多いらしく、わたしの知り合いのダンサーの女の子もグエンちゃんだ。韓国人のキムさんみたいなもんか。グエン君はきびきびとサイドミラー、目視後方確認をこなし、S字クランクも脱輪などなく成功。次はわたしの番だ。愛のように大胆なわたしは、左折の際にハンドルに力が入りすぎてふらつくとよく注意されてたので、後方確認を慎重にやったつもりだが、やはり後から試験官に指摘された。「落としたいと思ってる試験官はいない」という言葉を信じて発表を待つ。結果は見事合格!グエン君も合格でお互いGOODサインで健闘を称えた。仮免取得だ、ああ嬉しい!これでいよいよ次から路上に出るぞ! 

(つづく)

 JIMMY JAZZ エクスペリエンス

 わたしはあと14年JimmyJazzで頑張るつもりだが、同世代の友人たちの定年退職や転職話がちらほらと聞こえてくる。

「(これまで)36年も家賃払ったなら、店舗付き住宅が買えたな」等と詮ないことを言う人もいる。たしかに金は残らなかったが伝説は残ったからまあいいではないかw

 そうそう、このあいだ、チェット・ベイカーの『Plays The Best Of Lerner & Loewe』をかけていたら、ちょうど散髪を終えた常連客の様子がなんだかおかしい。

「えっ?ボリューム上げました??」 「ラッパの音がビンビン来てすごく気持ちいいんですけど?」とかなり驚いてる。

 ああ、そういうことか。外気温が急に下がったからこういう音になるんですよ。

 当店ではよくあることで、調子の良い時はこのくらいの実力を発揮するのだが、いつもいつもそうではないのが悔しいところである。この方は30年以上毎月散髪に来ていて、10万円もする高級ヘッドホンを使ってるのに、「スピーカー変えたのかと思った!」と言って驚愕してる。いまごろか( ̄▽ ̄;

 もともとわたしはそれほど欲張りでないから、ローディーでもダイヤトーンでもアップルのイヤホンでもそこそこ満足してしまう。調子のいい時の音がいつも聞けたら文句はない。それがどう間違ったか、オーディオのグレードを上げればいつも良い音で聴けると思って、とうとうJBLのハイエンドスピーカーを買ってしまった。

 それでもいつも調子の良い音は出ず、ダメなときはダメで、調子の良い時だけスゴすぎる音が出るという、およそ散髪のBGMとしてはかなりオーバースペックな状態になってしまっている。たしかに散髪しててこんな音聞かされたらビビるよな。ただ伸びた髪を切るだけでない格別な体験、わたしはこれをJimmyJazzエクスペリエンスと名付けたい(^^;

(つづく)