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世界の一流品シリーズ[6] バーバリーのノバチェックマフラー

 高校生の時分に、ステンカラーコートにバーバリーのマフラーをした紳士が歩いてるのを見て、「なんか、おっさんくさいなあ」と思っていた。

 一目でバーバリーとわかるノバチェックは、若者にとってダサい象徴だったように思う。

 今では評価逆転して愛用しているノバチェックマフラー。わたしもおっさんくさいおっさんになったのだ(^^;

 なんであんなに嫌悪してたのかと考えると、やはりああいったブランド物は10代でつけていると、親に買い与えられたか、もしくは家にあったお下がりか、どっちにしても生活力・生命力に乏しい、自立してない未熟な子供と見られるのが嫌だったのではないか。

 バーバリーのマフラーを女学生がつけてると「良家のお嬢さん」みたいに見えるから、女子にとってはあまり抵抗ないのだろう。

 とにかく、あの柄は独特でまるで毒蛇のよう。襟元からちょっと覗かせるだけでもよく目立つ。ブランド力は凄まじいものがある。

 最近では柄のパターンを大きく拡大した新デザインなどで若者に積極的にアピールしているバーバリーであるが、わたしが所有してるのは昔ながらのノバチェック、キャメルとグレーの二本で長さも今のものと比べてやや短め。いずれもラムズウールだがチクチクしないしふんわりとボリュームがあってとても暖かい。

 若さと品のなさ、老いと品のよさはだいたいセットになっていて、妙にお利口でちっちゃくまとまってる若者は可愛くないし、品のない年寄りはもう目も当てられない。

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世界の一流品シリーズ[5] フォックス・アンブレラ

 不景気でモノが売れなくなると、我々商売人はつい「お客様はお金を使いたくない」ものだと考えてしまいがちだが、じつはそうではない。

 自分に置き換えて考えば答えは明白だ。景気がどうあろうと「お客はお金を使ってより大きな満足を得たい」と思っているものだ。

 「喜びや満足が得られると確信できるモノ」なら買いたいが、「買ってもさほど嬉しくないが、しかたないので買うモノ」には、なるべくお金をまわしたくないだけ。

 したがって、モノを売る側は変に値段を下げるのでなく、「余分にお金を払ってでもより大きな満足感を得られる商品」を用意しているかどうかが売れるかどうかのポイントとなる。理容店は「伸びたから仕方なく散髪に行く」のでなく「楽しみで散髪に行く」よう趣向を凝らさなくてはいけない。

 さてさて、本日は英国フォックスアンブレラのご紹介。いつもJimmyJazz入口横の帽子掛け(兼傘立て)に立ててあるアニマルヘッドのコウモリ傘、そう、あれのことだ。

 ニッケルメッキの持ち手が殺し屋の杖みたいでカッコいいが、英国産の高級品にしては動物の造形があまい。もう2〜3万高くてもいいから海洋堂並みの精巧さを出してくれたらいいのに。

 もう一本、ワンギーと呼ばれる竹を曲げたハンドルのアンブレラも持っていて、黒地のアニマルヘッドに対してこちらはグレーの布にした。雨粒が幌に当たるポツポツという音が心地良い。

 映画「キングスマン」に登場した他のデザインの傘も欲しいのだが、意外なほどこれらの傘の出番が少ないので躊躇している。

 ひと目見て高級傘と判るので、鍵も付いてないコンビニの傘立てや、行き慣れない場所に放置しておくと盗られる心配がある。しかも使った後で広げて乾かす手間があるから、つい安物のビニール傘を手に取ってしまう。

 さらにコロナ禍が追い討ちをかけ、一年くらい放置してたら黒いほうの巻いてあるゴムバンドが伸びて若干緩くなってしまった(^^;

 グレーのほうはまだ大丈夫だが、どちらも並行輸入品なので正規販売店での修理交換はできなさそう。町のリペアショップに持ち込むなり、自分で長さを切って縮めるなりすればなんとかなりそうだが、通勤距離500メートルのMasterだから本当に傘の出番が少ないのである(^^;

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世界の一流品シリーズ[4] ヴィトラ社 パントンチェア

 1950年前後、デザイナーによる優れた家具が多く生み出され、それらは後年”ミッドセンチュリー”と称されるようになる。やがて半世紀が過ぎ、著作権が切れるとミッドセンチュリーの名作家具は、リプロダクトといえば聞こえはいいが、要するにコピー商品が多く出回るようになった。

 当店の客待ちスペースにあるヴェルナー・パントンのパントンチェアもミッドセンチュリーを象徴するデザインの傑作チェアであるが、これを初めて導入したのがちょうど10年前の2012年11月、リプロダクト品で一脚5千円くらいだった。

 スピーカーのすぐそばに置くのでなるべく音を吸わない/変な反射をしない物をと考えて、このプラスチック一体成形の椅子を選んだのだ。

 家具に興味のない人が見れば、リプロダクトだろうとオリジナルだろうと、ただのおかしな形をした椅子なのだが、実際に所有してみると本物と少しずつ違う、色んなことが気になってくる。

 たとえば表面の仕上げが、リプロ品は微妙にツヤツヤしてて、床と擦れた際に出るゴゴッという音も安っぽいし気に入らない(^^;

 なんだよそんな音くらいとお思いになるだろうが、その音の響きがフィードバックして店内の音響を形成しているのだから、なかなか馬鹿にならないのだ。

 そこでJBLエベレストを導入を決めた本年始めから、こっそり一脚ずつ本家本元ヴィトラ社のパントンチェアに入れ替えていたのだ。

 白と黒のうち、一脚の黒だけ入れ替えたところでJBLエベレストがやってきたが、あるお客様が「こっちの椅子に座るのと、あっちの椅子では音が違う!」と言い出した!

 ほほぅ!面白いことを仰るではないかw ちなみにどっちが音がいいですかと訊ねたら、こっちと黒いほうを指す。

 エベレストの巨大さに気を取られて、椅子が変わってることには気づかなかったでしょ?そりゃそうだ、見た目はほとんど一緒なのだから( ̄▽ ̄;

 スタッキング(積み重ね)可能なはずなのにコピー品は重ならないとか、ヴィトラの製品は黒が少しグレーっぽいとか、比べてみると違いがよくわかる。

 ただ、座り心地はほとんど変わらないから半分以上Masterの自己満足だと言われても否定はしない(^^;

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世界の一流品シリーズ[3] アレキサンダー・マックイーンの髑髏スカーフ

 2008年、ルイ・ヴィトンの広告にローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズが登場した。舞台はホテルの一室、ベッドに置いたモノグラムのギターケース、傍らでセミアコースティックギターを弾くキース。ルイ・ヴィトンとはまったくイメージの異なるロック界のカリスマの起用は世間に大きなインパクトを与えた。

 このポスターの両端にランプシェードが写っているが、ドクロのデザインされた薄いスカーフがそっと掛けられている。キースの私物であるか、小道具か定かでないが、キースらしいといえばキースらしいロックな演出だ。

 今更キースの真似をしようなんて思わないが、このドクロが気になって調べてみると、どうやらアレキサンダー・マックイーンの品らしい。ブランド物なので値段もそれなりに高価であるが、このドクロスカーフはなかなかの名作のようで、中古や類似品も多く流通している。

 ヴィトンは買えないがスカーフならと軽い気持ちで購入してみたら、これがカッコいい!ガイコツの顔が並んでいるだけの薄い絹のスカーフだが、襟元に巻くだけで実に品良くキマるのだ!

 昨日、「顔の近くにキメの揃った高級素材があると顔映りが良くなる」と書いたが、これも同じく「絶大な」効果がある。

 メンズファッションにおいて、デザインや柄物はなくていい、ユニクロで充分と思いかけたが、このドクロスカーフで「デザインすること」の凄さを思い知った。

 例によって同じデザインの色違いや違う柄のスカーフを何枚も買う羽目になるのだが、いちばん使い勝手がいいのはやはり最初に買った黒地に白で染め抜いた髑髏スカーフで、そうそううまい話は転がってないのである(^^;

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世界の一流品シリーズ[2] ボルサリーノ クオリティ・スーペリオール

 一流品と二流品の差はほんの僅かしかない。実用的にはほとんど同じであると言ってもいい。ただ、ほんの僅かだけ仕上げが良かったり、ほんの僅かだけ長持ちしたり、ほんの僅かだけ使い勝手が良かったりする。たったそれだけのことである。

 したがって、そのほんの僅かなことに目をつぶるならば、格段に値段の安い二流三流でも充分使える。

 しかし、その僅かな完成度の違いを達成するために、二流品より何倍もの工程や手間がかかっていて、長年培ったメーカー独自のノウハウもあり、当然高額での販売となる。

 それら一流品を新品定価で買ってたら一年以内に破産するので、上級国民でない庶民のMasterはほぼ全てオークションの中古品狙いで、買って成功もあるが、失敗もかなり多い。何事も失敗しなくては上達しないものである(^^;

 さて、世界の一流品シリーズ第2回はボルサリーノの帽子、ファーフェルトハットである。現在わたしはボルサリーノの帽子を9個所有しているが、うち1個はパナマ帽で、他のメーカーの物を合わせるともっとある。これでもかなり処分したつもりなのだが。

 帽子ほど通販に不向きな物もない。実際に試着してみないと似合うかどうかわからないからだ。かといって新品の帽子売り場に行って、クラウンやツバを自分流にくしゃくしゃと折り曲げて試着するのも憚られる。結局はエイヤッと買ってみるしかない。

 最初は数千円のニューヨークハットを買ったが、だんだんと目が肥えてくるとただのウールでは物足りなくなって、より上等な兎の毛を使ったものが欲しくなる。クラウンの高いアメリカ製のステットソンよりも、スマートなイタリア製”クオリティ・スーペリオール”ラインのボルサリーノが小柄なわたしには似合うという結論に達した(^^;

 クオリティがスーペリオールだと何が良いのかというと、ほんの少し自分が男前に見えるのである。顔の近くにキメの揃った高級素材があると顔映りが良くなるのは、腕の良い理容師に散髪してもらうのと同じ理屈である。

 日本が世界に誇るオーディオメーカー・インフラノイズの秋葉社長はわたしに対抗してか、JimmyJazzに納品の時はいつも黒のハットを被っていらっしゃる。曰く「これ被って歩いてたらみんな避けて通る」とご満悦。

 オーディオマニアの気持ちの半分は芸術家なのだ( ̄▽ ̄;

世界の一流品シリーズ[1] JBLのスピーカー

 何回かに分けて、ジャンルにこだわらずMasterが唸った世界の一流品を紹介してみたい。

 少年の頃から「世界の一流品」みたいな雑誌を見るのが好きだったが、最も初めの根っこにあるのは、オーディオ雑誌に載っているJBLのスピーカーであったように思う。

 (ちゃんとした)JBLサウンドに接したのは、このブログの前身であるホームページで日記を書き始めてからだから(ほんの)約22年前で、それまでは音が好きとかいうのでなく、たんなる憧れとしてカタログ写真をうっとり眺めていただけだった。

 今でこそJBLのフラッグシップであるエベレストを手に入れて偉そうにしているが、実はそんなにキャリアは長くない、いや充分長いのか(^^;

 とにかく、なぜJBLなのか、アルテックやB&Wではダメなのか、というと、(そもそもB&Wは音が好きじゃないのであるが)他のメーカーにない意外なJBL独自の魅力があるからだ。

 音を出さずとも「JBL」と口にするだけでパッと気持ちが明るくなるのだ。こんなメーカーは他に見たことない。「タンノイ」も「LINN」も「マッキントッシュ」に「ウエスタン」どれもそれぞれに洒落たカッコいいイメージはあるけれど、笑っちゃうような馬鹿馬鹿しさと凄みと音楽性を兼ね備えたメーカーはわたしの知る限り存在しない。(あえて言うならテナーサックスのソニー・ロリンズか)

 創立者のジェームス・B・ランシングが自殺してるというのにこの明るさはなんなのだ!やはりサウンドイメージによるものだろう。カラッとしていて爽快にジャズを鳴らす。未練も後腐れもない潔さ、こんなんではスピーカーの音質の説明になってないのだが、あり得ないくらい値段が高いのも他メーカーだと苦悩するがJBLだと笑っちゃう( ̄▽ ̄;

 つらいときにはJBLの名を呼ぶがいい。ジャズでも聴いて元気出そうよ!まさに世界の名機と呼ぶにふさわしいキング・オブ・オーディオメーカーである。