世界の一流品シリーズ[2] ボルサリーノ クオリティ・スーペリオール

世界の一流品シリーズ[2] ボルサリーノ クオリティ・スーペリオール

 一流品と二流品の差はほんの僅かしかない。実用的にはほとんど同じであると言ってもいい。ただ、ほんの僅かだけ仕上げが良かったり、ほんの僅かだけ長持ちしたり、ほんの僅かだけ使い勝手が良かったりする。たったそれだけのことである。

 したがって、そのほんの僅かなことに目をつぶるならば、格段に値段の安い二流三流でも充分使える。

 しかし、その僅かな完成度の違いを達成するために、二流品より何倍もの工程や手間がかかっていて、長年培ったメーカー独自のノウハウもあり、当然高額での販売となる。

 それら一流品を新品定価で買ってたら一年以内に破産するので、上級国民でない庶民のMasterはほぼ全てオークションの中古品狙いで、買って成功もあるが、失敗もかなり多い。何事も失敗しなくては上達しないものである(^^;

 さて、世界の一流品シリーズ第2回はボルサリーノの帽子、ファーフェルトハットである。現在わたしはボルサリーノの帽子を9個所有しているが、うち1個はパナマ帽で、他のメーカーの物を合わせるともっとある。これでもかなり処分したつもりなのだが。

 帽子ほど通販に不向きな物もない。実際に試着してみないと似合うかどうかわからないからだ。かといって新品の帽子売り場に行って、クラウンやツバを自分流にくしゃくしゃと折り曲げて試着するのも憚られる。結局はエイヤッと買ってみるしかない。

 最初は数千円のニューヨークハットを買ったが、だんだんと目が肥えてくるとただのウールでは物足りなくなって、より上等な兎の毛を使ったものが欲しくなる。クラウンの高いアメリカ製のステットソンよりも、スマートなイタリア製”クオリティ・スーペリオール”ラインのボルサリーノが小柄なわたしには似合うという結論に達した(^^;

 クオリティがスーペリオールだと何が良いのかというと、ほんの少し自分が男前に見えるのである。顔の近くにキメの揃った高級素材があると顔映りが良くなるのは、腕の良い理容師に散髪してもらうのと同じ理屈である。

 日本が世界に誇るオーディオメーカー・インフラノイズの秋葉社長はわたしに対抗してか、JimmyJazzに納品の時はいつも黒のハットを被っていらっしゃる。曰く「これ被って歩いてたらみんな避けて通る」とご満悦。

 オーディオマニアの気持ちの半分は芸術家なのだ( ̄▽ ̄;

Jimmy Jazz