月別アーカイブ 2022年9月22日

「男前」にこそ価値がある

「料金が他店より安いこと」

ランニングコストを考えるとそれは大事なことです。

「待たずにカットできること」

忙しい現代人には必須条件かもしれません。

「刈り上げが0ミリであること」

もちろんスキンフェードとはそういうことですね。

「何度でも切り直ししてくれること」

カットの途中で気が変わることもあるでしょう。

「たくさんすいてくれること、短くなってさっぱりすること」

当然ですよね〜。

 でもね、

 わたしは理容室でなにより重要なことは、散髪して「男前になること」だと思うんですよ。安い他店で散髪してかっこよくないより、JimmyJazzで散髪して男前が上がる、奥さんに褒めてもらえて、しかもスタイルが長持ちするなら、そっちの方がいいと思いませんか?

「おっ?ちょっといい男になってる!?」これがデザイン、これが付加価値というものですよ。

 当店を選んでくださったお客様全員にそう思ってもらいたい。時間的、体力的にいい仕事ができないと判断すれば予約をお断りすることもありますし、できない技術やおすすめしないスタイルもある。

「安くて、今すぐできて、さっぱりするならそれでいい」そんな方が当店を利用されるのは、ちょっと勿体無い。

 JimmyJazzはそういうスタンスで営業してます。

サボテンノーズワックス

 今年の夏は2度目の富士登山にチャレンジ!三年前には悪天候で登頂を断念したが、今回は好天に恵まれ、見事登頂を果たした。

 天気の次に心配したのが高山病で、とにかく酸素をたくさん取り込まないといけないと思い、当店メニューにサボテンノーズワックスを導入、鼻毛を根こそぎ引っこ抜いて富士山に挑もうと決心した(^^;

 これまで自分の鼻毛処理には電動および手動の鼻毛カッターや鼻毛専用ハサミなどを使ってきたが、なにしろ日本一の山に挑戦するのだからそんな生ぬるい方法では太刀打ちできない!

 数年前に突如この理美容業界に登場したサボテンノーズワックスという鼻毛脱毛メニューは、専用のスティックに保温ポットで温めておいたワックスを絡めて鼻に突っ込み、冷えて硬化したところを一気に引っこ抜く!ちょっぴり痛そうな印象と、そのショッキングなビジュアルから敬遠するむきも多いだろう。

 しかし実際に自分でやってみると、思ったほど痛くない。それどころか処理後のスティックをうっとり眺めてしまうw

 これは鼻毛ある人は全員やるべきだな!!うーんw

映画『ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実』

 いい機会なのでビリー・ホリディの伝記映画『ビリー・ホリディ物語/奇妙な果実』も観た。原題は『Lady Sings the Blues』、やはりアメリカで『Strange Fruit』とするのは問題が多いのだろうか。

 1972年製作、主演はダイアナ・ロス、製作はモータウンのベリー・ゴーディ、音楽はミシェル・ルグランで、いかにもルグランらしいストリングスが要所に聞かれる。

 どうしても先日紹介した『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』と比べてしまうが、かなり端折ったストーリー展開で、これだけ観てビリー・ホリディはこういう人だったと言うには随分イメージ違うなと。これでも’72年当時にしてはかなり頑張ったのだろう。

 この映画の元となった自伝『奇妙な果実 -ビリー・ホリデイ自伝』は既読であるが、実際のビリーは初めての売春年齢のサバを読む(?)ようなこともあったと聞く。その方がセンセーショナルに響くと思うとサービスする気質があったのかもしれない。(マイルス・デイヴィスの奥さんにクインシー・ジョーンズが指輪を贈ったとマイルス自叙伝に書いてあるが、クインシーがそんなことはないと食ってかかると「そのほうが読んでて面白いだろ」とマイルスが言ったとか。多少盛って語るのがジャズメン気質なのか)

 華奢でマシュマロヴォイスのダイアナ・ロスが骨太で肝の据わったビリーを演じようって言うのだからたいへんだ。

 最初からビリーの面倒をよくみてた”ピアノ弾き”が麻薬の売人に殺されてしまうのだが、このピアノ弾きが役名も”ピアノ弾き”で、いったい誰なのか?最初テディ・ウィルソンかと思ったが、彼は’86年まで生きてる。役名も無いほどだから適当にでっちあげたオリジナルのキャラクターなのかもしれない。

 ちなみにレスター・ヤングは登場しない。不倫関係にあったというベニー・グッドマンも登場しない。『ベニー・グッドマン物語』で好感度高かったから、これも問題あるんだろうな。10点中4点。

映画『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』

 なんと、ビリー・ホリディの映画があるではないか。しかも2本、全然知らんかった。むかしダイアナ・ロス主演で「ビリー・ホリディ物語」というのがあったが、これもチャンスがなくて観ていない。わたしは気の強そうな女性シンガーが苦手なので、ビリーとかカーメン・マクレエには詳しくないのだ。

 一本はドキュメンタリーの『Billie ビリー』、こちらは配信がなく、配信がある方の『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』を観た。

 ちょっとこのタイトルはダサいんじゃないかと思う。ストレートに『奇妙な果実』ではいかんかったのか。まだ問題あるのかな?

 さてストーリーはともかく、主演のアンドラ・デイがビリーにそっくり!顔や体格は小ぶりであまり似てないなと思って観てたら、歌声はもちろん、「電話帳を読むだけでジャズになる」とまで言われた話し方が本当にそっくりで、本物かと錯覚しそうになる。

 のっけからルイ・アームストロングと共演、サッチモの声マネはまあ誰でもできる(?)が、問題はトランペットの音色である。あの天下一品の艶やかな音色は再現不可能でスルー。ま、ビリーの映画なのでそれは許す。

 さあ、ビリーといえばプレズことレスター・ヤングで、トレードマークのポークパイハットをかぶって頻繁に登場するが、少し貧相で大物感ゼロ、テナーも含め残念、ま、ビリーの映画なのでこれも許す。

 バンドの頭数と出てくる音が合ってなかったり、『レディ・イン・サテン』のジャケットが登場した随分あとで同盤のレコーディングがあったりと、マニアが見たらツッコミどころは多々あるけれど、かなり頑張ったのは伝わってきた。ジャズ伝記映画として採点するなら10点満点中8点。ちなみにイーサン・ホーク主演チェット・ベイカーの『ブルーに生まれついて』は9点、マイルスの『マイルス・アヘッド』は3点(^^;