残クレアルファード
最近のAIの進化はめざましくて、白黒映像がカラーになったと思ったら、静止画が動き出したり、勝手にジブリ風のキャラクターになったり。そして驚いたことに論文はおろか、絵画を描いたり、作曲したり、アニメを作ったりもできるようになった。
この調子なら、オーディオでもたとえばレイ・ブラウンのすぐ横に立ってオスカー・ピーターソン・トリオの名演奏が聞きたいなんてことも、すぐにできてしまうだろうな。アップルもすでに空間オーディオなるフォーマットをApple Musicで始めてるし。
そんなAIで作った、「残クレアルファード」というビデオクリップがYouTubeで流行っている。内容は、無理して残価設定クレジットでトヨタのアルファードを買うマイルドヤンキーの家族を風刺した曲なのだが、この曲がツボにハマって何度も観てしまった。
彼らは地方都市に住む若いカップルで、羅偉翔(らいと)、天煌(あぽろ)、宝翔(だいや)という3人の子宝に恵まれ、手取り20万で生活しているらしい。
昔からヤンキーは早く結婚してたくさん子供を産むというが、日本の出生率って政府が補助金出すとか環境を整えたくらいじゃ減少は止まんないんじゃないか。だって彼らは3人子どもがいて手取り20万でもイケるのだから(^^;
世界的に見ても、貧しい国のほうがどんどん子供が産まれて、豊かな先進国ほど少子化していく。これは、環境が整って便利になるほど、なにがなんでも欲しいと思う強い欲望、ハングリー精神がなくなってしまうからではないのか。どうしてもアルファード乗りたいんや!手取り20万でも乗りたいんや!!と求めるような兄ちゃんはあと先考えずに子供3人くらい作るんやで。知らんけど。うちも3人子供おるけどな!w
俺たちの祭り
オーディオ機器をグレードアップしたなら、どんなふうに音が良くなったか変化を探すのがマニアにとっては楽しいものであるが、今回のはD/Aコンバーター故障でやむなく大幅にグレードダウンしたから、音が悪くなってないかのチェックはヒヤヒヤドキドキ、辛いものである。
ああ、シンバルの繊細な描き分けが大味なものになったなあ。ピアノのブロックコードが硬いとか、ベースに含まれる空気感が減少したかなとか、粗探しをすればいくらでも見つかる。
しかしながら、かつてジャンクな安物の使い手として名を馳せたMasterであるから、あえて何も言わなければ音が変わったことはバレないだろうというくらいには持っていくことができた。普段からこの程度の音で鳴ってることは多い。問題は最高に鳴ったときの伸びしろが減少していることなのだ。
RS-ADAC3はあくまでも間に合わせで購入したD/Aコンバーターなので、いつまでも使い続ける気持ちはない。第一JBLエベレストにマッキンのセパレート使ってて、ずっと4千円のコンバーターでは沽券に関わるというものだ。
なんとか騙し騙し使いながら、後継のD/Aコンバーターをはやく見つけねば!音の相性が良さそうなのはマークレビンソンとかマッキントッシュだ。マッキンならD/Aコンバーター単体よりいっそインテグレーテッドアンプにデジタル入力のついたのを選ぶという手もある。その場合、現用のプリとパワーを下取りに出して、送り出しシステム総とっかえになるだろう。ただし、そうなったら余裕で100万円オーバーの出費となる。なんとも頭の痛い問題である。
そんなことを思いながらあれこれと音質テストしているが、あえてラトックシステムの良いところを探すとすれば、ライブ会場の大型PAモニターのような元気のいいサウンドを聴かせることか。まあやっぱり大雑把で大味なのである(^^;
ところがオーディオとは面白いもので、これまで「貴重な時間を割いて傾聴する値打ち無し」と断定していた音源が、ラトックシステムでは俄然生き生きと鳴りはじめたのである。特にこの時期になるとよくかけるブラジル音楽や、ラテン、シャンソンなど、足枷から解き放たれ自由になったかのようにストレスなく鳴る。あれはどうだろう?もしかしたらこれも鳴るんじゃないか?こうなると逆にグレードダウン祭りが始まって落ち着かない。
何が「完成されたシステム」だ、これこそ増上慢。思い上がりもいいところだ。やっぱり自分は安物オーディオの品のないサウンドが好きなのかしら( ̄▽ ̄;
ラトックシステムRS-ADAC3
D/Aコンバーターの故障にあたって、とりあえず間に合わせにと注文したのがラトックシステムのRS-ADAC3という製品。お値段なんと3980円税込。壊れたDAC-1は20万近くしたから、オーディオ製品として考えたらもうタダみたいなものである(^^;
なぜラトックシステムにしたかというと、商品詳細に「日本の中小企業」と書いてあったから。だからといって日本製とは限らないが、まるで素性のわからぬ中国製よりなんとなく安心感はある。
Amazonのカスタマーレビューは、「問題なく使える」とか便利さの評価だけで、この製品の音質に関して誰も書いてないのがすごい。オーディオ製品なのに(^^;
RS-ADAC3にはデジタル入力の同軸RCA端子がついていて、出力端子もR赤L白のRCAタイプ。写真で見ると、この端子左右が接近してついていて、極太ケーブルを常用するオーディオマニアにはキビしいだろう。当店は極太ケーブルこそ使わないが、アナログアキュライザーのRL左右が干渉しないか心配ではある。
やきもきしながら到着を待ってたら、小さな封筒を持ってAmazon配達員がやってきた。えっ、これ?小さっ!封筒の中から小箱を取り出すと、中からさらに小さい部品(というのに相応しい)が出てきた。プチプチにも包んでないぞ、いいのか?オーディオ製品なのに(^^;;
プラグ同士の干渉もなく接続は問題なくできた。音も一応左右から出た。ボリュームがついてるので最大に開放した。う〜ん、なんか音がシャカシャカするな。低音調整ボリュームもついているが、低音というよりもトーンコントロールのようでゼロ位置だとシャカシャカする。12時の位置あたりが正常なバランスに思えた。
うーん、こんなんでまともに営業できるんだろうか?
(つづく)
DAC-1逝く
最近では音の調子が悪くても、店が悪いのか機械が悪いのか、はたまたわたしの耳が悪いのか、すべて古いものばかりなのでどうにも信用ならない(^^;
昨日、何か変だと思ったら右スピーカーから音が出てない。おととい「良い音ですねえ」とお客様に褒められたばかりなのに。あれは断末魔の悲鳴だったのだろうか。
どこでトラブルが起きているのか、あちこちプラグの抜き差したり。ソースを変えてみたり、Mac miniを再起動してみたりして、最終的にDAC-1のアナログ右チャンネルから信号が出てないと判明した。
とうとうDAC-1も寿命か。DAC-1とは当店の音響システムの一部、D/Aコンバーターのことで、デジタル信号をアナログ信号に変換する機械なのである。
オーディオ仲間たちの所有するDAC-1が寿命を迎えて次々壊れていってるから、ウチもそろそろかと恐れていたからついに来たかという感じ。もうメーカーに保守部品が残ってないので修理不可能。2006年の発売から19年も使い続けていたのだから、よく持ったものである。長いことお疲れ様。
オーディオ機器が壊れたら、口では困ったなと言いつつ鼻歌を歌いながらウキウキ新しい機器を探すのがマニアの習性だけれど、マニアの風上にもおけないわたしはほんとうに困ってしまった。
当店の音は、グレードはともかくひとつの完成型となっていて、これが崩れていびつな形になるとひじょうに困るのだ。
後継機を探すといっても、19年前とは様変わりして、単体のD/Aコンバーターはすごく高いのか、オモチャみたいな安価製品のどちらかしかない。昨今はD/Aコンバート機能をアンプに内蔵するのが主流みたいだ。
のんびり探してる暇はない。なにしろ片チャンから音が出ないのだから営業に差し支える。困ったときのAmazonお急ぎ便で、間に合わせのD/Aコンバーターを発注。
配送までの苦肉の策として、プリアンプのモードセレクターを(MONO L+R)にして、モノラル録音の曲ばかりプレイリストに入れてやり過ごすことにした。
(つづく)