寝ぐせ
いつも髪が寝ぐせでピンと立っている人、皆さんの知ってる人の中にもいるでしょう。元々の頭の形や、寝相が悪いせいで、つむじ辺りがパックリ割れていたり、妙なくせがつくケースだってもちろんあるが、理美容師の腕が悪くてそうなってることも結構ある。
ご存知のように理美容師はカットのテクニックで髪の流れをある程度コントロールできるが、カットが正確でないと、そこで毛流がストップしてパックリ割れ目ができる、そしてそのまま寝るを繰り返すうちに、まるでパーマでもかけたように同じ場所に強い寝ぐせができることがある。いつも寝ぐせの人や髪の収まりが悪い人の特徴だ。
さあそういうときこそ理容師の腕の見せどころ。ズボラかつ曖昧なカットを修正し、収まるべきところに収まるよう髪の流れを作っていくのだ。その際、このお客は風呂上がりにドライヤーくらいかけてくれそうか、あるいは何もしないでそのまま寝てしまうタイプか、(いつも寝ぐせで平気なんだから後者の確率は高い)見極めながらスタイルを作っていく。うまくいけば一発で寝ぐせのつきにくい髪型にできるが、数回数ヶ月にわたって徐々に流れが変わっていく場合もあるし、変わらないことだってもちろんある。
原則何も髪の手入れをしてくれない人だって、こう流せばカッコよく見えるということを鏡を見て発見すれば、だんだんそのように良いくせがついてくる。JimmyJazzの散髪にはそんな宿題と無言のメッセージが込められている。寝ぐせをつけている当のご本人が知らないところで、理容師は頑固な寝ぐせと孤独な戦いを繰り広げているのである。