世界の一流品シリーズ[4] ヴィトラ社 パントンチェア

世界の一流品シリーズ[4] ヴィトラ社 パントンチェア

 1950年前後、デザイナーによる優れた家具が多く生み出され、それらは後年”ミッドセンチュリー”と称されるようになる。やがて半世紀が過ぎ、著作権が切れるとミッドセンチュリーの名作家具は、リプロダクトといえば聞こえはいいが、要するにコピー商品が多く出回るようになった。

 当店の客待ちスペースにあるヴェルナー・パントンのパントンチェアもミッドセンチュリーを象徴するデザインの傑作チェアであるが、これを初めて導入したのがちょうど10年前の2012年11月、リプロダクト品で一脚5千円くらいだった。

 スピーカーのすぐそばに置くのでなるべく音を吸わない/変な反射をしない物をと考えて、このプラスチック一体成形の椅子を選んだのだ。

 家具に興味のない人が見れば、リプロダクトだろうとオリジナルだろうと、ただのおかしな形をした椅子なのだが、実際に所有してみると本物と少しずつ違う、色んなことが気になってくる。

 たとえば表面の仕上げが、リプロ品は微妙にツヤツヤしてて、床と擦れた際に出るゴゴッという音も安っぽいし気に入らない(^^;

 なんだよそんな音くらいとお思いになるだろうが、その音の響きがフィードバックして店内の音響を形成しているのだから、なかなか馬鹿にならないのだ。

 そこでJBLエベレストを導入を決めた本年始めから、こっそり一脚ずつ本家本元ヴィトラ社のパントンチェアに入れ替えていたのだ。

 白と黒のうち、一脚の黒だけ入れ替えたところでJBLエベレストがやってきたが、あるお客様が「こっちの椅子に座るのと、あっちの椅子では音が違う!」と言い出した!

 ほほぅ!面白いことを仰るではないかw ちなみにどっちが音がいいですかと訊ねたら、こっちと黒いほうを指す。

 エベレストの巨大さに気を取られて、椅子が変わってることには気づかなかったでしょ?そりゃそうだ、見た目はほとんど一緒なのだから( ̄▽ ̄;

 スタッキング(積み重ね)可能なはずなのにコピー品は重ならないとか、ヴィトラの製品は黒が少しグレーっぽいとか、比べてみると違いがよくわかる。

 ただ、座り心地はほとんど変わらないから半分以上Masterの自己満足だと言われても否定はしない(^^;

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Jimmy Jazz