ジョン・コルトレーン(ts,ss) 『Coltrane』[Impulse!]

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ジョン・コルトレーン(ts,ss) 『Coltrane』[Impulse!]

 マッコイとエルヴィンを自分のグループに迎え、残るはベースだ。いつの時代もベーシストは不足する。ポール・チェンバースみたいな凄腕はそうそう居るもんじゃない。ようやく見つけたのがジミー・ギャリソン。4人ががっちりとスクラムを組み、本作からいよいよ”黄金のカルテット”の快進撃が始まる。いちばん後発のギャリソンであったが、マッコイ、エルヴィンがコルトレーンと袂を分った後もグループに残り、巨星トレーンを最後までサポートする。おどろおどろしく始まる[1]、甘さに流されないバラードの[2]は珠玉の名演。 ★★★★

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 Masterウソつけない

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 音がイイのがカッコイイ

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 ハンク・モブレー(ts) 『Hank』

ハンク・モブレー(ts) 『Hank』

 ハンク・モブレーのファンであっても、このレコードを話題にすることは少ないようだ。ありがちな三管のハードバップ、ジャケットも地味。これといった特徴がないせいだろう。しかしそこが本盤の魅力なのだ。前半いかにもモブレーらしい粋なタイトルのオリジナルが二曲、後半馴染みのスタンダード三曲。快活な[1]は中間部ベースソロのアレンジがカッコイイ。ドナルド・バードが美しいトーンで先導する[4]、続くアルトのジョン・ジェンキンス、ボビー・ティモンズのピアノも良い。思わず目を細めて聴き入ってしまう良作。 ★★★★ アナログ盤あり

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 「A&Vヴィレッジ」誌 休刊そして経営譲渡

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 ポール・チェンバース(b) 『Bass On Top』

ポール・チェンバース(b) 『ベース・オン・トップ』

 ポール・チェンバースが参加したセッションは膨大な数にのぼるが、そのなかでも代表作と言えばこれだろう。[1]は全編弓弾きで通し、[2]はピチカートでテーマ~ソロを演奏。中盤に差し掛かり、ケニー・バレルのソロになってようやくベースランニングが登場、この瞬間がなんとも気持ち良い。4ビートのベースラインはジャズならではの快感だなあと、しみじみ有難味を感じる。当時籍をおいていたマイルス・デイヴィス・クインテットのレパートリーでもある[4]は本作品中では比較的オーソドックスな構成。ベーシストを際立たせるよう、ケニー・バレル、ハンク・ジョーンズも控えめでいぶし銀のプレー。 ★★★★

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 もしも自宅がジャズ喫茶なら

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 ビル・エヴァンス(p),ジェレミー・スタイグ(fl) 『What's New?』

ビル・エヴァンス(p),ジェレミー・スタイグ(fl) 『ホワッツ・ニュー』

 ビル・エヴァンスのレギュラートリオにジェレミー・スタイグを迎えた異色作。エヴァンスにとってはヴァーヴ時代最後の作品となる。[4]は『ポートレイト・イン・ジャズ』における名演と同じアレンジで、いつになく緊張感を孕んだ演奏。フルートの音色が加わることでより一層知的なムードが深まっている。マイルス・デイヴィス作の[7]に至っては、スタイグが唾を飛ばし、唄いながら吹くという過激さではあるが、音楽そのものはあくまでも格調高く、決して下品にはならない。そして本作の白眉、バラードの[6]はもう神秘的なまでの美しさ。紙ジャケあり ★★★★

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 なんでDAC-1を集中して誉めまくったかについて

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 ジミー・スミス(org) 『The Sound Of Jimmy Smith』

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ジミー・スミス(org) 『ザ・サウンド・オブ・ジミー・スミス』 国内盤あり

 ブルーノートのジミー・スミス以下オールスターによる第1回マンハッタンタワー・セッションからの5作目。オールスターといっても、本作での特別参加は[5]のアート・ブレイキーのみ。残りのトラックはレギュラートリオによる演奏、[1][4]にいたってはスミスのオルガンソロである。いつものメンバーによる演奏が、この作品に限って特別なものに響いてくるのは、きっと前2日のセッションが効いてるのだろう。注意深くクレジットを参照してみると、3日間全員がスタジオに詰めていたのではなく、おそらく11日に召集されたのはブレイキー、ドナルドソン、モブレー、バード、マクファーデン、12日がドナルドソン、バレル、ブレイキー、13日マクファーデン、ベイリーだ。 ★★★★

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 ジミー・スミス(org) 『Jimmy Smth At The Organ Vol.1』

ジミー・スミス(org) 『Jimmy Smth At The Organ Vol.1』

 1957年2月11,12,13日の三日間、マンハッタンタワーで行われたセッションのうち、12日に収録されたピックアップメンバーによる録音だが、同じシチュエーションでの兄弟作品ともいえる『A Date With Jimmy Smith』『The Sound Of Jimmy Smith』とは、それぞれに印象が異なって聞こえるから面白い。[1]はルー・ドナルドソンとスミスのデュオで、アルトが素晴らしく良い音で録れている。この深々とした残響はハッケンサックのスタジオには無かったもので、以後ブルーノートの大編成ものやスミスの録音はマンハッタンタワーが常用されるようになる。このことがイングルウッドの新ヴァン・ゲルダースタジオ建設への引金となったに違いない。『Vol.2』★★★☆☆

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 オーディオは見栄張りの道具か

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 ドナルド・バード(tp,flh,vo) 『Black Byrd』
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ドナルド・バード(tp,flh,vo) 『ブラック・バード』

 ブルーノート最大のヒット作!といっても、わたしが初めて聴いたのはほんの数年前で、「なんてカッコイイんだ!これは買わねば!」と、すぐさまCD屋に走ったことを思い出す。発作的に買いたくなるのは飽きるのも早いが、曲想はカッコイイことこのうえない。ジェットエンジンのSEで始まるダンサブルなブラック・ファンク。CDを買ったその足でハイエンド・オーディオマニアのK谷さんに聴かせたら、「Master、若いですね」と感心された。ううん、確かにナウでヤングな感覚がイカシてる。今をときめくクレイジー・ケン・バンドのルーツは案外このあたりかも? ★★★☆☆

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 セロニアス・モンク(p) 『Thelonious Himself』

セロニアス・モンク(p) 『Thelonious Himself』

 モンクのピアノはメロディックじゃないから最初はとっつきにくいが、難しいことを考えず、虚心坦懐に受け止めれば、これほど快い音楽もない。まるでお伽噺のような不思議な世界に連れて行ってくれる。CD化の際、なんと20分を超える「ラウンド・ミッドナイト(イン・プログレス)」が追加された。本テイクに至る過程は興味深いものの、天啓を受けたように迷いなく弾いた[7]に比べると幾分散漫に聞こえる。弾こうと思えばいつでも弾けたのでは?[9]のみ参加のコルトレーンもいい。モンクの最高傑作はやっぱりこれだ。国内盤あり ★★★★★

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 マイルス・デイヴィス(tp) 『TUTU』
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マイルス・デイヴィス(tp) 『TUTU』

 マーカス・ミラーがプログラムした打ち込みのカラオケに合わせてマイルスがラッパを吹いた、とだけ聞いたらなんとも有難味のないレコードのようだが、一流の人がやるとカラオケだろうが打ち込みだろうが、立派な一流の音楽ができてしまうのである。エラソーに言ってるけど、本盤が出た当時、貸レコード屋に行って借りてきたのをカセットテープに録音しながら聴いてたのを思い出す。ジャケットはカッコイイのに音楽のほうはまるで良さがわからん。こらアカンとテープは消去。あれから20年を経て聴いてみると、これが良いのである。コロンビアからワーナーへ移籍しての第一弾、ビルボードの'86年度「トップ・ジャズ・アルバム」で第一位を獲得。当時のジャズファンは良い耳してたんだなあと感心。国内盤あり ★★★★

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 渡辺貞夫(as,sopranino,fl) 『カリフォルニア・シャワー』

渡辺貞夫(as,sopranino,fl) 『カリフォルニア・シャワー』

 なんといっても思い出すのは資生堂ブラバスのCM。ジャズといえばブラバスの香り(笑)まだ売ってるというから凄い。昔の床屋ではどんな男性化粧品をつけるかを指定できて、鐘紡のエロイカと人気を二分したものだ。デイブ・グルーシン、リー・リトナーらのサポートを得、LAで録音されたフュージョンの大ヒット作。当時のわたしは、このレコードによって「カリフォルニアといえば海岸と椰子の木」というイメージを強烈に刷込まれたのだった。当時流行したレゲエ風のリズムを取入れているため、長い間わたしはカリブ海とロスのイメージを混同していた。 ★★★☆☆

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 リー・モーガン(tp) 『Lee Morgan Vol.3』

リー・モーガン(tp) 『リー・モーガン Vol.3』

 クレジットにはないフルート(おそらくジジ・クライスの持替)がテーマメロディを吹く[1]で本盤は幕を開ける。カラフルな演出だ。絶好調のモーガンに続いて出てくるクライス。なんと悲しげなアルトなんだろう。そしておまたせしました。ベニー・ゴルソンがテナーで初登場。腕に自信がなかったのか、あまり吹きたがらなかったゴルソンだが、わたしはワンアンドオンリーな彼のテナーが結構好きなのである。そして本盤の目玉、『Jazz Lab』におけるドナルド・バードの初演より遅れる事二ヶ月、ワンテイクで終了した[3]はこの曲の決定的名演となった。 ★★★★

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 チャールス・マクファーソン(as) 『Live at the Five Spot』

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チャールス・マクファーソン(as) 『Live at the Five Spot』

 チャールス・マクファーソンは、チャールス・ミンガスのバンドにも籍を置いたことがある、チャーリー・パーカーの流れを汲むアルト奏者。パーカーの伝記映画「バード」のサウンドトラックでは、パーカー自身によるフレーズの穴を埋めるようにアルトを吹いた影武者的存在だ。ジャズロック調の[1]、ファイヴ・スポットといえばエリック・ドルフィーのライブ盤が有名だが、相変わらずピアノの調律が悪いのか、バリー・ハリスもキーを選んで弾きにくそう。しかし悪条件にめげずカッコよく決まっている。マクファーソンのアルトがややフラット気味に迫ってくるバラードの[5]、これは聞き物。 ★★★☆☆

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 バド・パウエル(p) 『The Amazing Bud Powell, Vol. 2』

バド・パウエル(p) 『The Amazing Bud Powell, Vol. 2』

 ピアノ、ベース、ドラムスの三重奏を「ピアノトリオ」として定着させたのはバド・パウエルで、それまで「ピアノトリオ」といえば、ナット・キング・コールのようにベースとギターを配したものが主流だったようだ。パウエルのピアノは音数が多くて和音も分厚い。ピアノ一台でオーケストラをやっているような感覚で、果たして伴奏楽器は何でも良かったかも知れない。各楽器の役割分担が聴かれるようになるのが本盤収録'53年のセッション。'49年の[11][12]、'51年の[4][9]などと比べ、かなりモダンなスタイルへと移行している。バロック風アレンジの[2]や[5]など、ベースとドラムスがパウエルのやりたいことをよく理解して追従している。過激な『Vol.1』に比べ、随分聴きやすい。 ★★★★

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 TVドラマ「結婚できない男」のオーディオルームは音が悪い

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 JJバーベキュー

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 クリフ・ジョーダン(ts) 『Cliff Jordan』
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クリフ・ジョーダン(ts) 『Cliff Jordan』

 これに先駆けて、ジョン・ギルモアと双頭リーダーで『ブローイング・フロム・シカゴ』を吹込んでるものの、クリフ・ジョーダン単独名義では初のリーダー作。わたしは[1]のような曲に弱い。弾むようなミディアムテンポで、ほんの少し哀愁が漂うジョーダンの作。ホレス・シルヴァーの『ファーザー・エクスプロレイションズ』は、ジョーダンの参加あってこそだというのが、この曲を聴けばよーくわかる。そしてカーティス・フラー作の[3]。1957年になると、'56年以前のジャズシーンには見られなかったこのような新しい感性の曲が続々と出てくるようになる。リー・モーガンをはじめとする参加メンバーも豪華だが、レイ・ブライアントの低音ピアノで一段と凄みが増している。 ★★★★

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 インフラノイズとM.J.Q.の意外な関係

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 ユタ・ヒップ(p) 『Jutta Hipp At The Hickory House Vol.2』

ユタ・ヒップ(p) 『ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ Vol.2』

 「ユタ・ヒップのピアノが好きで好きで…」或は「このCDが欲しくて欲しくて…」なんて人は殆ど居ないと思う。「ブルーノートの1500番台に入っているから一応買っておくか」というわけだ。アルフレッド・ライオン社長が意図したかどうかは知らないが、このように大して欲しくもないレコードを2枚まとめて買わせる仕掛けがブルーノートの1500番台にはある。しかも『Vol.1』『Vol.2』とあれば、『Vol.2』のほうに良い演奏が入ってることが多いのである。『Vol.2』だけ買って『Vol.1』を買わない日本人は稀。結局2枚まとめて買ってしまうのである。ずるいぞアルフレッド。硬質なスタイルを貫くヒップのピアノだが[7]のイントロにはホロリとさせられる。 ★★★☆☆

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 ポール・デスモンド(as) 『Take Ten』
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ポール・デスモンド(as) 『テイク・テン』

 一ヶ月後に同じメンバーで吹込んだ『ボッサ・アンティグア』とは姉妹作のような関係で、一曲ごとにボサ・ノヴァが挿入されている。表題曲[1]は御存知「テイク・ファイブ」の続編、「テイク・テン」ってくらいだから十拍子かと思ったらやはりこれも五拍子。[2]はスコールを思わせるコニー・ケイのブラシが爽快だ。しかし本作のハイライトはA面よりもB面つまり[5]からのくだり。「黒いオルフェ」の名演のひとつに数えられる[5]。控えめながらもコードに感情をぶつける[6]のジム・ホールが渋い。 ★★★☆☆

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 スタンリー・タレンタイン(ts) 『Joyride』

スタンリー・タレンタイン(ts) 『ジョイライド』

 イントロからして勇ましい[4]をかけると、柔道着に黒帯をしたタレンタインがバッタバッタと悪者を投げ飛ばしていく様を想像する。後半のアンサンブルを縫うように出るテナーは凄い貫禄だ。次にイイのが[3]で、オリバー・ネルソンの”カッチョイイ系”アレンジが効いている。ハンコックまで珍しく”カッチョイイ系”のピアノを弾く。同じくオリバー・ネルソンが編曲したソニー・ロリンズの『アルフィー』『ジミー&ウエス・ザ・ダイナミック・デュオ』に通じる雰囲気でメンバーもかなり重複。でもこの黒っぽい重厚感はブルーノートならではだ。 ★★★☆☆

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