マイルス・デイヴィス(tp) 『クールの誕生』
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マイルス・デイヴィス(tp) 『Birth Of The Cool』

 この作品を聴いて思い浮かぶのイメージはギリシャ風「白亜の宮殿」。キャピトルのレーベルカラーとも一致する。明るい日差しとエーゲ海の爽やかな風が吹いてくるよう。唄入りの[12]が特にそうだ。ところがマイルスに似合いそうなのはエジプトやスペインの王宮なのだ。リーダーでありながらどことなく余所余所しい、まるで客演しているような印象はこのイメージのズレにあるのかも。[3]におけるリー・コニッツのソロからアンサンブルに一体化するくだりはすばらしく芸術的。この録音に先駆け、クラブ”ロイヤル・ルースト”に出演したときの九重奏団の演奏をカップリングした『The Complete Birth of the Cool』もある。 ★★★☆☆

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 サド・ジョーンズ = メル・ルイス ジャズ・オーケストラ 『Live In Tokyo』

サド・ジョーンズ = メル・ルイス ジャズ・オーケストラ 『ライヴ・イン・トーキョー』

 サド=メルのようなモダン感覚のビッグバンドは、もっとたくさんあってもよさそうなものだが。やはり大所帯をまとめるのはたいへんなのだろう。「ビー」と開演ブザーが鳴り、『マイルス・イン・トーキョー』でお馴染いソノてルヲ氏の司会に続いてゴキゲンなアンサンブルが素早く飛び出す。ジャブを繰り出すトランペット、熱を帯びてくるブラスセクション。ピアノソロにクールダウンでブラシに持ち替えるルイス。この瞬間がカッコイイ!最後のドラムソロではシンバル音の生々しさに息を飲む。大いに盛り上った次は、アルトがフラフラ登場したかと思うと、それに導かれ休む間もなくマイナー調のブルース[2]に突入する。見せ場満載の東京公演。 ★★★☆☆

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 『有山麻衣子 幻のコンサート』(宇野功芳 企画・指揮 )

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 チャック・マンジョーネ(flh,el-p) 『Feels So Good』


チャック・マンジョーネ(flh,el-p) 『フィール・ソー・グッド』

 音楽の何が好きって、そりゃあシンコペーションに決まってるじゃないか。滑り込むように先走る粋なリズム。クラシックにはこれがないから馴染めない。チャック・マンジョーネの大ヒット作[1]。ソフト&メロウなフリューゲルホーンに続いて16ビートを刻むギターが登場。ふわりと流れるようなメロディを分断するリズムがアクセントをつける、シンコペーション(・∀・)キター!!まさに表題どおりの気持ちよさ。この一曲だけでマンジョーネがいかに優れたコンポーザーかわかるが、[4]で聴かれるラッパの腕前も相当なもの。欠点といったら脳天気すぎることか。3年に1回位無性に聴きたくなる。 ★★★☆☆

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 リー・モーガン(tp) 『Lee Morgan Sextet』

リー・モーガン(tp) 『リー・モーガン Vol.2』

 ブルーノートのカタログを見ながら、次はリー・モーガンのどれを買おうかなと大いに悩むことだろう。本盤には「ウィスパー・ノット」が入っているし、『Vol.3』には極めつけの「アイ・リメンバー・クリフォード」が入ってるし、『ザ・クッカー』には「チュニジアの夜」だ。あー、もう迷うなあ。しかしジャケットのカッコ良さは本盤がピカイチ。三つ釦の上着がキマってる。ベニー・ゴルソンとオーウェン・マーシャルが作編曲としてクレジットされる。初代ジャズメッセンジャーズのモブレー、シルバーのサポートを得て展開する「ウィスパー・ノット」、ゴルソンにモーガンとくれば、次世代ジャズメッセンジャーズとして形を成すプロセスを見るようだ。 ★★★☆☆

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 リー・モーガン(tp) 『Lee Morgan Indeed!』

リー・モーガン(tp) 『リー・モーガン・インディード!』

 いきなりである。もうちょっと下積み期間とかあってもよさそうなものを。天才クリフォード・ブラウンの死と入れ替わるように登場した神童リー・モーガン18歳、初レコーディングにして堂々の初リーダー作。既に円熟味さえ感じさせるバラードプレイ[3]に舌を巻く。同郷フィラデルフィア出身のパーカー派アルト奏者C・シャープがなかなかの好演。この頃のモーガンはディジー・ガレスピーと同じくベルの曲がったトランペットを使っているが、当時ガレスピー楽団に所属していたことや、その後普通のトランペットを使ってることから察するに、ガレスピーのを借りて吹いていたのかもしれない。 ★★★☆☆

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 カーティス・フラー(tb) 『Bone & Bari』

カーティス・フラー(tb) 『ボーン&バリ』

 『ジ・オープナー』に続くカーティス・フラーのブルーノート第2弾。フラーのトロンボーンバリトンサックスのテイト・ヒューストンとの2管編成で『ボーン&バリ』というわけ。ジャズテットへの萌芽を感じさせる”男前”ナンバーの[1]、親しみ易い三拍子の[2]、スタンダードの[4]など、どこをとってもフラーのダイナミックにアップダウンする美しいメロディラインがちりばめられている。バリトンのワンホーン[5]はヒューストン一世一代、入魂のバラード演奏。本作以外に彼の目立った活躍はない。★★★★

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 トミー・フラナガン(p) 『Overseas』
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トミー・フラナガン(p) 『オーバーシーズ』

 幾多の大傑作セッションに名を連ね、「名脇役」の異名をとるトミー・フラナガン本人名義の代表作。今日の主役はキミだと言われて、さあ困ったフラナガン。小声でエルヴィン・ジョーンズに主役交代を申し出る。待ってましたとばかりにブラシを振回すエルヴィン。そんなやりとりがあったかどうかは定かでないが、時折シンバルが「ぷわっしぃぃぃいーーん!」と炸裂する[6]の盛り上がり方を聴いてると、スネアが汗やら涎やらでグチョグチョな様を想像してしまう。ピアノトリオの名盤をということであれば、やはりこの一枚は外せない。 ★★★★★

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 セロニアス・モンク(p) 『Genius Of Modern Music Vol.2』

セロニアス・モンク(p) 『Genius Of Modern Music Vol.2』

 [1]が入ってるから何度でも聴いてしまう。素早いマックス・ローチのハイハットで、おっ、急速調か?それともワルツ?と、思わせておいて、だんだんとリズムの全体像が見えてくる。ルー・ドナルドソンの抒情的なアルトが入ってくると同時にフォービートになっていて、すぐさまケニー・ドーハム登場。おおなんとトリッキーかつドラマチックな展開なのだろう!?汽車の窓から田園風景のパノラマを見るようだ。こんなに良い曲だというのにモンクによってレコーディングされたのはこれ一度きり。きっとモンクにしては普通すぎたのだな。[1]~[4]は'52年のセッション、モンク一人で引っ張っていたような『Vol.1』に比べるとサイドメンの活躍が目立つ。 ★★★★

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 セロニアス・モンク(p) 『Genius Of Modern Music Vol.1』

セロニアス・モンク(p) 『Genius Of Modern Music Vol.1』

 モンクの初リーダー作をブルーノートが録音していたというのは、意外なようで当然のようでもある。我々にとっては最初から巨人であっても、彼が本格的に有名になるのはこの約10年後、リバーサイドレーベルに移って、『ブリリアント・コーナーズ』をヒットさせ、漸くという感じなのだ。最も有名な[1]、当初はこのようにイントロをいろんな楽器が少しづつ引き継いでいく格好だったのだ。ソロはモンクのピアノのみでアッサリ終る。後に有名になる[2][3][8][9][10]と、独自のスタイルは今聴いても斬新、ぜんまい時計の中身を見るようだ。 ★★★★

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 サド・ジョーンズ(tp) 『Detroit-New York Junction』

サド・ジョーンズ(tp) 『Detroit-New York Junction』

 ブルーノート蒐集は結構なことだが、買うことばかりに気をとられ、本盤のような佳作を聴かずに放置なんてことになりかねない。わたしもそうだった。なんとなく地味なのだ。聴くのは後回しにしようという雰囲気がある。[1]はゆったりリラックス、コレが良い。ブルーノートではなくヴァーヴ盤を聴いてるようだ。先発はビリー・ミッチェルのテナー、快調だ。ケニー・バレルのギターの音でますます気分がほぐれ、ベースソロを挟んで、おもむろにサド・ジョーンズ登場。トミフラ節ピアノでこのまま気持ち良く終るのかと思ったら、キメキメのエンディングでビシッと終る。このへんがブルーノートだよなぁ。いいなあ。 ★★★★

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 メイナード・ファーガソン(tp) 『New Vintage』


メイナード・ファーガソン(tp) 『New Vintage』

 メイナード・ファーガソンは『ロッキーのテーマ』で一躍有名になった驚異のハイノート・トランペッター。で、今度は「スターウォーズのテーマ」である。なんと安直な(笑)決してフォービートのジャズっぽくも気だるいアレンジを期待してはいけない。勇ましいマーチのリズムに乗って、あのメロディが全開で来るから恥ずかしさ100%。ジャズとしてでなく、一種の懐メロだと思って聴けばそれなりに楽しめるし、[1]以外はわりと普通だから赤面せず聴ける。ジャケットも渋いし、当然ながら録音・演奏のクォリティも共に高い。 ★★★☆☆

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 デューク・エリントン(p) 『Hi-Fi Ellington Uptown』

デューク・エリントン(p) 『Hi-Fi Ellington Uptown』

 かつて大阪天王寺にあったジャズ喫茶「トップシンバル」のマスターに、「ドラムの音が凄いレコードは?」と訊ねたら、まずドナルド・バードの『フュエゴ』のB面、そして本盤の名を挙げた。なるほど[1]はルイ・ベルスンのショウケース、2ベースドラムが地響きを立てて迫ってくる。こら凄いわ。[2]は映画「コットン・クラブ」の冒頭シーンでお馴染み。妖しいムードの名曲だ。そして代表曲[3]はいろんなバージョンがあるが、今回のはベティ・ロシェの唄がフィーチュアされている。エリントン入門には本盤、もしくは『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』をお勧めしたい。 ★★★★

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 『聴く鏡 - 一九九四‐二〇〇六』 菅原 正二(著)

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『聴く鏡 - 一九九四‐二〇〇六 』 菅原 正二(著)

 どうやったらこんなに粋な文章が書けるのだろうと、つい「不純な」読み方をしてしまう。菅原氏の文章はスイングしてて、ジャズのことを書いてなくてもジャズっぽい。張り合うつもりは毛頭ないが、わたしの文章は何を書いても子供っぽい。少々気になる点、前作『ジャズ喫茶「ベイシー」の選択』にもあったけれど、「誰それが亡くなった話」が頻繁に出てきて、これは滅入る。いくらなんでも出てきすぎじゃないか。常々いつかは氏の経営する「日本一音の良いジャズ喫茶」に行ってみたいと思っていたが、最近では、そういう夢のように良い音が遠く離れた北国で鳴ってるのだ、と憧れの想いを巡らせてるほうが良いような気もしてきた。オーディオマニア必須。

 ジョージ・ベンソン(g,vo) 『Give Me the Night』

ジョージ・ベンソン(g,vo) 『ギヴ・ミー・ザ・ナイト』

 景気のいいディスコビートに乗って、ジョージ・ベンソンの華麗なるギターとボーカルが一歩進んで二歩下がる。素肌にVネックセーターがなんともダサカッコイイ!ギターソロをユニゾンで口ずさむのが得意のベンソンだが、唄もいけるじゃないかというわけでソフト&メロウ路線にイメチェン。表題曲[4]はビルボード”ブラック・シングルス部門”で最高1位、[1]も9位になった。[3]はパティ・オースティンとのデュエットによるヴォーカリーズで、元となったのはジェームズ・ムーディの「I'm In The Mood For Love」のソロ。建前抜きで言うとわたしは結構好きなんだ。(笑) ★★★☆☆

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 ジェリー・マリガン(bs),ポール・デスモンド(as) 『Quartet』


ジェリー・マリガン(bs),ポール・デスモンド(as) 『Quartet』

 ジェリー・マリガンの得意とするピアノレス編成は、ソリストが繰り出すメロディの美しさがものを言う。スポンスポンとキャッチャーミットに決まるストライクのようなジョー・ベンジャミンのベースラインに乗せて、マリガンとデスモンドが壮絶なバトルを繰り広げる。二人とも一見クールな表情を装っているが目は真剣。のっけから掛け合い、絡み合い、マリガンの呼びかけに反応して歌う歌う、凄いぞデスモンド!わたしがこのCDを買ったときは『ブルース・イン・タイム』というタイトルで、マリガンとデスモンドの顔をイラストにしたジャケットだった。国内盤あり★★★★

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 『マイルスを聴け!〈Version6〉』 中山 康樹(著)

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『マイルスを聴け!〈Version6〉』 中山 康樹(著)

 お馴染みナカヤマさんのライフワークとも言える一冊で、マイルス・デイヴィスの公式盤は勿論、ブートレグ(海賊盤)までもを網羅した(進化する)完全ディスコグラフィー。新発見の音源が随時追加されて、すでに[ヴァージョン6]となっている。本書を片手にCDショップに出没し、片っ端からマイルスのCDを買い漁る人多数。わたしの周りにも数人居る。ナカヤマさんがあまりにも楽しそうにしてるので、思わず読者も「どれどれ、そんなに良いのなら聴いてみようかな」となるのだろう。ジャズ本のたぐいで、何度も何度もひも解くのはやはりこういったディスク紹介もの。しかも御大マイルスのディスコグラフィーであるから、ファンならずとも蔵書に加えたい。

 マッコイ・タイナー(p) 『McCoy Tyner Plays Ellington』


マッコイ・タイナー(p) 『McCoy Tyner Plays Ellington』

 マッコイ・タイナーのデューク・エリントン作品集。ジョン・コルトレーンのリズムセクション+パーカッションという編成で、同じインパルスの『至上の愛』直前の録音。つまりマッコイ以下三名は12月7、8、9日と三日連続でヴァン・ゲルダー・スタジオに詰めていたことになる。プロデューサーのボブ・シールは、これまでコルトレーンのリズム隊でマッコイのリーダー作を録るのを避けていたフシがあるが、ここに来て三役揃い踏み。[6]は一年半前の『バラードとブルースの夜』よりもぐっと目方が載ってヘビー。 ★★★☆☆

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 もう一台欲しいインフラノイズのDAC-1

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 ハンク・モブレー(ts) 『Hi Voltage』

ハンク・モブレー(ts) 『Hi Voltage』

 ハンク・モブレーは独特のフィーリングを備えている。それは一言で言ってしまえば”ファンキー”なのだが、アート・ブレイキーやホレス・シルヴァーのそれとは微妙に異なり、R&B的で僅かに哀愁があり、それに何より重要なのが非常にスマートであるという点だ。本盤は全てハンクのオリジナル。ゴスペルの大合唱を思わせる[1]をはじめ、3管を巧みに使ったアンサンブルを聴かせる。ビッグトーンで迫るジャッキー・マクリーンの参加も見逃せない。[3]はワンホーンの幻想的なバラード。紙ジャケ国内盤あり ★★★☆☆

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 ローズマリー・クルーニー(vo) 『Thanks for Nothing』

ローズマリー・クルーニー(vo) 『Thanks for Nothing』

 リプリーズはフランク・シナトラが設立したレーベル。お仲間のロージーにも声がかかり、ボブ・トンプソンの伴奏でレコーディング。いつもながら美女ロージーがこれほど大口開けて景気良く歌うとは想像しにくい。特に本盤は内容と憂い顔のジャケット写真のイメージがちぐはぐに思える。そりゃあジャケットは美しいほうが良いに決まっているが、深刻さは微塵もなく、意外にもポップで元気いっぱい楽しいレコードなのだ。ちなみにわたしが持ってるのは限りなくオリジナル盤に近い放送局用サンプル盤(笑) ★★★☆☆

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 ミッシェル・ルグラン 『Legrand in Rio』
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ミッシェル・ルグラン 『Legrand in Rio』

 映画音楽も手掛けるピアニスト、ミッシェル・ルグランのペンによる、ブラジルをテーマにしたアルバム。果たしてこれをジャズと呼んでいいものか。しかしこの情熱的なジャケットデザインはじつに素晴らしい。内容のほうもパーカッションを中心に、ストリングス、コーラス、ブラスを駆使したカラフルな総天然色サウンド。[8]をはじめとする、きっと皆さんもどこかで聞いたことのあるメロディ。南米への憧憬を胸に、映画を観るように聴いてください。死ぬまでに一度はリオのカーニバルに行ってみたい。★★★☆☆

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 ダイナ・ショア(vo) 『Bouquet of Blues』

ダイナ・ショア(vo) 『Bouquet of Blues』

 どうしても聴きたいのに、安値で再発されていなかったので仕方なしにオリジナル盤を購入。それほど多くもない当店所蔵のオリジナル盤は、このように仕方なしに買ったものが殆どである。とはいえ、ピローに横たわるガウン姿のダイナ、ジャケットはなかなか雰囲気があって宜しい。[1]にはハイヒールの靴音とおぼしきものが入っているが、誰かオッサンが靴を手に持ってコツコツやってるのかと想像すると萎える。このなかではバラードの[2]が一番好き。十八番の[4]はキャピトルのバージョンとの聴き比べが楽しい。なお[7][9][12]は『ビバシャス』と重複している。美声。 ★★★☆☆

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 ウイントン・マルサリス(tp) 『Wynton Marsalis』

ウイントン・マルサリス(tp) 『Wynton Marsalis』

 彗星のごとく現れた天才トランペッター、ウイントン・マルサリス衝撃のデビュー作。アート・ブレイキーに見出され、本作ではかつてのマイルス・デイヴィスのリズムセクションをバックに、堂々たる吹奏を聴かせる。当時のジャズシーンにおいて、ウイントンはまさに「金の卵」であった。とにかく憎らしいほどラッパがうまい。当然嫉妬ややっかみも多く、「歌心がない」だの「冷たい」「無機質」だのと言われたものだった。4半世紀過ぎた今、本盤を冷静に聴いてみると、「どこが??」と言いたくなる。トニー・ウイリアムスの名曲[5]、ホットでじつに素晴らしくよく歌うではないか。 ★★★★

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 ウイントン・マルサリス(tp) 『Standard Time Vol.3』

ウイントン・マルサリス(tp) 『Standard Time Vol.3』

 父エリス・マルサリスは、ピアニストのウイントン・ケリーを敬愛していたことから、息子をウイントンと名づけたという。影響力においては今やすっかりケリーを追い越してしまった感じで、父親としても鼻が高いことだろう。このCDは寺島靖国さんの本にもよく登場する。寺島さんのオーディオチェック盤だ。ジャケットよし、録音よし、演奏よし、雰囲気もよし。全編静かなムードの曲ばかりでジャズ初心者にもお勧め。[6]一曲だけウイントンが「唄って」いる。これは聞いてのお楽しみ。 ★★★★

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 ジュニア・マンス(p) 『Junior Mance And His Swinging Piano』

ジュニア・マンス(p) 『Junior』

 親しみやすいメロディラインに、気持ち良~くスウィングするリズム、適度なブルース・フィーリングがうまくブレンドされたマンスの出世作。レイ・ブラウンの強力なベースによるバックアップに依るところが大きいのは一聴してわかる。ぶるんぶるんと巨大なゴム毬が弾むようなベースにのせられ、”ジュニア”は”一世一代”のピアノを弾いたのだった。ドラムのレックス・ハンフリーズはブラシで控えめにサポート。[8]のみ途中からスティックに持ち替え、トップシンバルを叩きだす。三位一体、この瞬間がなんとも堪えられない。 ★★★★

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 限られた音楽鑑賞の時間

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 マイルス・デイヴィス(tp,flh) 『Directions』
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マイルス・デイヴィス(tp) 『Directions』

 帝王マイルスは1976年から約5年間、人々の前から姿を消した。その間もコロンビアとの契約は続いており、復帰の目処が立った1981年にリリースされたのが本盤。'60~'70年までの未発表音源集で、アコースティックからエレクトリックへの変遷を辿る内容。[1]は『スケッチ・オブ・スペイン』、[2]が『ブラックホークのマイルス・デイビス』、[3]が『セブン・ステップス・トゥ・ヘブン』からそれぞれ洩れていたトラック。『ソーサラー』の同曲より1週間前に収録の[4]など、ここまではアコースティックなマイルス。初めてハンコックが電子ピアノを弾いた[5]、[6]は『キリマンジャロの娘』のように南米的な曲想。[7][8]と続く表題曲は、ジャック・ディジョネットの強力なドラミングにプッシュされ、凄まじい演奏が繰り広げられる。 ★★★★

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