ジミー・スミス(org) 『Prayer Meetin'』


ジミー・スミス(org) 『Prayer Meetin'』

 ジミー・スミスのトリオにスタンリー・タレンタインのテナーをフィーチュアした、かなりR&B寄りのアーシーな作品。[4]はサッチモで有名なあの「聖者の行進」であるが、これも砕けた解釈でダンサブル。タレンタインは「オエッ、オエッ」と、得意のファンキーなフレーズで盛り上げる。この裏返ったようなテナーの倍音にヴァン・ゲルダーのエコーが絡むと最高にカッコイイ。幾分地味な印象の本編よりも、むしろ3年前に収録したボーナストラックの[7]でそいつが炸裂する。 ★★★☆☆

続きを読む "ジミー・スミス(org) 『Prayer Meetin'』"

 ジョニー・グリフィン(ts) 『A Blowing Session』

ジョニー・グリフィン(ts) 『A Blowing Session』

 メンバーがすごい。リー・モーガンのトランペットに、コルトレーンとモブレーのテナー。肉汁したたるビーフステーキのようなテナーを吹くグリフィンに圧倒され、彼等の影の薄いこと。のっけからアート・ブレイキーは暴走し、もう手がつけられない。グリフィンもいくら吹けるからって、これはちょっとやりすぎだ。主役が脱線気味な一方で冷静なコルトレーン。[3]と1ヶ月後に収録された『Cattin' With Coltrane And Quinichette』の[4]でのトレーンのソロを聴き比べるのも一興だ。[4]のモーガンもいい。 ★★★☆☆

続きを読む "ジョニー・グリフィン(ts) 『A Blowing Session』"

 「A&Vヴィレッジ」2006年3月号発売

続きを読む "「A&Vヴィレッジ」2006年3月号発売"

 ジョニー・スミス(g) 『Moonlight in Vermonter』

ジョニー・スミス(g) 『Moonlight in Vermonter』

 凄いテクニシャンでありながら、テクニカルなところを強調せず、あくまでギターの音の美しさで聴かせるジョニー・スミスの代表作。このサウンドにはこのテナーしかないと思ったのか、スタン・ゲッツをはじめ、ズート・シムズ、ポール・クニシェットといった、いずれもレスター・ヤング派のテナーがサポートしているのが興味深い。昔のジャズのレコードによくある話だが、[5]はどう聞いても「星降るアラバマ」ではなく「ゴースト・オブ・ア・チャンス」、つまり[7]と同じ曲である。 ★★★★

続きを読む "ジョニー・スミス(g) 『Moonlight in Vermonter』"

 ジョー・ワイルダー(tp) 『Wilder 'N' Wilder』

ジョー・ワイルダー(tp) 『Wilder 'N' Wilder』

 軽業師のようにアップダウンするワイルダーのトランペット。[1]を再生するだけでリキュールの匂いが部屋に充満し、赤ら顔の酔っぱらいが繰り言するようなバラードの[6]など、酒に弱いわたしなどは聴いただけで酔ってしまいそう。そして宝石のようなハンク・ジョーンズのピアノを聴いてると、ああやっぱり『サムシン・エルス』のピアノはハンクでなければいけなかったのだな、と妙に納得する。何はなくともジャズには品格というものが必要なのだ。温かで極楽気分のワンホーン・アルバム。 ★★★★

続きを読む "ジョー・ワイルダー(tp) 『Wilder 'N' Wilder』"

 ミルト・ジャクソン(vib) 『Modern Jazz Quartet & Milt Jackson Quintet』

ミルト・ジャクソン(vib) 『Modern Jazz Quartet & Milt Jackson Quintet』

 [1]~[4]までが初代M.J.Q.の演奏で、後半[5]~[8]はジョン・ルイスが抜け、かわりにヘンリー・ブージャーのトランペット、ホレス・シルバーのピアノを加えたクインテット。[2]は名盤『ジャンゴ』で「ラ・ロンド組曲」として再演、「トゥー・ベース・ヒット」という別名でも知られる。バラードの[6]では、ケニー・クラークのガラガラヘビのようなブラシさばきが聞き物。シルバーが活きのいいピアノを聴かせる一方で、R&Bバンド出身ブージャーの、コブシとビブラートを多用するトランペットがいまひとつジャクソンのビブラフォンと合ってないような気も。ホーンならマイルスのような…、あっ、このセッションは『バグズ・グルーヴ』の青写真だったのかも? ★★★☆☆

続きを読む "ミルト・ジャクソン(vib) 『Modern Jazz Quartet & Milt Jackson Quintet』"

 スタン・ゲッツ(ts) 『Stan Getz Plays』

スタン・ゲッツ(ts) 『Stan Getz Plays』

 レスター・ヤング直系のフレージングに加え、歯切れいい独特の節回しと、横隔膜を大きく震わせるビブラート、これらを駆使してのソロの組み立て方も天才的。本盤は'52年ヴァーヴ・レーベルでの初レコーディング。一曲一曲が短く、録音もナローレンジで、いかにも”昔のジャズ”という雰囲気のちょっと古めかしい印象。しかしゲッツの奏法は、古風なリズムを縫うように斬新なノリでピタリと決まっている。この卓越したタイム感覚が後年ボサ・ノヴァの新しいリズムと結びつき、数々の名演を産み出すことになる。 ★★★★

続きを読む "スタン・ゲッツ(ts) 『Stan Getz Plays』"

 ジョン・コルトレーン(ts,ss) 『Coltrane "Live" At The Village Vanguard』

ジョン・コルトレーン(ts,ss) 『Coltrane "Live" At The Village Vanguard』

 時代劇のテーマかいなと思うようなクサいイントロに続き、寄せては返す三拍子のへヴィーなリフレイン。あの「マイ・フェイバリット・シングス」と同じく、短調と長調を行き来する自由さを内包する[1]。そのあと出てくる[2]の軽快さ、素直さは意外なほど。ああ、まだスタンダードやってたのね、とホッとするのもつかの間。後半ソプラノサックスで入ってくるトレーンはマトモに終わろうとする演奏を阻止するかのよう。圧巻は[3]。ベースとドラムのみをバックに、約16分もの間、もう最初から最後まで吹いて吹いて吹きまくるトレーン。ステージを動き回る彼を録音技師ヴァン・ゲルダーがマイクを持って追いかけたことからこの曲名がついたそうだ。 ★★★★

続きを読む "ジョン・コルトレーン(ts,ss) 『Coltrane "Live" At The Village Vanguard』"

 ルイ・アームストロング(tp,vo) 『Louis Armstrong Meets Oscar Peterson』

ルイ・アームストロング(tp,vo) 『Louis Armstrong Meets Oscar Peterson』

 オスカー・ピーターソン・トリオ+ハーブ・エリスのギターを伴奏に、ゆったりとバラードを唄ったデュエットの傑作『エラ・アンド・ルイ』に準ずる内容となっている。それもそのはず[13]から[16]までは、2匹目のドジョウを狙った『エラ・アンド・ルイ・アゲイン』と同じ日のセッション。エラのような女性でも(失礼!)やはり華があるほうがいいように思う。代わりにタイトルに昇格したピーターソンも、前作と同様控えめなピアノを弾いており、エド・シグペンを加えたレギュラー・トリオで豪快に弾きまくる以前のスタイルで、ピーターソンのファンにはやや物足りないかもしれない。 ★★★☆☆

続きを読む "ルイ・アームストロング(tp,vo) 『Louis Armstrong Meets Oscar Peterson』"

 バド・パウエル(p) 『Bud Powell in Paris』


バド・パウエル(p) 『Bud Powell in Paris』

 御大デューク・エリントンがプロデュースした後期パウエルの代表作。パウエルが俗に”パウエル派”と呼ばれるピアニストたちと大きく違う点のひとつが左手のコード使い。ビバップからハードバップに進化する過程で、多くのピアニストのコードは、パーカッシブに歯切れよく弾かれるようになったが、パウエルは両手を使って和音を伸ばし、音の混ざり具合を微妙にコントロールするのだ。本盤の印象を決定しているのはアップテンポの[1]や[2]だろうが、その次に出てくるバラードの[3]で聴かれる和音の重なりがじつに見事だ。 ★★★★

続きを読む "バド・パウエル(p) 『Bud Powell in Paris』"

 ケニー・ドリュー(p) 『Undercurrent』

ケニー・ドリュー(p) 『Undercurrent』

 メンバーがとてもいい。キャノンボール・アダレイ・クインテットのベースとドラム、それにフロントがフレディ・ハバードとハンク・モブレーである。ファンキー風味のブルースをやらせたら最高の面々だ。聞き物は尻に火がついたように疾走する表題曲[1]。[3]は少しキャノンボールっぽい曲想だが、出てくるソロはぐっと分厚くてしかも重い。特にモブレーのテナーが快調で、なんとコルトレーンっぽいソロまで飛び出す始末。全曲ドリューのオリジナルで、ブルーノートらしい真っ黒けの傑作。 ★★★★

続きを読む "ケニー・ドリュー(p) 『Undercurrent』"

 ハロルド・アシュビー(ts) 『On The Sunny Side Of The Street』

ハロルド・アシュビー(ts) 『On The Sunny Side Of The Street』

 '93年発売のを新譜で買った。CDショップをうろついてたら、このCDがポータブルCDプレーヤーに繋いだPC用みたいな小さなアクティブスピーカーでかかっていて、良いムードのスタンダード曲がえんえんと続いてる。他のCDを物色するのに飽きたわたしは、本盤を手に取りパーランの参加を確認し、レジへと向かったわけだ。持ち帰って聴いてみると、BGM的で、いまひとつ録音にパワー感がない。そういえば弟が自分の結婚式の披露宴に流すジャズのCDを貸してくれというので、このCDを貸してやった。BOSEの業務用スピーカーで鳴らされて、良い感じのBGMになったと思う。 ★★★☆☆

続きを読む "ハロルド・アシュビー(ts) 『On The Sunny Side Of The Street』"

« January 2006 | メイン | March 2006 »