マイルス・デイヴィス(tp) 『Miles Smiles』
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マイルス・デイヴィス(tp) 『Miles Smiles』

 なんといってもトニー・ウイリアムスの叩くシンバルの雨あられ!氷柱の削りカスが宙に舞うようなシャンシャンシャンシャンという音が、殆ど全編でバックに聞こえている。本盤でのトニーは、打力の強さでなく、響かせる技が印象的だ。[4]の最後のスネアもキマッてる。[3]はショーターの『アダムズ・アップル』での演奏より、このメンバーで演ると俄然アフリカ的だ。「冒険しようとしている限り、マイルスはメンバーの失敗を責めたりしなかった。それよりも自分のプレイに集中していった」と、ショーターは語る。これほどのバンドを率いてもマイルスはやはりトランペッターなのだと感心した。 ★★★★★

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 PONTA BOX 『モダン・ジュズ』

PONTA BOX 『モダン・ジュズ』

 クリスマス・イヴにTVを見てたら、おお、そういえばこんなのもあったなと思い出した。山下達郎の「クリスマス・イヴ」のカヴァーが収録されている。佐藤竹善がスキャットで歌うたいへん美しいバラード調で、途中寸断されるのが惜しい。[1]はバド・パウエルの「クレオパトラの夢」にそっくり。どの曲もメロディラインが美しく、発売当時はTV番組のテーマ曲などによく使用された。ワンポイントマイクで収録された、とても鮮度の高い録音だ。収録時間30分足らずのミニアルバム。 ★★★☆☆

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 ジャッキー・マクリーン(as) 『Swing Swang Swingn'』


ジャッキー・マクリーン(as) 『Swing Swang Swingn'』

 新しいもの好きで革新的なマクリーンのファンは、なぜか古いものに執着する保守的な人が多いようだ。「古臭い」との理由で「イエスタデイズ」を吹くのを嫌がったマクリーン。愛奏曲の[1]は、モダンな感じの転調があり、きっと吹いてて楽しかったのだろうと察する。前半はガッツで聴かせるも、後半は長調の曲が続き、少し音痴で投げやりな感じがする。特に[6]のエンディングはいただけない。マクリーンの代表作とされ、名盤には違いないけど、一般に言われているほどわたしは好きでもない。 ★★★★

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 クリフォード・ブラウン(tp) 『The Best Of Clifford Brown And Max Roach In Concert』

クリフォード・ブラウン(tp) 『The Best Of Clifford Brown And Max Roach In Concert』

 ブラウン~ローチ・クインテットの代表作として有名なライブ盤。おそらくマイクロフォンの不具合だろうが、ブラウニーの吹奏に合わせたようにピーピーと音がする。美しいバラードの[2]では、もうそれが気になってしょうがない。演奏が完璧なだけに惜しい。聴こうかな、とジャケットを手にするたびにあの「ピーピー」を思い出して手が引っ込む。[5]以降は別のコンサートなので問題無し。ただしどちらも録音が良いとはいえない。リー・モーガンもウイントン・マルサリスも凄いが、やはりブラウニーのトランペットは天才的だ。 ★★★★

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 「A&Vヴィレッジ」2006年1月号発売

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 ホレス・シルバー(p) 『Doin' The Thing』

ホレス・シルバー(p) 『Doin' The Thing』

 ジャズの4ビートは、そのシンプルさゆえ、隙間の埋め方如何で様々な表情に変化する。冒頭のアナウンスに続いて始まる[2]は8ビートを内包したマーチ風4ビートでぐんぐん迫ってくる。曲が終わった後の鳴り止まない拍手と歓声、観客のウケ方が凄い。本盤に収められた4曲はどれもアップテンポの演奏だが、会場全体がシルバーの低音弦をハンマーで叩くようなピアノに煽られ燃え上がる。ファンキーかつ熱狂的なライブ演奏の傑作。 ★★★★★

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 ロックがジャズ化してる?

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 スティーヴ・ガッド(ds) 『The Gadd Gang』


スティーヴ・ガッド(ds) 『The Gadd Gang』

 ガッド・ギャングは元スタッフのメンバーを中心に、豪華スタジオミュージシャンが集まってできたグループ。本アルバム発売当時、TVCMに登場したのを見て、えらくカッコイイなあと感心したものだ。フュージョンなんだけどR&Bっぽい雰囲気が受けたのだろう。ジャズっぽさは微塵もなく、そのぶん分りやすいのだが、今聴くとさすがに時代を感じさせる。あまりにメロディックでリズムもドンドンタンタンとやや単調。とっつきやすい音楽は風化も早いという好例か。[5]はドラムとパーカッションによる演奏で、これまた分りやすくて気持ちが良い。 ★★★☆☆

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 フィル・ウッズ(as) 『Alive And Well In Paris』

フィル・ウッズ(as) 『Alive And Well In Paris』

 かなり長きにわたって、本盤が当店のライブラリーのなかで最も騒々しいレコードだった。ヨーロッパに移り、チャーリー・パーカーの模倣から脱したウッズの音楽スタイルはオーソドックスで、かつ分りやすいメロディライン、だからこそ人気があった名盤なのだが、演奏に激しい怒りの情念が込められてるようだ。この世界にドップリ浸かれる人にはたまらないだろうけど、醒めてしまうと少々恥ずかしい。大音量でノリノリで聴いてると、お母ちゃんが部屋の戸をガラッと開けて、やかましい!と叫ぶシチュエーションにピッタリ。 ★★★★

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 キャノンボール・アダレイ(as) 『Nippon Soul』


キャノンボール・アダレイ(as) 『Nippon Soul』

 1961年にアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ来日、翌'62年にはホレス・シルヴァー・クインテットが来日、そして'63年にやって来たキャノンボール・アダレイ・セクステットによる東京サンケイホールでのライブレコーディング。浮世絵をモチーフにしたジャケットが秀逸だ。ユセフ・ラティーフが加わり、3管に拡大されたサウンドは既にファンキーの枠を超えてバラエティに富んだ内容。チャーリー・パーカー直系のアルトを聴かせる[2]は爽快そのもの。ちなみに’64年にはマイルス・デイヴィスが初来日する。キャノンボールに「日本はエエぞ~」と聞かされたのだろうか。 ★★★★

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 ポール・チェンバース(b) 『1st Bassman』

ポール・チェンバース(b) 『1st Bassman』

 顔がかなり怖い(笑)それに全曲ユゼフ・ラティーフのオリジナルとあって、スタンダード曲と豪華メンバーで入れた前作『Go...』に比べて人気がない。しかしながら、サウンドはぐっとモーダルに進化しており、ポールのベースランニングの魅力を聴くうえではこちらが最適だ。ソリストのバックで縦横無尽にアップダウンするピチカート、参加レコーデングの数ではジャズ界一であろう”ベースの第一人者”は、これによってジャズ界全体をスイングさせたのだった。 ★★★☆☆

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 ドナルド・バード(tp) 『The Cat Walk』

ドナルド・バード(tp) 『The Cat Walk』

 クリフォード・ブラウン直系の艶やかなトーン、それに素晴らしくファンキーな作曲のセンスゆえにドナルド・バードを愛聴する。本盤はフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムが聞き物だ。[2]で叩き出すグルーヴ感がなんともいえない!名投手がストライクを投げるように決まるスネアドラム。続く[3]ではあざやかなドラムソロを披露。なるほど一流のドラマーが叩くとこれほど決まるものなのか。まるで「侍ジャイアンツ」のような表題曲がハイライトになるが、急速調の[5]でもバードのソロが凄い! ★★★★

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 チャーリー・パーカー(as) 『The Complete Royal Roost Live Recordings On Savoy Years Vol.2』

チャーリー・パーカー(as) 『The Complete Royal Roost Live Recordings On Savoy Years Vol.2』

 ビバップ全盛期1948年のクリスマス、NYのクラブ”ロイヤル・ルースト”で行われたシンフォニー・シッドによるラジオ番組の実況中継と、同じく大晦日深夜のセッション。欧米人の意識はクリスマスと正月がセットになってるらしくて、クリスマス気分が抜けないパーカー、[13]でも思わずジングルベルのフレーズが飛び出す。演奏は大晦日のほうが断然ハイテンション。[9]などまったく凄まじい。ダイアル盤のようにジャージャーとまではいかないものの、録音状態は相当悪いのである程度の覚悟は必要。 ★★★☆☆

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 『The Christmas Collection / Various』

『The Christmas Collection / Various』

 こちらはプレスティッジ・レーベル(正確には現親会社のファンタジー)のクリスマスソング集。レーベルがレーベルだけにゴリッとジャズっぽい演奏ばかりだが、余興で演ったようなクリスマス曲を後からかき集めて編集、よって同じような曲目が並んでいるのは止む無し。三人のテナー奏者による三者三様の"The Christmas Song"が聴ける。いかにもクリスマスっぽくは聞こえないブルージーな[4]が七面鳥の後の渋茶のように味わい深い。 ★★★★

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 マーカス・ロバーツ(p) 『Prayer for Peace』

マーカス・ロバーツ(p) 『Prayer for Peace』

 マーカス・ロバーツのソロピアノ演奏によるクリスマスソング集。[1]は10分近いオリジナル曲で、それ以降は3~4分程度のお馴染みの曲が続く。ウイントン・マルサリスのバンドで、リーダーに負けじと超絶技巧を披露したクールなマーカスが、まるごと一枚クリスマスアルバムを作ってしまうのは意外だった。うる憶えだが、何かの本で「世界で一番素敵な曲は?」との質問に、「そりゃあナット・キング・コールの"The Christmas Song"さ!」と答えていたのがマーカスだったような。「蛍の光」として有名な[14]が鳴り出すと、よく閉店時間と間違われる。 ★★★☆☆

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