ジミー・スミス(org),ウエス・モンゴメリー(g) 『The Dynamic Duo』


ジミー・スミス(org),ウエス・モンゴメリー(g) 『The Dynamic Duo』

 共にアーシーなブルース・フィーリングを得意とするウエス・モンゴメリーとジミー・スミスの相性はバッチリだ。オリバー・ネルソンのオーケストラアレンジを得て、ゴキゲンにスイングする。ビッグバンドを受けてたつグラディ・テイトのドラミングも良い。[5]はクリスマスには欠かせない曲。帰ろうとする女性と、それを引きとめようとする男性のデュエットで唄われることが多いが、前者をウエス、後者をジミーが受け持つ。鈴の音とハモンドオルガンの音色が温かい。[2]は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のダンスパーティでも演奏されていた。ジョージ・マクフライが一人で踊るシーンだ、憶えてるかな? ★★★★

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 エラ・フィッツジェラルド(vo) 『Ella Fitzgerald Sings Christmas』

エラ・フィッツジェラルド(vo) 『Ella Fitzgerald Sings Christmas』

 エラ・フィッツジェラルドの唄うクリスマスソング集。これもジャズっぽさがあまり感じられず、敬虔で真面目な印象。唄のうまさはともかく、この路線でまとめるなら、もう少しアレンジなどに周到な練り込みが欲しいところ。「エラにクリスマスソングを唄わせれば、良い作品ができるはず」と、安直に考えすぎたのではないか。逆に一発勝負で決めるなら、もっとジャジーな選曲のほうが成功しただろう。ちょっと作品として中途半端、しかも収録時間が短いので星2つ。 ★★☆☆☆

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 デューク・ジョーダン(p) 『Flight To Denmark』

デューク・ジョーダン(p) 『Flight To Denmark』

 格調高く哀愁あるメロディラインの美しさに魅了される。心をこめてピアノを弾くとこうなるんだろうな。雪景色のなかにぽつんと立つデューク・ジョーダンのジャケットが、アルバムの印象を決定している。[1]におけるエド・シグペンの雪の粉が舞うようなブラシさばきがじつに良いアクセント。[2]のアドリブには「ジングルベル」のフレーズ引用で、「氷雨の日」を連想させる。レッド・ガーランドばりのブロックコードで決める[7]も聞き物だ。気の置けない友人と語らうようなレコード。聴いた途端に誰もが好きになるだろう。 ★★★★★

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 『The Best of Christmas / Various』

『The Best of Christmas / Various』

 キャピトルの豊富な音源からピックアップされた、まさに『ベスト・オブ・クリスマス』。ビング・クロスビーが、まるでイエス様のように神々しい[1]に始まり、ストリングスが幻想的な[2]、ナット・キング・コールの名唱[6]は極めつけ。ジャズっぽさよりも、弦やコーラスなどを取り入れたゴージャスなアレンジがキャピトルらしい。カーメン・ドラゴンとハリウッド・ボウル・シンフォニー・オーケストラによる荘厳な[20]は一年の最後を飾るに相応しい。これも当店になくてはならない大切な一枚。 ★★★★★

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 木住野佳子(p) 『My Little Christmas』

木住野佳子(p) 『My Little Christmas』

 クリスマス・アルバムなので、必ずしもジャズでないといけなくはない。[4]から[5]へと、メドレーのように続く敬虔でドラマチックな構成。勇壮で力強いタッチの[7]。何の文句があろうか。ピアノ・トリオのフォーマットで一応ジャズの形にはなってるが、本人たちも「ジャズを演ろう」と意識してなかったのだろう。欲を言うなら、意識せずとも勝手に滲み出てくるようなジャズ・フィーリングを身に付けてもらいたい。木住野さんって、絶対「ズージャ」とか言いそうにないもんな。わたしも言わないけど(笑)  ★★★☆☆

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 ジョー・パス(g) 『Six String Santa』

ジョー・パス(g) 『Six String Santa』

 ある方に中国土産で戴いた。中身はメイド・イン・USAだが、わたしのには『六弦聖誕』と書かれた中国語の帯が付いている。クリスマスの名曲を名手ジョー・パスのジャズギターで、という趣向。[7]は「ジングルベル」をモチーフに使ったブルースで、なかなかゴキゲン。サイドギターにも少しソロを取らせるも、パスとの音量差が激しい。これがリーダーとサイドメンとの力関係か。[8]は名盤『ヴァーチュオーソ』を彷彿とさせるパス得意のソロギター。 ★★★☆☆

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 マイルス・デイヴィス(tp) 『E.S.P.』
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マイルス・デイヴィス(tp) 『E.S.P.』

 黄金のクインテット初のスタジオ録音。ウエイン・ショーターの加入を境として、マイルスの音楽性は急速な変化を遂げる。このバンドの若いメンバー達は、マイルスにとって新人類のように見えたことだろう。作曲面でも彼等が新しいアイデアを提供し、マイルスがそれをまとめるというパターンがこの頃から多くなる。このクインテット時代はジャズ史上最も強力なバンドである一方で、マイルス自身若い世代から学びながら、新時代への対応を模索しているかのようだ。アナログ盤あり  ★★★★

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 大切なのは「バランス」か?!

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 バド・パウエル(p) 『Portrait Of Thelonious』

バド・パウエル(p) 『Portrait Of Thelonious』

 パリでは人種差別も少なく、優れた芸術家としての待遇は米国のそれとは天地ほどの差があったようだ。そのため黒人ジャズメンがこぞって移住。ドラムのケニー・クラークは真っ先に住みついた一人。マイルス・デイヴィスはパリから帰国、その落差に失望してヘロインに手を出したと語っている。パウエルも精神疾患の療養を兼ねてパリに移り住む。その姿は、映画『ラウンド・ミッドナイト』のモデルとなった。本作品は”The Three Bosses”(フランスでのレギュラートリオ)によるモンク作品集。好調なプレイを見せるパウエルだが、取ってつけたような拍手はちょっとわざとらしい。 ★★★☆☆

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 トニー・ウイリアムス(ds) 『Life Time』

トニー・ウイリアムス(ds) 『Life Time』

 マイルス・デイヴィスのバンドで日本公演(『マイルス・イン・トーキョー』)した翌月に吹き込まれたトニー18歳の初リーダー作は前衛である。難しいからこのテの音楽が嫌いな人は無理してまで聴く必要はない。しかしこの若さにしてこの大胆さ、いや、むしろ若いからこそ過激になれるのか。全曲トニーの自作曲。ボーナストラックの[5]もそうだが、この演奏には参加せずハンコックとカーターにデュオで演らせる。なんと不敵な小僧なんだろう。[4]などは是が非でも良い音のオーディオセットで聴きたいものだ。 ★★★★

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 ナンシー・ウィルソン(vo) 『But Beautiful』

ナンシー・ウィルソン(vo) 『But Beautiful』

 キャピトルに数々の佳作を残しているナンシー。なかでも代表作といえるのがこれ。ハンク・ジョーンズのトリオ+ギターをバックに、しっとりと唄うバラード集。録音の良さで定評のある同レーベルにしては珍しく、所々ナンシーの声が入力過多に聞こえる。囁きから一転、クライマックスまで上り詰める歌声のダイナミズムゆえか。[5]の冒頭、ロン・カーターの重量級ベースがどどどぉんと来てナンシーが入ってくるあたりは鳥肌モノだ。コブシを効かせて唄わないとサマにならない[7]等、まさに彼女の得意とするところ。 ★★★★

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 フランク・ストロジャー(as) 『Fantastic Frank Strozier』

フランク・ストロジャー(as) 『Fantastic Frank Strozier』

 フランク・ストロジャーは、マイルス・デイヴィスがバンド再編の際、ジョージ・コールマンの推薦でハロルド・メイバーンと共に名前が挙がったが、「良いミュージシャンだが求めていたのと違う」として不採用。元はといえば、ここに参加してるウイントン・ケリー以下のリズムセクションが、この後そっくりマイルスバンドを抜けたために再編を余儀なくされたのだから、なにやら因縁めいたものを感じる。これが初リーダー作で、張りのあるストロジャーのアルトに、同郷のトランペッター、ブッカー・リトルが華を添える。ブルース主体でラフな感じがいかにもヴィージェイらしい。 ★★★☆☆

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 セロニアス・モンク(p) 『Alone In San Francisco』


セロニアス・モンク(p) 『Alone In San Francisco』

 傑作『セロニアス・ヒムセルフ』に続く、ソロピアノ第2弾。モンクほど強情に自分のスタイルを貫いた人は居ない。誰が聴いてもそれとわかるユニークな曲と、指を曲げない独自のピアノ奏法。それがモダンジャズの一翼を担うまでに浸透し、歴史の一部となって残ったことは驚異である。ブルースでありながらファンキーに非ず、純粋無垢な孤高のピアニスト。人形の表情から喜怒哀楽を読み取るように、音楽の隙間にちらちらと見え隠れするモンク独特の情感を捕まえるべし。 ★★★★

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 ホレス・シルバー(p) 『Blowin' The Blues Away』

ホレス・シルバー(p) 『Blowin' The Blues Away』

 ジャズの初心者で、サキソフォンやトランペットのソロが難解だと思うなら、バックで鳴ってるシルバーのピアノだけを追っかけて聴けばいい。「ブルースをぶっとばせ」とでも訳せばいいのか、しかしぶっとばされるのはリスナーのほうである。ただの12小節のブルースが、こんなふうに化けるのだ。いやー、凄い!セカンドテーマと呼ばれる主題の変奏で後半を盛り上げるのはシルバー・クインテットの十八番。トリオ演奏の[2]も渋い!ジャケットのイラストがこの躍動感をうまく表現している。ブルーノート最高! ★★★★★

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 ソニー・ロリンズ(ts) 『Sonny Rollins Plus 4』


ソニー・ロリンズ(ts) 『Sonny Rollins Plus 4』

 豪放なスタイルに似合わず、ロリンズには案外影響されやすいところがあるようだ。本盤はクリフォード・ブラウン~マックス・ローチ・クインテットに入って間もないロリンズが、そのままの面子でプレスティッジに残した作品。鮮やかなソロを聴かせる天才トランペッター、ブラウンの参加によるものか、少々ロリンズらしくない演奏が散見される。しかしながら、[1]を始め愛らしいメロディの曲が多く、意外とファンの人気は高い。「ブラウニーのように大らかでのびのびと吹けばいいんだ」と悟ったロリンズは、数ヶ月後に最高傑作『サキソフォン・コロッサス』を完成する。 ★★★★

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 ケニー・ワーナー(p) 『Peace』

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ケニー・ワーナー(p) 『Peace』

 これもお客さんに戴いたNY土産。クラブ・ブルーノートに出演中のケニー・ワーナー・トリオを見て、その場で購入したそうだ、ジャケットにサインがある。内ジャケを見たところ、白人ばかりのトリオで、ジョン・マクラフリンのコメントが載っていた。ウエイン・ショーターの名曲[1]に始まり、モーダルで抽象的な表現が得意なようだが、難解すぎることもなく聴けば聴くほどに味のある内容だ。ピアノの和音を震わせるテクニックに感心。NYの空気が伝わってくるようだ。  ★★★★

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 ケイコ・リー(vo) 『Beautiful Love』
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ケイコ・リー(vo) 『Beautiful Love』

 そのハスキーな歌声がテレビCMで流れてたり、今や日本国内で最も有名なジャズシンガーとなった感のあるケイコ・リー。第3作は有名ジャズメンが脇を固めるNY録音で、一躍彼女の名を世間に知らしめた。最近ではポピュラー曲に傾倒気味の彼女だが、元々そちらのほうが向いているかもしれない。本作でもスタンダード曲主体の前半に比べて、[7]なんかのほうが伸び伸びと唄ってるように思う。この頃のケニー・バロンはいつでも絶好調だ。 ★★★☆☆

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 木住野佳子(p) 『Fairy Tale』

木住野佳子(p) 『Fairy Tale』

 もうとっくに廃盤だろうと思ってたが、まだ入手可能なようだ。これも昔、寺島靖国さんがプッシュしていた。氏は[5]をオーディオチェックに用いていた模様。ピックアップを付けて電気的に増幅されたエディ・ゴメスのベース音が肝だ。もう一人のベーシスト、マーク・ジョンソンの凄みある低音がイカした[3]にはトライアングルが微妙に小さく入っていて、聞こえる聞こえないでスッタモンダしたっけ。懐かしい。木住野自身は見たとおり華奢で軽やかなピアノを弾く人だが、それが共演の男性ミュージシャン達を張切らせたのか、結果的には力強い印象の作品となった。  ★★★☆☆

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 テッド・カーソン(tp) 『Plenty of Horn』


テッド・カーソン(tp) 『Plenty of Horn』

 本作は国内盤アナログレコードを、とある方に戴いた。ミンガス・ワークショップ出身、帯には「テッド・カーソン・ウィズ・エリック・ドルフィー」とあるから、てっきり前衛だと思い込んでた。A面一曲目に針を落としてみると、出てきたトランペットのあまりの音のよさにひっくり返りそうになった。録音自体も生々しいのだが、カーソンのピッコロ・トランペットの音色が物凄く艶やかで美しい。音楽的には正統ハードバップで、そう難解なものでない。ドルフィーは2曲でオブリガートを吹いてるだけで、大々的に名前を載せるほどでもない。幻の名盤。 ★★★★★

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 カーメン・マクレエ(vo) 『The Great American Songbook』

カーメン・マクレエ(vo) 『The Great American Songbook』

 ジャズボーカルのライブのお手本のようなレコード。演奏は勿論のこと、客とのやりとり、どんなふうにリラックスさせるか、その場の空気を作っていくか等、ミュージシャンを目指す者にとってはバイブルとなるだろう。『グレート・アメリカン・ソングブック』とのタイトルどおり、お馴染みのスタンダード曲から、カーペンターズの[14]まで、飽きることのない構成で楽しめる。個人的にはマクレエの気の強い親戚のオバさん風の声は得意でないのだが、これはさすがだ、降参。ジョー・パスのギターも渋い。 ★★★★

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 サージ・チャロフ(bs) 『Blue Serge』

サージ・チャロフ(bs) 『Blue Serge』

 「サージ」とは学生服などに用いる綾織りの洋服地のことで、チャロフの名に引っかけたジャケットが洒落ている。珍しいバリトンサックスのワンホーン、白人のチャロフにソニー・クラーク以下黒人のリズムセクション。あの重いバリトンを軽々と、まるでチャーリー・パーカーのように吹いてみせる。急速調のブルース[2]や[6]が圧巻で、こういう曲になるとドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズもまるで水を得た魚のよう。ブルーノートからデビュー直前のクラークのピアノも好調だ。 ★★★★

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 トニー・ベネット(vo) 『The Tonny Bennett/Bill Evans Album』


トニー・ベネット(vo) 『The Tonny Bennett/Bill Evans Album』

 あの大物歌手トニー・ベネットが、ビル・エヴァンスのピアノを伴奏に唄って話題となった。エヴァンスの得意なレパートリーからベネットがピックアップして唄うスタイルの異色作で、スウィングが身の上のベネットが、エヴァンスの沈静化したリリシズムに引っ張られている様子。エヴァンスと共演すると、誰であれ知的にインテリっぽくなるから不思議。[6][7]など、すっかりアルコールが抜けてしまった感じのベネット。しかしながらサイ・コールマン作の[4]はさすがの唄いっぷり。 ★★★☆☆

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 ジョン・ルイス(p) 『The John Lewis Piano/Jazz Piano International』

ジョン・ルイス(p) 『The John Lewis Piano/Jazz Piano International』

 MJQからミルト・ジャクソンが抜け、代わりにバリー・ガルブレイスまたはジム・ホールのギターを入れた編成。MJQよりさらに詩的で静かな印象の作品だ。ピアノとシンバルが戯れるデュオの[1]はまるで童話絵本のよう。続く[2]でパーシー・ヒースのベースが、あくまでも低く静かに「ズーン」と入ってくる。ピアノが控えめな音量で、こちらはピアニッシモを聴く体勢で居るから、このベースの「ズーン」が凄く巨大に感じられるのだ。[5]は一小節遅れてギターが入ってくる「輪唱」の手法が面白い。『Jazz Piano International』とのカップリングで、残念ながらこちらは未聴。 ★★★★

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 ジミー・スミス(org) 『House Party』

ジミー・スミス(org) 『House Party』

 ジミー・スミスのオルガンを中心に据えたオールスター・セッション。若干メンバーが変更されているものの、『A Date With Jimmy Smith』を踏襲するスタイル。前回に引き続き、ブルーノートの本拠地ニュージャージー州ハッケンサックの旧ヴァン・ゲルダー・スタジオを離れ、NYマンハッタン・タワーのスタジオでレコーディングされた。ジョージ・コールマンがアルトで参加しており、[3]でなかなかのプレイを聴かせる。リー・モーガンも素晴らしい。まさにハウスパーティ!尚、このときのセッションは『ザ・サーモン!』に分散収録されている。 ★★★★

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 ジョン・ジェンキンス(as) 『John Jenkins』


ジョン・ジェンキンス(as) 『John Jenkins』

 チャーリー・パーカーの影響下にあるアルトサックス奏者の一人、ジョン・ジェンキンスの唯一のリーダー作。スモーキーなトーンは少しジャッキー・マクリーン的でもある(二人は『アルト・マドネス』で共演)。[1]のエンディングや自作の[5]における粋なヒネリ具合など、コンポーザーとしての才能もチラチラと垣間見れる。ケニー・バレルのギターを大きくフィーチュアし、ソニー・クラーク以下のリズムセクションはブルーノートならではの人選。ジャケット写真のジェンキンスが、ポーズといい顔といい、島崎俊郎扮する「アダモちゃん」にそっくり! ★★★☆☆

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 リー・ワイリー(vo) 『Night In Manhattan』


リー・ワイリー(vo) 『Night In Manhattan』

 同じストリングス入り女性ボーカルでも、キャピトル・レコードのそれは総天然色のようにカラフルだが、本盤はまさしくセピア色の音楽。ナローレンジな録音のせいか、ワイリーの温かな歌声のせいか、それとも'50年代初頭の空気が醸し出すのか、全編に古き良きアメリカの甘い香りが詰まっている。骨董店や古着屋のBGMにぴったりだ。今でもあるのだろうか?もう20年以上前、京都の河原町商店街の2階に「コニー・アイランド」という名の喫茶店があった。[1]を聴くたびにあの隠れ家のような店を思い出す。 ★★★☆☆

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 ジューン・クリスティ(vo),スタン・ケントン(p) 『Duet』

ジューン・クリスティ(vo),スタン・ケントン(p) 『Duet』

 かつてスタン・ケントン楽団の歌姫だったジューン・クリスティが、御大ケントンのピアノのみをバックに唄う「デュエット」。かすれるようなハスキーヴォイスが意外なほど力強く、楚々としたなかにもキャリアが感じられる。バラードを歌っても凛として、決して甘くなりすぎないのがクリスティの魅力。一方、ケントンのピアノはビッグバンド同様、いかにも白人らしい、ヨーロッパ的な演奏。[2]や[5]の怨み節がこの二人に案外しっくりくる。エリントンナンバーの[10]も真っ白だ。 ★★★☆☆

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 チャーリー・ヘイデン(b),パット・メセニー(g) 『Beyond The Missouri Sky』


チャーリー・ヘイデン(b),パット・メセニー(g) 『Beyond The Missouri Sky』

 優秀録音とあって、たいていどこのオーディオショップでも試聴用に置いてあるベースとギターのデュオ。随所にギターやシンセサイザーをオーバーダビングしているものの、あくまでアコースティックな印象。スローなバラードばかりで、ブルージーでもなくスイングもしない。即興らしい即興もない。これがジャズかと訊かれれば、ウーンと言葉に詰まる。特筆すべきは旋律の美しさだろう。[2],[4],[5],[11]など、親しみやすく哀愁溢れるメロディライン。ガチャガチャ騒音のしない時間帯に、できれば高級なオーディオ装置で聴いていただきたい。S/N比の良さが命。輸入盤あり ★★★☆☆

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 ディック・ジョンソン(as) 『Music For Swinging Moderns』


ディック・ジョンソン(as) 『Music For Swinging Moderns』

 前半景気良くアップテンポで飛ばして、後半はバラードが集中。ディック・ジョンソンのことを、アドリブよりもテーマが上手な人の見本みたいに寺島靖国氏が書かれていたが、どうしてどうして、アドリブ部分だって見事なものだ。リー・コニッツをぐっと骨太にしたようなトーンでぐいぐいと迫ってくる。バックを務めるメンバーの素性が明らかでない、対位法で絡んでいくスタイルや西海岸風のサウンドから、おそらくは白人グループと推察する。 ★★★☆☆

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 ソニー・ロリンズ(ts) 『A Night At The "Village Vanguard"』


ソニー・ロリンズ(ts) 『A Night At The "Village Vanguard"』

 ロリンズ得意のピアノを抜いたトリオによる、クラブ”ヴィッレッジ・ヴァンガード”でのライブ。しかしなんと拍手の少ないことか。この素晴らしい演奏を、たったこれだけの人数しか聴いてなかったと思うと愕然とする。エルヴィン・ジョーンズの変幻自在のシンバルワーク、ウィルバー・ウェアの安定感あるベースラインに乗せ、いつになく挑戦的なロリンズが吹きまくる傑作。[1]、[2]は勿論のこと、珍しくテクニカルな[3]にも傾聴するべし。[5]のみバックがラ・ロカ、ベイリーに入れ替わる。 ★★★★★

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 サド・ジョーンズ(tp) 『The Magnificent Thad Jones』

サド・ジョーンズ(tp) 『The Magnificent Thad Jones』

 ブルーノートのレコードジャケットはどれもカッコイイけれど、なかでもこの”鳩のジョーンズ”はベスト3に入るのではないか。嫌がるジョーンズを無理やり鳩の中に立たせたそうだが、背景からスーツのシルエットまで、なんともいえずカッコイイ。そして冒頭[1]のザクザクというマックス・ローチのブラシが聞こえてくる。おー、ブルーノートだなあ!モダンジャズ最大の魅力は抑制の美である。ドカーンとやるカウント・ベイシー・オーケストラでの同曲も良いが、この沈静化した「パリの四月」は必聴。サド・ジョーンズの最高傑作。 ★★★★★

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 インク・スポッツ(cho) 『Whispering Grass』

インク・スポッツ(cho) 『Whispering Grass』

 ずいぶんと古いジャズコーラスグループだが、プラターズのようにメンバーを入れ替えて現在も活動を続けているらしい。数曲聴けばわかる驚異のワンパターン。それでも不思議に飽きがこないのはさすが。映画「ショーシャンクの空に」にも挿入された[17]が特に有名。たしか「L.A.コンフィデンシャル」の冒頭シーン、カーラジオから流れる音楽も本盤の[1]だったと思う。[5]はラジオドラマのように楽しい寸劇のよう。きっとこのグループにはアメリカ人のノスタルジーを呼び起こす強い何かがあるんだろうな。 ★★★☆☆

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 マイルス・デイヴィス(tp) 『1958 Miles』
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マイルス・デイヴィス(tp) 『1958 Miles』

 当初は『Jazz Tracks』というタイトルで、LPのA面にパリで録音した『死刑台のエレベーター』のサウンドトラック、B面が本盤収録のセクステット演奏が収められていたそうだが、契約上の問題か、現在はそれぞれ別のレコード会社から出ている。一枚のLPの半分となれば当然収録時間は短くなる。そこで別テイクと’55年『ラウンド・ミッドナイト』収録時にボツとなった[5][6]を入れて体裁を整えた。しかしながらビル・エヴァンス、キャノンボールらを含む[1]~[4]の素晴らしさは格別だ。ジャケットデザインは故・池田満寿夫氏。 ★★★★★

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