ビル・エヴァンス(p) 『Sunday At The Village Vanguard』
Amazonで詳細を見る
ビル・エヴァンス(p) 『Sunday At The Village Vanguard』

 スコット・ラ・ファロ、ポール・モチアンらとのトリオで、リバーサイド・レーベルに残した『ポートレイト・イン・ジャズ』『エクスプロレイションズ』、ライブの『ワルツ・フォー・デビィ』と、その同日録音の本盤を合わせて、エヴァンスの「リバーサイド四部作」と呼ばれており、ファンのなかでも最も人気が高い。こちらは『ワルツ・フォー~』に比べると、よりスコット・ラ・ファロのベースを前面に出しており、分りやすいメロディラインよりインタープレイに重きを置いた渋めの内容。  ★★★★

続きを読む "ビル・エヴァンス(p) 『Sunday At The Village Vanguard』"

 マイルス・デイヴィス(tp) 『Miles Davis And Horns』
Amazonで詳細を見る
マイルス・デイヴィス(tp) 『Miles Davis And Horns』

 [5]~[9]が'51年、[1]~[4]が'53年のセッション。それぞれジョン・ルイスとアル・コーンが編曲を担当しているせいか、『クールの誕生』に近いイメージ。'51年のほうはヘロイン中毒の渦中にあって大変だったらしい。ボロボロになりながらも懸命に吹くバラード[7]が胸をうつ。自らの意思で”コールド・ターキー”と呼ばれる監禁治療によって常習癖から抜け出した。それからマイルスの快進撃がスタートするのだ。麻薬をやるから良い演奏ができるんじゃない。それを断ち切る強い精神こそが彼をマイルス・デイヴィスたらしめる。  ★★★☆☆

続きを読む "マイルス・デイヴィス(tp) 『Miles Davis And Horns』"

 ハンク・モブレー(ts) 『Peckin' Time』

ハンク・モブレー(ts) 『Peckin' Time』

 一応ハンク・モブレーのレコードだが、リー・モーガンとの双頭リーダー作ともとれるジャケットデザイン。あまりにモーガンの出来がいいのでプロデューサーの気が変わったか。この8ヶ月後、ジャズ・メッセンジャーズに参加、あの『モーニン』のソロを吹き込み、モーガンは一躍脚光を浴びることになる。ケリーのピアノも良い。肝心のモブレーはというと、[2]を除くすべてをオリジナル曲で固め、コンポーザーとしての才能を発揮、勿論ソロだって悪くない。表題の「Peckin'」とは、鳥が餌を啄む仕草のことで、ソニー・ロリンズも得意にした突っつくようなフレーズを意味する。 ★★★★

続きを読む "ハンク・モブレー(ts) 『Peckin' Time』"

 フランク・シナトラ(vo) 『Swing Easy/Songs for Young Lovers』

Amazonで詳細を見る
フランク・シナトラ(vo) 『Swing Easy/Songs for Young Lovers』

 名編曲家ネルソン・リドル指揮の2枚を1枚にカップリング。管から弦まであらゆる楽器を使って作り出す極彩色のオーケストラゆえ、それほどジャズっぽくはない。しかしながら、メロディを崩さず唄うシナトラは、ジャズ初心者がスタンダードナンバーを覚えるには最適だ。最もアメリカらしい音楽はと訊かれれば、わたしなら本盤のようなキャピトルのシナトラやナット・キング・コールを挙げる。クッキーの焼ける甘い匂いがするようだ。(こちらも曲順を入れ替えただけの同内容) ★★★☆☆

続きを読む "フランク・シナトラ(vo) 『Swing Easy/Songs for Young Lovers』"

 ジュリー・ロンドン(vo) 『Love Letters/Feeling Good』
Amazonで詳細を見る
ジュリー・ロンドン(vo) 『Love Letters/Feeling Good』

 トータルな意味でジュリーの歌手としてのベストはこの『ラブ・レターズ』じゃないかと思う。すでに30代半ば、唄い方がだんだんと姉御肌になってきているが、なにより表情が豊かでノッてレコーディングに臨んでいるのが良い。[1]の怨念のような出だしは鳥肌モノ。これも2in1CDで、[13]からの『フィーリング・グッド』とのカップリング。ハービー・ハンコック作の[18]ではなんとジュリーがハモンド・オルガンでソロをとっている。あんまり上手でもないのだが、なんとも頼もしい限りである。 ★★★★

続きを読む "ジュリー・ロンドン(vo) 『Love Letters/Feeling Good』"

 ベニー・グッドマン(cl) 『The Benny Goodman Story』

ベニー・グッドマン(cl) 『The Benny Goodman Story』

 ジャズを題材にした映画で、おそらく一番有名なのは「五つの銅貨」、次が「グレン・ミラー物語」で、その次くらいにこの「ベニー・グッドマン物語」が来る。しかしデッカからリリースされたオリジナル・サウンドトラックに不満を持ったB.G.本人は、新たに「ベニー・グッドマン物語」と題した本作をキャピトルに録音。こちらのほうが代表作になってしまった。魅惑の歌姫マーサ・ティルトンの[2]、邦画「スイング・ガールズ」でも見せ場に用いられた[4]、ハリー・ジェームス、ライオネル・ハンプトンらの参加など、聴き所満載。国内盤あり ★★★☆☆

続きを読む "ベニー・グッドマン(cl) 『The Benny Goodman Story』"

 フレディ・ハバード(tp) 『Hub Cap』


フレディ・ハバード(tp) 『Hub Cap』

 フレディ・ハバードは従来のハードバップ・スタイルに範を求めながらも、確実に新しい時代への布石を打っている。この匙加減が絶妙で、うーんカッコイイッ!![3]など、いかにもブルーノートらしい雰囲気の曲想で、フレディのトランペットも冴え渡っている。しかしなんといってもリズムを牽引するフィリー・ジョー・ジョーンズの烈火のごときドラミングが聞き物だ。厚みのあるハイハットが一拍遅れてシューッ!と来てスタン!おおー、なんてカッコ良いんだろうか。国内盤あり ★★★★

続きを読む "フレディ・ハバード(tp) 『Hub Cap』"

 ルー・ドナルドソン(as) 『Sunny Side Up』


ルー・ドナルドソン(as) 『Sunny Side Up』

 前作『ザ・タイム・イズ・ライト』でリラックスして緩んでたのが、本作で再びキュッと引き締まった感じがするのはベテラン、ビル・ハードマンの参加によるものか。[1][2]等、アレンジも前作より練られており、しっかり作り込んだ印象。ハードマン作[3]は古株ジャズ・メッセンジャーズのレパートリーでもあった。[5][6]ともなるともうルー・ドナの独断場。ホレス・パーランがこれまた土臭くて良いピアノを聴かせる。これぞブルースの真髄と呼んでみたい。寂しげなミュートトランペットの[7]で終わるのもニクイ。 ★★★★

続きを読む "ルー・ドナルドソン(as) 『Sunny Side Up』"

 ルイ・スミス(tp) 『Here Comes Louis Smith』

ルイ・スミス(tp) 『Here Comes Louis Smith』

 BN1500番台にあって、内容の素晴らしさに比べると一般的評価は低すぎるように思う。オープニングに相応しい[1]のカッコ良さ、スミスは勿論のこと、デューク・ジョーダンのソロも良い。白眉はブルースナンバーの[2]。”バックショット・ラ・ファンク”という粋な変名で参加のキャノンボール・アダレイが、ファンクの限りを尽くして吹きまくる。かつてのチャーリー・パーカーとマイルス・デイヴィスの姿をなぞるかのような[3]は「ドナ・リー」にそっくり。そしてクリフォード・ブラウン直系の輝かしいトランペットが聴ける[4]等、ハードバップの醍醐味を満喫できる傑作。 ★★★★

続きを読む "ルイ・スミス(tp) 『Here Comes Louis Smith』"

 レッド・ガーランド(p) 『Groovy』


レッド・ガーランド(p) 『グルーヴィー』

 当時斬新に見えたであろうこのジャケットデザインも、あまりに模倣され尽くしてしまい、今となってはそれほどのインパクトは感じない。しかしながらレッド・ガーランドの代表作としてジャズ入門書に必ず登場、不動の人気を誇る名盤だ。元ボクサーという変り種で、軽やかに踊るようなタッチこそガーランドの身上。デューク・エリントン作の[1]はあまりにも有名。シングルトーンでキュートなメロディを聴かせ、やがてブロックコードでだんだんと盛り上げていく一連のパターンは何度聴いても気持ちが良い。ジャズ初心者にお勧め。 ★★★★

続きを読む "レッド・ガーランド(p) 『Groovy』"

 マーティ・ペイチ(p) 『Marty Paich Quartet featuring Art Pepper』


マーティ・ペイチ(p) 『Marty Paich Quartet featuring Art Pepper』

 リーダーのマーティ・ペイチには気の毒だが、これはアート・ペッパーのレコードである。事実、さっき出してくるまでそう思い込んでた。[1]のイントロだけで、うわあー、いいなあと思ってしまう、このアルト。続けざまに必殺技の[2]が出てくる。ペイチのピアノもいいじゃないか、リーダーだからな。しかしなんといってもペッパーのインスピレーションがこんこんと涌き出てくるさまは圧巻だ。名手バディ・クラークのよく粘るベースラインもいい。こういう盤は人に教えずこっそり永ーく愛聴したい。 ★★★★

続きを読む "マーティ・ペイチ(p) 『Marty Paich Quartet featuring Art Pepper』"

 スタン・ゲッツ(ts) 『Focus』


スタン・ゲッツ(ts) 『Focus』

 コペンハーゲンからアメリカに帰国、1962年にボサ・ノヴァの『ジャズ・サンバ』をヒットさせる直前の録音。ストリングス・オーケストラをバックにテナーを吹くゲッツ。同じヴァーヴでも『チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス』みたいにリラックスしたものでなく、かなり作り込んだ編曲で、緩急の差が激しく、ある意味実験的な作品。まるで映画のサウンドトラックのようで、スタンダード曲もなし。[1]のロイ・へインズのドラミング以外は、ジャズとして聴くべきものはあまりないように思う。わたしもオリジナル盤を持ってはいるのだが...。★★☆☆☆

続きを読む "スタン・ゲッツ(ts) 『Focus』"

 ウイントン・マルサリス(tp) 『Marsalis Standard Time Vol.1』

ウイントン・マルサリス(tp) 『Marsalis Standard Time Vol.1』

 思うに、クールなオリジナル曲ばかり聴かされていた頑固なジャズファンたちは、本盤が出てやっとウイントンの凄さを認めたのではないか。それまでは、「テクニックばかりで無機質」などと言われ、ずいぶん槍玉にあがっていた。少々冷たかろうが何だろうが、こんなふうにスタンダードをバリバリ吹かれるともう認めざるをえない。だんだん速くなったり遅くなったりする[11]を聴いたときは冷水を浴びたように驚いたものだ。彼らにとって曲は素材に過ぎないことを知らしめたウイントンの快作。 ★★★★

続きを読む "ウイントン・マルサリス(tp) 『Marsalis Standard Time Vol.1』"

 JimmyJazz blogはサトゥール(Satour)を断固支持します

続きを読む "JimmyJazz blogはサトゥール(Satour)を断固支持します"

 スー・レイニー(vo) 『Happiness is a warm Sue Raney』

スー・レイニー(vo) 『Happiness is a warm Sue Raney』

 16歳のときにキャピトル・レコード専属となり、23歳までに三枚のLPレコードを録音。その三枚目の通称”お風呂のレイニー”『オール・バイ・マイ・セルフ』のアレンジおよび指揮を務めたラルフ・カーマイケルがフィリップス移籍第一弾の本作でも引き続きバックを受け持つ。'64年ともなればブラスを中心としたビッグバンド・アレンジも、古めかしいそれとは違って随分とモダンになっている。端正な美人声なのに、この安定感にしてこの大胆さ。わたしのフェイバリット・シンガーの一人だが、レコードが少ないのが残念。  ★★★☆☆

続きを読む "スー・レイニー(vo) 『Happiness is a warm Sue Raney』"

 「A&Vヴィレッジ」2005年11月号発売

続きを読む "「A&Vヴィレッジ」2005年11月号発売"

 アート・ブレイキー(ds) 『Art Blakey Big Band』


アート・ブレイキー(ds) 『Art Blakey Big Band』

 これはとっておきの凄いレコードだ。なんとジョン・コルトレーン入りのアート・ブレイキー・ビッグ・バンド。'57年12月だから、一旦マイルス・デイヴィスにクビになったトレーンが、セロニアス・モンクのもとで修行を積み、翌年再びマイルスに呼び戻される直前の録音。一曲一曲は短いけれど、嬉しいことにトレーンは物凄いフレーズを吹きまくっている。[3][4]はバードとトレーンのみピックアップしたクインテット編成。トレーンのソロはないが、ブレイキーのシンバルがスコールのように降り注ぐラテンの[5]も痛快だ。 ★★★★★

続きを読む "アート・ブレイキー(ds) 『Art Blakey Big Band』"

 モダン・ジャズ・カルテット 『Fontessa』

モダン・ジャズ・カルテット 『Fontessa』

 プレスティッジからアトランティックに移籍して、クラシック志向が前進、そのぶん黒っぽさは後退したように思う。もうジャケットからしてこれだもの(笑)「ベルサイユ」「フォンテッサ」といったオリジナル曲を核として、[2]や[4]などのスタンダードを違和感のないように上手に織り交ぜている。これを「MJQの最高傑作だ」と言う人も居れば、「いちばん嫌いだ」と言う人も居る。良く出来てるレコードに違いはないので、たぶん嗜好の問題だと思う。クラシック好きにはいいのかな?うーん、わたしには微妙なところ。 ★★★☆☆

続きを読む "モダン・ジャズ・カルテット 『Fontessa』"

 ジーン・ハリス(p,celeste) 『Introducing The Three Sounds』


ジーン・ハリス(p,celeste) 『Introducing The Three Sounds』

 スタイルとしてはオスカー・ピーターソン・トリオやラムゼイ・ルイスの大袈裟な感じを払拭し、小粋にまとめたグループサウンド。嫌味にならない程度のファンキー風味。ゴリゴリのブルーノートにとっては異色とも言える存在の”スリー・サウンズ”だが、行き当たりばったりのレコーディングを嫌う同社のポリシーには合致してるようにも思う。たしか当店がオープンした'88年のクリスマス、自転車で10分程の場所に「バードランド」という中古レコード屋があり、寒風のなか営業中に抜け出して本盤を買って来た記憶がある。恐れ観ょ。★★★☆☆

続きを読む "ジーン・ハリス(p,celeste) 『Introducing The Three Sounds』"

 チャーリー・パーカー(as) 『Jazz at Massey Hall』

チャーリー・パーカー(as) 『Jazz at Massey Hall』

 5名のビバップの巨人たちによるカナダ、トロントでのライブ録音。ボクシングのタイトルマッチと重なったために客の入りが悪く、パーカーは借り物のプラスチック製アルトで登場、ディジーは道化をやり、メンバー間は殺気立った雰囲気。チャールズ・ミンガスは自らのレコード会社「デビュー」を興し、この録音テープに後からベースをオーバーダビングして売り出した。当時チャーリー・パーカーはマーキュリー・レコードと専属契約していたため、「チャーリー・チャン」という変名でクレジットされた。ジャズを取り巻くいいかげんさと、天才たちの超絶技巧が交錯する。 ★★★★

続きを読む "チャーリー・パーカー(as) 『Jazz at Massey Hall』"

 ジャッキー・マクリーン(as) 『4,5&6』

ジャッキー・マクリーン(as) 『4,5&6』

 ジャッキー・マクリーンといえばプレスティッジ時代、そしてこの一曲となれば、やはり本盤の「センチメンタル・ジャーニー」だ。チューニングが悪いと指摘する輩も多いマクリーンのアルト、合ってないようでちゃんと合ってる。この微妙に下がったようなノートで吹くと、どんな曲でも物悲しく響く。これがマクリーン独自の青臭いトーンを作っている。彼のアイドル、チャーリー・パーカー作の[4]は楽しげなブローイングセッション風。この曲のみ参加のハンク・モブレーも快調だ。輸入盤あり ★★★★

続きを読む "ジャッキー・マクリーン(as) 『4,5&6』"

 ルー・ドナルドソン(as) 『Blues Walk』

ルー・ドナルドソン(as) 『Blues Walk』

 ルー・ドナルドソンのことがかなり好きだから多少採点が甘くなるけれど、本盤を彼の代表作として異論はないだろう。一年前に吹込んだ『スイング・アンド・ソウル』と同じメンバーの、ワンホーンカルテット+コンガという編成。コンガが入るだけで俄然リズムが華やかになるが、ハーマン・フォスターのゴスペル調のピアノが「下げる」、そしてドナルドソンがさらに哀愁を振り撒いて、「泣き笑い」の表情で本作品は成り立っている。庶民のためのレコードだ。珠玉のバラード[5]を聴きながらスルメを噛み締める。 国内盤あり ★★★★★

続きを読む "ルー・ドナルドソン(as) 『Blues Walk』"

 ジョージ・ウォーリントン(p) 『George Wallington Quintet At The Bohemia』

ジョージ・ウォーリントン(p) 『George Wallington Quintet At The Bohemia』

 ”カフェ・ボヘミア”でのライブ。メンバーのうちジャッキー・マクリーンとアート・テイラーはこの一ヶ月前に『マイルス・デイヴィス・アンド・ミルト・ジャクソン・クインテット・セクステット』のレコーディングに参加。本盤にも収録されたマクリーン作の[3]を録音している。注目すべきは新人ばなれした凄いウォーキングベースでバンドを牽引するポール・チェンバース。目ざといマイルスが即座にポールを自分のバンドに引抜き、翌10月26日コロンビアのスタジオで録音。以後7年に渡ってマイルスバンドのレギュラーベーシストを務める。リーダーのウォーリントンは[4]でスリリングなソロを展開。白人バッパーとしての面目躍如だ。 ★★★★

続きを読む "ジョージ・ウォーリントン(p) 『George Wallington Quintet At The Bohemia』"

 ジャズの本場ニューオリンズ!?

続きを読む "ジャズの本場ニューオリンズ!?"

 カウント・ベイシー・オーケストラ 『Basie In London』


カウント・ベイシー・オーケストラ 『Basie In London』

 『ベイシー・イン・ロンドン』とあるが、実はスエーデンでの実況録音。ジャケット写真もこの北欧ツアーの際のものでなく、後からわざわざロンドンまで撮影に出かけたそうだ。それほどベイシーはこのツアーの大成功を喜んでおり、事実'50年代を代表するベイシーバンドの傑作ライブ盤となった。[7]~[9]はジョー・ウィリアムスのボーカルをフューチュア。[11]のサド・ジョーンズからジョー・ニューマンに引き継がれる鮮やかなトランペットソロ、そしてトドメのフランク・ウエス。『エイプリル・イン・パリ』にはこの曲の雛型が収録されてるので、[2]も合わせてぜひ聴き比べてみて欲しい。 ★★★★

続きを読む "カウント・ベイシー・オーケストラ 『Basie In London』"

 チャーリー・パーカー(as) 『Charlie Parker With Strings:The Master Takes』

Amazonで詳細を見る
チャーリー・パーカー(as) 『Charlie Parker With Strings: The Master Takes』

 今、若い人たちが初めてこのCDを聴いたなら、古臭いと感じるだろうか?パーカーに限らず、「ウィズ・ストリングスもの」は「紐付き」と呼ばれ、ハードなジャズファンから蔑視された。そもそも「楽器の名人のバックを豪華なオーケストラでやったらウケるだろう」という安直な企画だから無理もない。しかしバードは王様のような待遇が気に入ったのか、元々深く考えない人なのか、ゴキゲンに吹きまくったのだ。最初はムード音楽みたいに聞こえるかもしれないが、バードのアドリブは極上。切り口が少々変わってるだけで、これは紛れもなく一級品のジャズだ。 ★★★★★

続きを読む "チャーリー・パーカー(as) 『Charlie Parker With Strings:The Master Takes』"

 オーディオ3年ジャズ8年

続きを読む "オーディオ3年ジャズ8年"

 アート・ブレイキー(ds) 『A Night at Birdland』

アート・ブレイキー(ds) 『A Night at Birdland, Vol.1』


アート・ブレイキー(ds) 『A Night at Birdland, Vol.2』

(輸入盤あり
Vol.1Vol.2
 ハードバップは'54年2月21日深夜、ニューヨークのジャズクラブ”バードランド”で誕生したことになっている。その夜の模様をばっちり捕らえたのがこの『バードランドの夜』。名物の小人司会者ピー・ウィー・マーケットによるメンバー紹介に続いて幕を開ける「スプリット・キック」は、従来のビ・バップとは明らかに違った響きを持つ。当夜はディジー・ガレスピーも客席に居たそうだが、彼の作曲した「チュニジアの夜」や「ナウズ・ザ・タイム」、「コンファメーション」など典型的なビ・バップ曲を中心に展開するも、今までとは何かが違う、この熱気や興奮!クリフォード・ブラウンが「ワンス・イン・ア・ホワイル」、ルー・ドナルドソンが「イフ・アイ・ハド・ユー」、フロントの二人をフィーチュアしたバラードがそれぞれ一曲づつ与えられており、どちらも素晴らしい演奏だ。ブラウンはこの二年後に自動車事故で夭折するが、シルバー、ブレイキー、ドナルドソンは、それぞれ長きにわたってブルーノートレコードの看板プレーヤーとして活躍することになる。少々乱暴な言い方をするなら、ブルーノートを聴くということは、ホレス・シルバーを、アート・ブレイキーを聴くことであり、ルー・ドナルドソンを聴くことなのである。 ★★★★★

続きを読む "アート・ブレイキー(ds) 『A Night at Birdland』"

 チェット・ベイカー(vo,tp) 『It Could Happen to You』


チェット・ベイカー(vo,tp) 『It Could Happen to You』

 取り立てて優れた内容でもないけれど好きなレコードというのがあって、これなんかもそう。リバーサイド専属になっての第一作。パシフィック時代にはやらなかったスキャットを取り入れているが、まだ馴れていのか自分のものになってない感じがする。危なっかしい。ハラハラしながら聴いてるとトランペットが出てきて、おお、チェットってこんなにラッパが巧かったのだなと感激する。相手が誰であろうがファンキーなフレーズを連発するケニー・ドリューのピアノも良い。  ★★★☆☆

続きを読む "チェット・ベイカー(vo,tp) 『It Could Happen to You』"

 バーニー・ケッセル(g),シェリー・マン(ds),レイ・ブラウン(b) 『The Poll Winners』


バーニー・ケッセル(g),シェリー・マン(ds),レイ・ブラウン(b) 『ザ・ポール・ウィナーズ』

 ギター、ベース、ドラムスという、ロックでは最もポピュラーな編成が何故かジャズには少ない。強いて言うならこのポール・ウィナーズ。[1]を聴いてみればなるほどと納得。そうそう他のプレイヤーにできるものではない。「ダウンビート」誌の人気投票で選ばれた三人を集めた企画盤、つまりインスタントのグループではあるが、そこは共に西海岸で活躍する気心の知れた者同士。ツーといえばカーと応える飲込みの良さで複雑な曲も見事にこなす。このグループも人気を博し、この後二度三度と登場することになった。カフェの上質なBGMとしても最適。軽やかにスイングする。 ★★★★

続きを読む "バーニー・ケッセル(g),シェリー・マン(ds),レイ・ブラウン(b) 『The Poll Winners』"

 ナット・キング・コール(vo) 『Where Did Everyone Go / Looking Back』


ナット・キング・コール(vo) 『Where Did Everyone Go / Looking Back』

 キャピトルやリバティの版権を持つEMIのお買い得2in1シリーズ。[1]~[12]が'63年リリースの『ホエア・ディド・エブリワン・ゴー』、[13]~[23]までが'65年の『ルッキング・バック』 。内容の似通ったもの同士をカップリングすることの多いシリーズだが、今回似てるのはジャケットの雰囲気のみで、中身はまったく違うコンセプト。荘厳な弦の響きが幻想的な前者に対し、[13]からいきなりダウンタウンのオールディーズ風になる。両者ともジャズとは随分かけ離れてしまうが、ロマンチックな[9]やメドレー調の[18][19]も楽しい。 ★★★☆☆

続きを読む "ナット・キング・コール(vo) 『Where Did Everyone Go / Looking Back』"

 ダイアナ・クラール(vo,p) 『Only Trust Your Heart』

ダイアナ・クラール(vo,p) 『Only Trust Your Heart』

 表紙はまあまあ美しく撮れてるが、中の写真のイケてないことといったら。田舎娘丸出しである。でも、そういうダイアナの天然さが良い。彼女がデビューする際、ベースの巨匠レイ・ブラウンに相談していたようだが、いよいよ本盤でブラウンも参加。クリスチャン・マクブライドやスタンリー・タレンタインまで登場して、なんとも豪華な面々。表題曲[2]の唄が終わってダイアナのピアノが間奏に入る一音、そしてもう一音、これを聴いてほしい。いやいやいやいや並じゃないですよ、このピアノ。国内盤あり ★★★☆☆

続きを読む "ダイアナ・クラール(vo,p) 『Only Trust Your Heart』"

 ベニー・カーター(as,tp) 『Jazz Giant』

ベニー・カーター(as,tp) 『Jazz Giant』

 チャーリー・パーカー出現以前のアルトの名手といえば、ジョニー・ホッジス、ウィリー・スミス、ベニー・カーター。三人共艶やかな音色で、スタイルもよく似ている。なかでも一番軽く、ややドライ、そして鮮やかなのがベニー・カーターだ。編曲の仕事も多くこなしている才人で、本盤ではオールド・ファッションな懐かしい薫りのする題材を、西海岸の名手と共にモダンな感覚に蘇らせている。一時パーカーを模倣しようとしたカーターがマイルス・デイヴィスに訊ねた。「どうだ、バードみたいに聞こえるか?」「いや、ベニー・カーターみたいだ」[6]が泣かせる。 ★★★☆☆

続きを読む "ベニー・カーター(as,tp) 『Jazz Giant』"

 マイルス・デイヴィス(tp) 『The New Miles Davis Quintet』
Amazonで詳細を見る
マイルス・デイヴィス(tp) 『The New Miles Davis Quintet』

 コルトレーン、ガーランド、チェンバース、フィリー・ジョーのレギュラークインテットによる初録音…、のはずだったのが、実はマイルスが大手のコロンビアレコードと秘密裏に契約しており、同社リリースの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』に収録された数曲がこのクインテット事実上の初録音だった。それはともかくとして、肩肘張らないリラックスした内容とヴァン・ゲルダーの好録音で、通称「小川のマイルス」と呼ばれるほどに、ファンの間では人気が高い一枚。勿論初心者の方にも強力にお勧めしたい秀作だ。  ★★★★

続きを読む "マイルス・デイヴィス(tp) 『The New Miles Davis Quintet』"

 バド・パウエル(p) 『the scene changes The Amazing Bud Powell』

バド・パウエル(p) 『ザ・シーン・チェンジズ』

 若き日のマイルス・デイヴィスがバド・パウエルのアパートに遊びに行くと、パウエルはピアノでベートーベンを見事に弾いて聴かせたという。あまりにも有名な[1]は、「エリーゼのために」の変奏曲ともとれる魅惑的なメロディライン。ジャズ喫茶全盛期にはこの曲にリクエストが殺到した。[1]の印象がイコール本作品の印象になりがちだけれど、全曲格調高いパウエルのオリジナルで、[6]や[7]、[8]なんかも素晴らしい出来ばえだ。この翌年にパウエルはパリへ移住する。 ★★★★★

続きを読む "バド・パウエル(p) 『the scene changes The Amazing Bud Powell』"

 セロニアス・モンク(p) 『Thelonious Monk With John Coltrane』

セロニアス・モンク(p) 『Thelonious Monk With John Coltrane』

 看板に偽りあり。JAZZLANDはリバーサイドの傍系レーベルだが、コルトレーンを含むカルテット録音三曲に、リバーサイドの『モンクス・ミュージック』から二曲と、『セロニアス・ヒムセルフ』の余りテイク一曲を強引に入れて一枚のLPレコードにしてしまった。なんともいい加減な話であるが、演奏のほうはもう本当に凄まじい。お馴染みモンク自作のバラード[1]で始まり、[2]ではトレーンがあのトリッキーなフレーズを正確無比なタンギングで吹きまくる!こらたまらん!モンクの指導のもと、トレーンはこの'57年、テクニック的には一度目の頂点に達していたようだ。輸入盤あり ★★★★

続きを読む "セロニアス・モンク(p) 『Thelonious Monk With John Coltrane』"

 ズート・シムズ(ts,as) 『Zoot!』

ズート・シムズ(ts,as) 『Zoot!』

 ジャズ界にあっては白人は西海岸LA.、黒人はNY.という住み分けが多いのだが、ズートは白人でありながらずーっと(シャレではない)NY.を拠点として活動をしてきた。スタイルとしてはレスター・ヤングの流れを汲みながら、チャーリー・パーカーの影響は殆ど見られず、少しベニー・グッドマン的なコブシも利いている。本作[1]~[4]は、ピアノのジョージ・ハンディの妻フローレンスのオリジナル曲で、アレンジもジョージが担当。[3]と[6]ではズートが珍しくアルトを吹く。 ★★★☆☆

続きを読む "ズート・シムズ(ts,as) 『Zoot!』"

 ダイナ・ショア(vo) 『Vivacious』


ダイナ・ショア(vo) 『Vivacious』

 やわらかく真っ白な木綿のハンカチのような気品ある歌声がダイナの魅力。女性ボーカルというと何かといやらしいのが多いけれど、ドロドロしないさわやかな芸風は好感が持てる。代表的ヒットの[1]、エリントンの[2]、一人で二重唱に挑戦した美しいハーモニーの[3]、パンチの効いたビッグバンドアレンジの[7]、劇的な展開の[8]などバラエティに富んでいる。子守唄のようなバラードの[4]や[10]は、灯りを落とした寝室で聴きたい。 ★★★☆☆

続きを読む "ダイナ・ショア(vo) 『Vivacious』"

 キャノンボール・アダレイ(as) 『Cannonball Adderley Quintet In San Francisco』

キャノンボール・アダレイ(as) 『Cannonball Adderley Quintet In San Francisco』

 '59年サンフランシスコでのライブ。当時ピアノのボビー・ティモンズはジャズ・メッセンジャーズのスター・プレイヤーとして活躍中だったから、このバンドと掛け持ちしていたようだ。そのティモンズ作曲の[1]がこれまた大ヒット。まさにファンキー時代の寵児と言えよう。[2]はマイルスの「ノー・ブルース」を彷彿させるノリノリのゴキゲンなブルース。勇壮な行進曲風の[3]。その才能に惚れ込み、ホレス・シルバー・クインテットから引抜いたばかりのルイス・ヘイズのドラミングが冴える急速調の[5]はキャノンボールの真骨頂だ。 ★★★★

続きを読む "キャノンボール・アダレイ(as) 『Cannonball Adderley Quintet In San Francisco』"

 ハービー・ハンコック(p) 『V.S.O.P.-The Quintet』

ハービー・ハンコック(p) 『V.S.O.P.-The Quintet』

 もともとハンコックが'76年に、”一度限りの特別企画(Very Special Onetime Performance)”として”黄金のクインテット”を再現したのが、あまりに反響が大きかったために、そのままグループ名として定着してしまったVSOPクインテット。翌'77年に行われたバークレイとサンディエゴでの実況盤。マイルス・バンドでのかつてのレパートリー[6]も取り上げられているものの、抑制の枠が取り払われ、大音量、大迫力、VSOPならではのグループカラーができつつあるようだ。 ★★★☆☆

続きを読む "ハービー・ハンコック(p) 『V.S.O.P.-The Quintet』"

 ビル・エヴァンス(p) 『Moon Beams』

ビル・エヴァンス(p) 『ムーン・ビームス』

 殆どの曲がスローテンポのバラード集。初心者にはあまりお勧めしない。勿論買ったってかまわないのだが、ジャズを聴きはじめて一年やそこらで本盤を愛聴してると言う人の感性は信用ならない。かく言うわたしも初心者の頃に本盤を手にして、あまりのダルダルさに挫折した。十数年が過ぎて再び聴いてみると複雑な和音のなかに埋もれていた神秘的なメロディが浮き上がってくるではないか。[2]~[7]までのスタンダード曲のメロディを知ってる人なら買い、そうでないならまだまだジャズ修行だ。  ★★★★

続きを読む "ビル・エヴァンス(p) 『Moon Beams』"

 カーメン・ランディ(vo) 『This is Carmen Lundy』

カーメン・ランディ(vo) 『This is Carmen Lundy』

 今の時代にジャズのオリジナル曲を書き下ろして唄うメリットがいかほどあろうかと思うが、本盤では全曲カーメン自身のオリジナル、それもメロディアスな良い曲ばかりである。絵心もあるし、芸術的な才能が溢れ出ているような人だ。[6]がハイライト。モード風に盛り上がる後半を傾聴されたし。続くバラードの[7]とのコントラストも良い感じ。都会的でモダンな感覚に、ほんの少しのアフリカ的なスパイスがカーメンの魅力だ。 ★★★☆☆

続きを読む "カーメン・ランディ(vo) 『This is Carmen Lundy』"

« September 2005 | メイン | November 2005 »