アニタ・オデイ(vo) 『This Is Anita』

Amazonで詳細を見る
アニタ・オデイ(vo) 『This Is Anita』

 ジャズボーカル入門に本盤などはどうか。なんといってもアニタの代表的名唄「バークリー・スクウェアのナイチンゲール」が収められている。このロマンチックで美しい曲を足がかりとして、スタンダードナンバーを堪能していただきたい。アニタが若い頃のじゃじゃ馬娘のような歌い方には好き嫌いもあろうが、本盤ではしっとり落ちついた歌唱、内容も充実しており老若男女誰にでも強くお勧めできる。紙ジャケあり ★★★★★

続きを読む "アニタ・オデイ(vo) 『This Is Anita』"

 ジョー・ヘンダーソン(ts) 『Our Thing』

ジョー・ヘンダーソン(ts) 『Our Thing』

 『ページ・ワン』に続くジョー・ヘンダーソン二枚目のリーダー作。相方がドーハムとくれば、オーソドックスな二管ハードバップかとの予想はあっさり裏切られる。たとえば[1]はブルースナンバーだが、ただのブルースにあらず。モーダルで斬新なサウンド。キーマンはアンドリュー・ヒルだ。彼のピアノが全体のムードを一変させてしまう。ヒルとジョーヘンは'63年当時、ブルーノートが最も力を入れて売り出し中の新人だった。[1]でのソロが出色のでき。 ★★★☆☆

続きを読む "ジョー・ヘンダーソン(ts) 『Our Thing』"

 ジャッキー・マクリーン(as) 『One Step Beyond』

ジャッキー・マクリーン(as) 『One Step Beyond』

 「フランケンシュタイン」だの「ゴースト・タウン」だの不気味なタイトルのオリジナル曲からもわかるように、新主流派に身を投じたマクリーンの意欲作。マクリーンという人は元々新しいものが好きなんだろう。古い殻を脱ぎ捨てたように溌剌としたプレイを聴かせる。忘れてならないのが神童トニー・ウイリアムスの参加。彼の猛烈な勢いのドラミングにバンド全体が乗せられて傑作が生まれた。すぐさまマイルス・デイヴィスはトニーを引き抜きにかかる。マクリーンのリーダー作で一番好きなのはこれだ。 ★★★★★

続きを読む "ジャッキー・マクリーン(as) 『One Step Beyond』"

 モダン・ジャズ・カルテット 『Concorde』

モダン・ジャズ・カルテット 『Concorde』
 今ではもう馴れたけど、「朝日のようにさわやかに」という邦題がジャズのイメージとなかなか結びつかなかった。「ジャズは朝日のようにさわやかな音楽じゃないだろう」と、ジャズ初心者の頃のわたしはどうにも納得できなかった。「Softly」だからいっそのこと「朝日のようにやわらかに」にでも改題してくれないものか。本盤の[5]だって、名演には間違いないが決して「さわやか」な演奏じゃない。『ジャンゴ』に続くMJQの古典にして代表作のひとつ。特にジョン・ルイスの粘るピアノはバッキングも含めて必聴の素晴らしさ!  ★★★★★

続きを読む "モダン・ジャズ・カルテット 『Concorde』"

 ミルト・ジャクソン(vib),ウエス・モンゴメリー(g) 『Bags meets Wes!』

ミルト・ジャクソン(vib),ウエス・モンゴメリー(g) 『Bags meets Wes!』

 「渋いッ!」一曲目「S.K.J.」が終わったと同時に、当店のお客さんがそう叫んだ。それは酒を飲んだときに「うまいッ!」と叫ぶニュアンスに酷似していた。そう、じつに渋いのだ。[1]はウォーミング・アップ的なブルースで、ウエス、ウイントン、ミルトの順で、2コーラスづつソロがあてがわれる。先発のウエスはいきなりオクターブ奏法で入ってきて、2コーラス目にコードを「ジャーン」と鳴らすが、すかさずフィリー・ジョーのブラシがシンバルを叩いて反応する。「ぷっしゅ~~ん」二度目は決まるが三度目は空振り、しかし、そこがまた渋いッ!輸入盤あり ★★★★

続きを読む "ミルト・ジャクソン(vib),ウエス・モンゴメリー(g) 『Bags meets Wes!』"

 マイルス・デイヴィス(tp) 『Workin'』

Amazonで詳細を見る
マイルス・デイヴィス(tp) 『Workin'』
輸入盤あり

 初恋のときめきを語るようにバラードの[1]が胸に迫ってくる。いいなあ。世界一のグループが演奏した最高のジャズがここにある!前半(A面)と後半(B面)の最後にエンディング用の「テーマ」が演奏され、擬似的に2セットのステージが楽しめるようになっている。演奏が素晴らしいのは勿論だが、マラソン・セッションを4枚のレコードに分けて、年に一枚づつ発表していったプレスティッジのプロデューサー、ボブ・ワインストックのセンスも凄い。決して買って後悔することのない傑作。  ★★★★★

続きを読む "マイルス・デイヴィス(tp) 『Workin'』"

 ソニー・ロリンズ(ts) 『Alfie』
Amazonで詳細を見る
ソニー・ロリンズ(ts) 『Alfie』

 '65年のパラマウント映画『アルフィー』のために書いたロリンズのスコアを、オリバー・ネルソンが編曲指揮した興味深い作品。ファンキーでかっこいい「アルフィーのテーマ」が全編にモチーフとして使われているが、よくある映画音楽のサントラ風でなく、ストレートなジャズ作品として初心者にも十分楽しめる。きっと気に入ると思うので、聴いたことのない方は是非試聴してみて欲しい。[1]でロジャー・ケラウェイの弾くボビー・ティモンズばりのピアノソロがいい。国内盤あり ★★★★

続きを読む "ソニー・ロリンズ(ts) 『Alfie』"

 シェリー・マン(ds) 『2 3 4』


シェリー・マン(ds) 『2 3 4』

 さすがに最近はやらないが、一時期、凄い音を聴かせて人を驚かしては喜んでた時期があって、そのネタの一つとして本盤の[5]をストックしておいた。もうもうと砂塵を巻き上げるような凄まじいブラシさばきが迫力満点!結局一度もこれで驚かす機会はなかったのだが(笑)『2 3 4』とは、デュオ、トリオ、カルテットでの演奏がそれぞれ収められていることを意味する。得意のブラシは勿論、スティック、マレットと、多彩な技が網羅されている。[2]と[4]でエディ・コスタが好演。 ★★★★

続きを読む "シェリー・マン(ds) 『2 3 4』"

 「A&Vヴィレッジ」2005年7月号発売

続きを読む "「A&Vヴィレッジ」2005年7月号発売"

 エディ・コスタ(p) 『The House Of Blue Lights』

エディ・コスタ(p) 『The House Of Blue Lights』
 がんがん低音を響かせ、まるで打楽器のようにピアノを弾く奏法で、古くからオーディオマニアにも人気の高いエディ・コスタの『ハウス・オブ・ブルー・ライツ』。ドラキュラ城のようなジャケットが、表題曲[1]のおどろおどろしい曲想にマッチしている。耳から手ェ突っ込んで奥歯ガタガタいわしたろか的な演奏。コスタはタル・ファーロウとの共演が有名だが、シェリー・マンのインパルス盤『2.3.4』にも参加しており、ピアノのみならずヴィブラフォンの腕前も披露している。 ★★★★

続きを読む "エディ・コスタ(p) 『The House Of Blue Lights』"

 長谷川朗(ts) 『In This Case』


長谷川朗(ts) 『In This Case』

 当店のお客様が勤める会社「Bass On Top」がジャズCDをリリースするという。サンプル盤を頂戴した。NY在住のテナー奏者・長谷川朗のデビュー作。一曲目を聴いて「おっ、なかなか良いじゃん♪」と嬉しくなってしまった。テナーらしい図太いトーンとゴツゴツつんのめる感じのフレ-ジング。まるでソニー・ロリンズのようだが、より洗練され、NYの都会的なセンスを感じる。とても日本人が大阪で録音したとは思えない(笑)こちらがレコーディング風景。 ★★★☆☆

続きを読む "長谷川朗(ts) 『In This Case』"

 ベニー・グリーン(tb) 『Soul Stirrin'』


ベニー・グリーン(tb) 『Soul Stirrin'』

 のっけから「バブドゥイドゥドゥヴィウンドゥンウーウィ♪」と、ブルーノートにしては異例とも思えるスキャットに面食らう。絶好調のプレイを聴かせるジーン・アモンズは、当時プレスティッジ・レーベルと専属契約を交わしており、本盤には"JUG"という変名で参加。白人テナーのビリー・ルートと共に、2テナー、1トロンボーン+リズムセクションと、変則的な編成。よりファンキーかつアーシーな雰囲気が充満する。ベストトラックはエルヴィン・ジョーンズのドラミングも素晴らしい急速調のバップ曲[2]か、いや、バラードの[4]も良い。 ★★★☆☆

続きを読む "ベニー・グリーン(tb) 『Soul Stirrin'』"

 「ブランジュリ・タケウチ」のパンに驚く

続きを読む "「ブランジュリ・タケウチ」のパンに驚く"

 ジーン・アモンズ(ts) 『Bad! Bosa Nova』
Amazonで詳細を見る
ジーン・アモンズ(ts) 『Bad! Bosa Nova』

 ボサノヴァも”ボス・テナー”の異名を持つジーン・アモンズが演ると、水辺から離れ、幾分蒸し暑く、土着的でソウルフルな雰囲気。肉汁したたるステーキのようだ。不思議なベースラインが延々とリフレインする合間を、縫うようにアドリブが展開する[2]が本盤のハイライト。旋律の随所にアフリカへの郷愁が感じられる。ピアノのハンク・ジョーンズが好サポート。ジメジメする梅雨どきに聴きたい。 ★★★☆☆

続きを読む "ジーン・アモンズ(ts) 『Bad! Bosa Nova』"

 響く部屋も良し悪し

続きを読む "響く部屋も良し悪し"

 ティナ・ルイス(vo) 『It's Time For Tina』


ティナ・ルイス(vo) 『It's Time For Tina』

 ちょっと待てい。FROM USの輸入盤に、なぜ日本語のオビが着いているのか。しかも2200円と値段が写っているではないか。国内では既に廃盤。逆輸入プレミア価格だろうか?この値段は高すぎる。たしかに本盤は人気がある。ジャケットの可愛らしさ、美しさはジャズボーカル随一。囁くようなバラード集で、バックにタイリー・グレンやコールマン・ホーキンスがついてると言われれば、ジャズファンならずとも食指が動く。内容も立派なものだが血眼になるほどじゃない。再発を待て。 ★★★☆☆

続きを読む "ティナ・ルイス(vo) 『It's Time For Tina』"

 アート・ペッパー(as) 『Mucho Calor』
Amazonで詳細を見る
アート・ペッパー(as) 『Mucho Calor』

 「ムーチョ」は「とても」とか「すごく」を意味するらしい。「ベサメ・ムーチョ」は「とっても好き」ということで、「カラムーチョ」は「辛すぎる」??では本盤のタイトル「ムーチョ・カラー」は?この「Calor」は「カロリー」つまり熱量を意味するようだ。つまり「すんごく暑いわぁ」ってことか。[1]の前奏を、「なんだこの古臭い音楽は?」と聴いてると、ぺッパーのアルトが登場した途端にそんな思いは吹っ飛んでしまう。ラテンパーカッションを配した企画盤。ジャケットもお洒落ムーチョ! ★★★☆☆

続きを読む "アート・ペッパー(as) 『Mucho Calor』"

 McIntosh C34Vの修理が完了

続きを読む "McIntosh C34Vの修理が完了"

 靱公園のランチ

続きを読む "靱公園のランチ"

 ローズマリー・クルーニー(vo) 『A Touch Of Tabasco』
Amazonで詳細を見る
ローズマリー・クルーニー(vo) 『A Touch Of Tabasco』

 ああ、いかんなあ、こういうのを時々かけるからお客さんの方から「これはジャズですか?」とチェックが入る。いえ、ジャズではありません。わたしが好きなだけです(笑)いや、しかしこんなに素晴らしい作品をジャズでないというだけで黙っておれようか。なんといっても”マンボの王様”ペレス・プラードとローズマリー・クルーニーの競演である。珍しいだけでなく内容も良い。どの曲も素晴らしく、ドッシーーン!と来る迫力のサウンドに痺れまくる。とにかく痛快!誰彼構わず耳たぶを引っ張って大音量で聴かせてあげたい。ぁ"~ウーッ!!★★★★

続きを読む "ローズマリー・クルーニー(vo) 『A Touch Of Tabasco』"

 セロニアス・モンク(p) 『Brilliant Corners』

セロニアス・モンク(p) 『Brilliant Corners』

 特異な奏法と、その延長線上に特異なオリジナル曲をたくさん書いた”バップ高僧”セロニアス・モンクの代表作のひとつで、本作のヒットによりモンクの名声は不動のものとなった。奇異な印象のメロディラインをソニー・ロリンズらフロント陣に受け持たせた、堂々たるハードバップの傑作。私的にはピアノソロの[4]が最高に好き。これはモンクのオリジナルではないが、オリジナル以上にモンクの資質に合っている、まるでモンクのために書かれた曲のよう。決してモンクに歌心がないわけではないのである。 ★★★★★

続きを読む "セロニアス・モンク(p) 『Brilliant Corners』"

 グラント・グリーン(g) 『The Latin Bit』
Amazonで詳細を見る
グラント・グリーン(g) 『ザ・ラテン・ビット』

 グリーンは泣きのメロディで聴かせるギタリスト。当然ながらラテンとの相性が良い。そこで丸々一枚ラテンをテーマに吹き込んだのが本作だ。ラテンとはいえ、そこはブルーノートであるからモダンな感覚。ピアノ、ベース、ドラムスに加えて二人のパーカッションがバックを務める。[2]や[5]など哀愁のメロディは得意中の得意。「トゥーン」と沈み込むコンガの音色が気持ち良い。[4][6]も、聴けば「ああ、あれか」と耳に憶えのある有名曲で親しみやすい。(”Rudy Van Gelder Edition”のこの盤には1961年録音とクレジットされているがおそらく'62年が正しい) ★★★★

続きを読む "グラント・グリーン(g) 『The Latin Bit』"

 アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『Caravan』

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『Caravan』

 3管でモーダルなサウンドを狙ったジャズ・メッセンジャーズの人気盤。音楽監督は勿論ウエイン・ショーター。リー・モーガン、ボビー・ティモンズ在籍時とは一味違ったスマートな音作りが魅力。御大ブレイキーの迫力あるドラムサウンドを念頭に置いたアレンジがなされており、持ち味の豪快さは健在だ。全編で聴かれるフレディ・ハバードのトランペットがムチャクチャうまい!!テレビ番組「情熱大陸」で[1]のイントロがチラッと流れて、何の曲だったかと二時間くらい悩んだことがある(笑) ★★★☆☆

続きを読む "アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ 『Caravan』"

 マル・ウォルドロン(p) 『MAL-1』

マル・ウォルドロン(p) 『MAL-1』

 情念のピアニスト、マル・ウォルドロンの初リーダー作。一聴よくある普通の2管ハードバップかと思ったら、随所にコールタールのようなどろりとした独特のタッチが見られる。極めつけは[2]。メロディラインを崩して演奏されることの多い有名なバラード曲を、まるでオリジナル曲のようにアンサンブルのテーマとして料理している。ピアノソロからアルトへの引き継ぎが見事だ。一度この曲をJJ工房でかけたことがあるが、約8分間、参加者全員が身動ぎもせずに聞き入ってた。[4]におけるマルのソロも素晴らしい。 ★★★☆☆

続きを読む "マル・ウォルドロン(p) 『MAL-1』"

« May 2005 | メイン | July 2005 »