ジェリー・マリガン(bs),ベン・ウェブスター(ts) 『Gerry Mulligan Meets Ben Webster』


ジェリー・マリガン(bs),ベン・ウェブスター(ts) 『Gerry Mulligan Meets Ben Webster』

 ジャズのレーベルにもブランドイメージがあり、たとえば迫力があって厳めしい感じのするブルーノート。カラッと乾いたカリフォルニアの空気のようなコンテンポラリーなど。プロデューサーの個性を反映するのだろうか、ヴァーヴは常に微笑をたたえているように感じる。本盤もノーマン・グランツらしい、くつろぎと気品に満ちたヴァーヴ作品。『Getz Meets Mulligan in Hi-Fi』とも共通するコクのあるウッディなサウンド。ビンテージスピーカーで聴いてみたい。 ★★★★

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 マイルス・デイヴィス(tp) 『Collector's Items』
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マイルス・デイヴィス(tp) 『Collector's Items』

 「コレクターズ・アイテムズ」とは、よくできたタイトルだ。前半がべろべろに酔っ払ったチャーリー・パーカーを含む'53年のセッション。パーカーのやる気のなさが祟ってか、全体に粗い印象だ。一方後半'56年3月のセッションは、もうさすがというべき完成度の高さ。ロリンズとトミフラの絡みは4ヶ月後の大傑作『サキソフォン・コロッサス』を彷彿とさせる。マイルスとしても、この頃は既にレギュラー・クインテットを結成しており、その合間に全盛期のロリンズらと共演した貴重な録音。 ★★★★

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 デイブ・ブルーベック(p) 『Time Out』


デイブ・ブルーベック(p) 『Time Out』

 かつてタケダ薬品の「アリナミンVドリンク」のCFに使用され、美しく印象的なポール・デスモンドの旋律により、一躍”日本一有名なジャズ曲”となった本盤の「テイク・ファイブ」。しかし、あれからもう20年近い月日が流れているから、意外と今の大学生なんかは知らないかもしれないと考えると恐ろしい。『タイム・アウト』なるタイトルは変拍子をテーマにした作品ゆえ。誰でも知ってるというだけじゃなく、内容も録音もすこぶる良い。個人的には[2]が一番好き。 ★★★★

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 リー・モーガン(tp) 『Here's Lee Morgan』

リー・モーガン(tp) 『Here's Lee Morgan』

 ジャズのCDにはつき物の”別テイク”や”ボーナストラック”。「あるほうがいい」「いや、オリジナルのままで出すべき」と意見が分れる。ならば本盤のようにオリジナル・イシューと別テイク集二枚に分ければよい。まずはオリジナルの一枚目をしっかり聴き込んだ後に二枚目を聴くと、あの名アドリブの前にこのような試行錯誤があったのかと感心する。ウイントン・ケリーがちょっとスイングさせ、それに続いてジョーダンもリズミカルなソロを放つ「I'm A Fool To Want You」のテイク2が面白い。 ★★★☆☆

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 ハービー・ハンコック(p) 『Speak Like A Child』

ハービー・ハンコック(p) 『Speak Like A Child』

 『処女航海』に次ぐハンコックの人気盤。3管を配した緻密なアレンジが聴かれるが、ホーンプレーヤーによるソロはなく、ハンコックのピアノを引立てる装飾譜として使用される。全体を包む叙情的、幻想的なイメージは「処女航海」の延長線上にありながらも、より洗練され、他に類を見ないスマートな音楽に仕上がっている。[3]と[6]はピアノトリオによる演奏。ミッキー・ローカーの切れ味鋭いドラミングも聴き所のひとつ。 ★★★★

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 関西ハイエンドオーディオの牙城・鎌谷宅訪問記

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 FMアコースティックスの場合

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 スティーブ・レイシー(ss) 『Soprano Sax』

スティーブ・レイシー(ss) 『Soprano Sax』

 スティーブ・レイシーの初リーダー作。後年、フリージャズに傾倒するレイシーも、この頃('57年)はストレートに瑞々しいソプラノを吹いている。歯切れ良くしかも伸びやかなノンビブラートの音色が美しい。音域こそ違うが、フレージングにはソニー・ロリンズの影響が強く感じられる。エリントンナンバーの[1],[4]、セロニアス・モンク作の[3]、残りがスタンダード曲という構成。カリプソ調の[5]はジャマイカ出身のピアニスト、ウイントン・ケリーのショーケースだ。 ★★★☆☆

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 新説:CDのエッジをポスカで塗ると何故音が変わるのか

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 ウエイン・ショーター(ts) 『Et Cetera』

ウエイン・ショーター(ts) 『Et Cetera』

 これも未発表作品で、ブルーノートがアルフレッド・ライオンの手を離れ、リバティ傘下に吸収されたのち発表になった。ジャケットデザインもオリジナル盤よりCDのほうが断然カッコイイので、無理してアナログを探すより素直にCDを買うほうが賢明である。さて、本盤は是非ともショーターと、ドラムのジョー・チェンバースの掛け合いを傾聴するべし。表題曲[1]のドラムソロのカッコイイこと!そしてクライマックスは呪術によってメラメラと燃えあがる炎のような[5]。『アダムズ・アップル』より前の録音で、メンバーも殆ど同じだが、こちらのほうが進歩的かつダイナミックに思える。 ★★★★

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 水分を含んだ空気がゆっくり移動すると音がいい

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 ウイントン・ケリー(p) 『Piano』

ウイントン・ケリー(p) 『Piano』

 マクリーンが早退したかと思えば、本盤ではフィリー・ジョー・ジョーンズ遅刻のため4曲はドラム抜き。まったくジャズとはええかげんな世界である。しかし、演奏は素晴らしいから文句もない。初めてJBL4343で本盤をかけたときの衝撃はいまだに忘れられない。[2]におけるポール・チェンバースのアルコ!これはタマゲタ!なんというか、音が「体当たり」してくるのだ!それまで本当の意味でホーンスピーカーの、JBLの凄さがわかってなかったのだと思う。ケニー・バレルのギターの音色もいい。輸入盤あり ★★★★

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 オーディオ人

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 ティナ・ブルックス(ts) 『Minor Move』

ティナ・ブルックス(ts) 『Minor Move』

 '80年代まで未発表だった豪華メンバーによる幻のセッション。ティナ・ブルックスのテナーは、ロリンズに代表されるような太く逞しいスタイルではなく、くねくねと落ち着きがなくてフレーズの最後まで息が続かない。いや、これはわざとそうしてるに違いない。このアロハを着たチンピラのような軟派っぽいトーンで、まるで演歌のようにコブシを転がす。『オープン・セサミ』の人気の秘密はブルックスのテナーにあると見た。日本国内にこの人の隠れファンが多い。リー・モーガンも好演。 ★★★☆☆

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 ケニー・ドーハム(tp) 『Quiet Kenny』
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ケニー・ドーハム(tp) 『Quiet Kenny』

 邦題『静かなるケニー』として有名なドーハムの代表作であるとともにモダンジャズ決定盤のひとつ。題名ほど静かなるレコードでもない。[1]は弾け飛ぶアート・テイラーのドラミングが見事なハードバップ。静かなのは演奏ではなく、ドーハムのへしゃげたトーン。クリフォード・ブラウンのような輝かしい派手さこそないが、まるでブリキのラッパのように暖かな音色。[6]や[7]などの佳曲も絶妙の節回しで聴かせる。ここでもやはりトミフラが良い味を出している。輸入盤あり ★★★★★

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 ハービー・ハンコック(p) 『Empyrean Isles』

ハービー・ハンコック(p) 『Empyrean Isles』

 ハービー・ハンコックのリユニオン・バンドであるV.S.O.P.クインテットそのままのメンバーでのレコーディングというのが意外に無い。本盤もV.S.O.P.からウェイン・ショーターが抜けたカルテット編成だ。'93年にヒップホップグループUS3がグルービーな[3]をサンプリングに使って再注目された。[4]は組曲のような実験的な作品。それに比べると前半2曲はオーソドックスだが、いやあ、このメンバーじつにうまい![1]にフレディ、[2]にハービーの真骨頂を見る思いがする。 ★★★★

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 ブッカー・リトル(tp) 『Booker Little And Friend』

ブッカー・リトル(tp) 『Booker Little And Friend』

 ブッカー・リトルのいとこはルイス・スミスだそうだ。親戚同士でこれほど素晴らしいトランペッターが居るというのも驚異である。リトルをジャズの世界に引きずり込んだのが本盤にも参加しているテナーのジョージ・コールマン。そのためか二人の資質はとてもよく似ているように思う。大きな枠で括れば”新主流派”ということになるが、二人とも吹奏スタイルは伝統的で、しかも音楽的には新しい方向を模索していた。[4]を除く全てリトルのオリジナルで、全員が意気盛ん。特に白人ピアニストのドン・フリードマンが渋い! ★★★☆☆

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 新品という名の幻想

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 壊れる

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 風呂場に口紅で落書きしたら怒られる

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 もしも自分の一生を録画できたなら

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 ジョニー・ハートマン(vo) 『All Of Me - The Debonair Mr.Hartman』

ジョニー・ハートマン(vo) 『All Of Me - The Debonair Mr.Hartman』

 「Debonair」とは「愛想の良い」とか「礼儀正しい」、「慇懃な」という意味だから、「The Debonair Mr.Hartman」とくればイメージが湧いてくるだろう。ストリングスとオーケストラをバックにキャピトル・レーベルのナット・キング・コールを手本にしたようなゴージャスな仕上がりになっている。ジョン・コルトレーンとの共演盤を聴いて、甘いバリトンの唄声に痺れた人なら本盤もきっと気に入るだろう。バラードだけでなく適度にスインギーな曲も挟んであってダレずに聴ける。[6]のクールな節回しがいい。 ★★★★

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 カンチレバー細すぎ!さん来店

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 チャーリー・パーカー(as) 『Jam Session』


チャーリー・パーカー(as) 『Jam Session』

 オリジナル盤ではチャーリー・パーカー名義でなく、単に”JAM SESSION”となっている。その名の通りプロデューサーのノーマン・グランツが集めたJ.A.T.P.メンバーによるゴキゲンなジャムセッション。なぜか[1]の曲名も「JAM BLUES」だったのが「J.A.T.P. Blues」に変わってる。ジャズは個性の音楽だというが、こうしてパーカー以下、次々に登場するリード奏者のプレイを聴くと、じつに個性的で変化に富んでいる。鬼のようにパワフルなウェブスターのテナーと打って変わって、軽ぅ~く出てくるホッジスのアルトが素晴らしい。 ★★★☆☆

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 ダイナ・ショア(vo) 『The Best of Dinah Shore』


ダイナ・ショア(vo) 『The Best of Dinah Shore』

 キャピトル・レーベル時代の音源を集めたベスト盤である。ジャズと呼ぶにはあまりにポピュラーソングのようだし、見ての通りジャケットもなんてことない。しかしながら最初から最後の曲まで一気に聴かされてしまうこの心地よさ。本盤を聴いてたら、わたしの父がやってきて、そのまま最後まで一緒に聴いていた。そして一言、「このCD貸してくれ」。ジャズファンも、そうでない人も夢の世界に連れて行ってくれる。[4]はかつて関西のAMラジオ番組「フレッシュ9時半キダ・タローです」のテーマソングだった。 ★★★☆☆

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 ボビー・ティモンズ(p) 『This Here Is Bobby Timmons』

ボビー・ティモンズ(p) 『This Here Is Bobby Timmons』

 ティモンズ作曲の有名曲[1],[2],[6],それに加えて有名スタンダード[3],[4],[5],[7],[8]と、サービス精神旺盛な選曲。なんとなく軽い印象があって長い間ほったらかしにしてた。ひさびさに聴いていると良いではないか!(笑)さすがに重厚なジャズ・メッセンジャーズの名演と比べると、若干小ぢんまりした感はあるが、ピアニストとしてのティモンズが十分に堪能できる。御大アート・ブレキーとマイルス・バンド在籍中だったジミー・コブのドラミングを聴き比べるのも面白い。 ★★★★

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