ウエス・モンゴメリー(g) 『Smokin' At Half Note』


『ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウイントン・ケリー・トリオ』

 前半はクラブ”ハーフ・ノート”でのライブ、後半がエングルウッド・クリフのヴァン・ゲルダー・スタジオでの録音。マイルス・バンド在籍中、ケリーの十八番だった「ノー・ブルース」でのウエス、ケリーのソロが圧巻。ピアノソロが終わり、ベースソロに突入する合間に、さりげなくゴスペル調のブロックコードを鳴らすところがなんともカッコイイ!そして名盤『インクレディブル・ジャズ・ギター』からの再演[4]。比較的ドラムソロで目立つことの少ないジミー・コブが、これまた渋いブラシさばきを披露。前者もよかったが、本盤のこのトラックも甲乙つけ難い。渋好みの人にお勧め。国内盤あり ★★★★

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 アート・ペッパー(as) 『Modern Art』

アート・ペッパー(as) 『Modern Art』

 『ミーツ・ザ・リズムセクション』がペッパーの表名盤だとすれば、本作は裏名盤。超マイナーレーベル”イントロ”の入手困難度と内容の素晴らしさから、マニアが血眼になって探した所謂”幻の名盤”。CD化に伴い曲順が変更されているが、レコードではベースだけをバックにあざやかなアドリブを繰り出す「ブルース・イン」に始まり、同じくベースのみ伴奏の「ブルース・アウト」で終わる。つまり、かつて本作を欲しがっていたマニアは、派手なスタンダード曲よりもアドリブ演奏の素晴らしさに痺れたのだと想像する。マイナーなら何でも喜ぶほどジャズファンは暇じゃない。ピアノのフリーマンも好演。 ★★★★★

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 「A&Vヴィレッジ」1月号発売

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 オーディオのチューニングはどのようにして合わせるか?

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 クラシックとジャズではチューニングが違う

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 Amazon.co.jp ブルーノートが安すぎ!¥980

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 ソニー・ロリンズ(ts) 『Moving Out』


ソニー・ロリンズ(ts) 『Moving Out』

 [1]、[2]と急速調が2曲続く。相方が名手ケニー・ドーハムとあってか、ロリンズとしては異例ともいえるスタッカートの効いた正確なフレージングで圧倒する。[3]になると、もう完全にロリンズの世界。”ロリンズ節”がそのまま曲になったような美しいバラードだ。そして本盤のもうひとつの目玉がセロニアス・モンクとのセッション[5]。モンクの作り出すゴツゴツした空間を縫うように繰り出すロリンズのアドリブはまさに横綱相撲。甘さに流れないこのバラードがあることで、一層本盤の輝きが増している。 ★★★★

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 チコ・ハミルトン(ds) 『Chico Hamilton Quiintet』

チコ・ハミルトン(ds) 『Chico Hamilton Quiintet』

 前半5曲がスタジオ録音、残りの5曲がライブ。日本盤のタイトルにもなっているエキゾチックな[3]が特に有名。西田佐知子の「コーヒー・ルンバ」の元ネタはこの曲ではないか?ピアノがなく、チェロやフルートなど少々イレギュラーな編成で、なかでもマルチリード奏者バディ・コレットの多彩なプレイが光る。考えすぎの小ぢんまりした音楽でなく、西海岸の明るく自由闊達な雰囲気が伝わってくる。[9]のブルースで、コレットが吹くアルトがじつに素晴らしい。 ★★★★

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 オーディオのチューニングは「合わせる」もの

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 ジューン・ハットン(vo) 『Afterglow』

ジューン・ハットン(vo) 『Aftergrow』

 ハットンは元パイド・パイパーズの紅一点で、ジョー・スタッフォードの後釜として迎えられた人。パイパーズ在籍中に、あの名曲「ドリーム」をヒットさせている。本作も男声コーラスとストリングス入りオーケストラをバックに、エレガントな歌声を聴かせてくれる。全編を通して緩やかなリズムが心地よい。まるでメドレーを聴いているようだ。美しいジャケットでオリジナル盤の人気も高い。就寝前に30分ほど時間が取れたなら、是非ともこれを聴いていただきたい。安らかにぐっすり眠れること請合いである。 ★★★★

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 ビル・エヴァンス(p) 『Waltz for Debby』

ビル・エヴァンス(p) 『Waltz for Debby』

 本盤の「マイ・フーリッシュ・ハート」を聴いて、ちっとも「美しい」と感じない人が居たとしたら、一度お医者さんに診てもらったほうがいい。これこそ世界で一番美しいピアノ・トリオ演奏だ。ところがあるとき、友人宅にあったこのCDをミニコンポで聴いたら、困ったことにちっとも美しいと思わなかった。レコードならどんな安物コンポでも美しいと感じるのに。医者に行くのはイヤなので怖くてこのCDは買えやしない。このヴィレッジ・ヴァンガードでのライブの模様を完全収録した『コンプリート・ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード1961 』もあるが勿論怖すぎてわたしには買えない。 ★★★★★

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 ジミー・スミス(org) 『A Date With Jimmy Smith Vol.2』


ジミー・スミス(org) 『A Date With Jimmy Smith Vol.2』紙ジャケ
通常盤

 黒人音楽によく使われる似通った形容詞の”ファンキー”と”グルーヴィ”、わたしの勝手な解釈であるが、その時間の長さによって使い分けられる気がする。前者がフレーズの黒っぽさを指すのに対し、後者は何度も繰り返されるリズムのうねりを称する。よって、1分の”グルーヴィな演奏”というのは存在しない。10分くらい演って、はじめて「おお、グルーヴィやんけ」となる。プロデューサー・アルフレッド・ライオンが、スミス以下のオールスターと録音技師のヴァン・ゲルダーまでも引連れて、マンハッタンタワーのスタジオで行ったジャム・セッション。初っ端の「スコッ!」とヌケるブレイキーのスネアの音からしてもうファンキー!『同Vol.1』 ★★★★

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 コール・ポーターの伝記映画 『五線譜のラブレター De-Lovely』

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 ウエス・モンゴメリー(g) 『Full House』


ウエス・モンゴメリー(g) 『Full House』

 わたしが最初に買ったジャズのレコードがこれだった。中古盤で、曲もミュージシャンにも、何の予備知識もなく、ただ「ジャケットがカッコイイな」というだけで購入。今から考えれば、よくもまあ最初からこれほどの傑作を引き当てたものだなと我ながら感心する(笑) ライブレコーディングで、各人のソロが終わる度に拍手と歓声が巻き起こる。「ジャズというのは、曲の最中に騒いだり拍手したりするものなのか」と、不思議に思ったものだ。そりゃあこれほどのプレイを聴かされたら、曲が終わるまで待てないのも無理はない。 ★★★★★

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 オスカー・ピーターソン(p) 『Oscar Peterson Trio Plays』

オスカー・ピーターソン(p) 『Oscar Peterson Trio Plays』

 わたしがジャズを聴き始めてまだ間もない頃、本盤に入ってる「サテン・ドール」に感激して、神戸のとあるジャズ喫茶で「サテン・ドールをかけてください」とリクエストした。そこのマスターは親切に3曲ほど別のミュージシャンが演奏した「サテン・ドール」を聴かせてくれた。残念ながら本盤に勝るものはなく、曲がよければすべての演奏が良いわけではないのだなと、薄汚れた革ジャンを着込んだ少年は学んだのだった。数年後、独立開業して幾分羽振りがよくなった青年は、ラルフ・ローレンのスーツでキメて、そのジャズ喫茶に立ち寄ったが、なんだかわけのわからないフリージャズをかけられて撃退された。ジャズ喫茶のマスターは金持ちが嫌いなのだろうか。 ★★★★

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 コールマン・ホーキンス(ts) 『Hawkins! Alive! At The Village Gate』

コールマン・ホーキンス(ts) 『Hawkins! Alive! At The Village Gate』

 一時期、高音質アナログ盤が出まわったせいか、オーディオマニアのお宅でかかることも多い。わたしにとってホーキンスのテナーのイメージは「こわいおじいちゃん」である。柿の木によじ登ろうとしてたら「コラー!」と箒持って出てくるような。ところが本盤のホーキンスはあまりこわくない。にこやかである。ライブでお客さんが居るせいか。トミフラも好演、[4]のメイジャー・ホリーのハミングしながらのベースソロのあとに出てくる骨っぽいテナーの咆哮は素晴らしく感動的だ。 ★★★★

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 サド・ジョーンズ~メル・ルイス オーケストラ 『Central Park North』


サド・ジョーンズ~メル・ルイス オーケストラ 『Central Park North』

 名手サド・ジョーンズとメル・ルイスが中心となって編成されたバンドではあるが、特にこの二人がでしゃばっているわけではない。アレンジはサドが担当。のっけから16ビートのファンキーなリズムが派手に展開する。当時としてはモダンな感覚のビッグバンドで、わたしなんか単純にカッコイイ!と、思ってしまう。ノリノリで踊れるジャズ。リズム&ブルースやソウル・ミュージックが好きな方に強くお勧めしたい。記憶違いでなければ[4]は深夜ラジオの「オールナイト・ニッポン」で昔よくかかってた気がするのだが。 ★★★☆☆

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 ソニー・スティット(as) 『Sonny Stitt With The New Yorkers』

ソニー・スティット(as) 『Sonny Stitt With The New Yorkers』

 本盤をかける頻度はかなり高いから、当店で聴いたことがある方もあるかもしれない。ゴリゴリに吹きまくるスティットのアルト、図太い音色がスカッとヌケるかどうか、オーディオシステムのチェックに使うことも多い。録音の仕方を含め、印象がチャーリー・パーカーの『ナウズ・ザ・タイム』によく似てる。もしわたしにアルトが吹けるなら、是非ともこんな痛快なフレーズが吹いてみたい。ちなみに[7]には「粋な噂を立てられて」という邦題があったのが改定されたようだ。こういう粋な邦題なら大歓迎なのだが。 ★★★★

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 ケニー・ドリュー(p) 『Kenny Drew Trio』


ケニー・ドリュー(p) 『Kenny Drew Trio』

 最近ケニー・ドリューに凝っている。ケニー・ドーハムの『Whistle Stop』でも、じつに渋い”いぶし銀”のようなピアノを弾いていて、まったくあらためて痺れてしまった。本作はその『Whistle Stop』から遡ること四年前、同じリズムセクションで入れたピアノトリオ。まだこの頃はバド・パウエルの影響が強いが、独特の黒々としたタッチも散見される。特にモンク作のバラード曲「ルビー、マイ・ディア」はエレガントかつファンキー。これはホントに素晴らしいなあ。 ★★★★

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 ミルト・ジャクソン(vib) 『Opus de Jazz』

ミルト・ジャクソン(vib) 『Opus de Jazz』

 これもブルースだ。だから何なんだって言われても困るが、凄い。素晴らしい。冒頭「オパス・デ・ファンク」で13分22秒、ミルト、フランク、ハンクの順で延々とソロを繰り返す。最初から気持ちイイに決まっているのだが、エディ・ジョーンズの極太ウォーキング・ベースがぶんぶん唸るなか、ちょっと強くなったり、弱くなったりしながらエクスタシーへと達する。物凄い快感である。何度踊っても踊り飽きない「河内音頭」みたいなもんだ。ハンク・ジョーンズがブロックコードでミルトを盛り上げるバッキングのつけ方がなんともカッコイイ。 ★★★★

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 アート・ペッパー(as) 『Intensity』


アート・ペッパー(as) 『Intensity』

 チャーリー・パーカーがへべれけになりながら残した名バラード「ラヴァー・マン」にちょうど相当するのが、本作での「降っても晴れても」。短いながらも渾身の力が込められた名演だ。天才の名を欲しいままにしたペッパーもすでに盛りの時期は過ぎ、他のアップテンポ曲でも、「さすが!」と思わせる局面は何度も出てくるが、いかんせん先が続かない。がんばれペッパー!とハラハラしながら聴いてしまう。ペッパーを温かく盛り立てるリズムセクションは絶好調。 ★★★★

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 ハロルド・アシュビー(ts) 『What Am I Here For?』

ハロルド・アシュビー(ts) 『What Am I Here For?』

 寺島靖国さんの文章は好きだが、わたしとはジャズの好みが180度違う。氏が好きな盤は大抵わたしが嫌いで、わたしの好きな盤を氏は貶すから面白い。本盤は、「まるごと一冊寺島靖国」や「寺島流 JAZZの聴き方」で、アキュフェーズ社長・出原宅訪問時に試聴した「Cジャム・ブルース」所収。シンバルの切れ味が、社長宅は「ゾーリンゲンのナイフ」、寺島宅は「ナマクラのナタ」。当店だと「シックの二枚刃」てなもんか。悔しいのでやっぱり本盤もあまり好きではない(笑) ★★★☆☆

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 ケニー・ドーハム(tp) 『Whistle Stop』


ケニー・ドーハム(tp) 『Whistle Stop』

 ただの12小節ブルースが好きかどうか。本当にジャズが好きになるか否かはまさしくここにかかってると言っていい。ブルーノートの名曲の数々も、殆どが12小節ブルース、つまり全部同じコード進行なわけだが、そいつをちょこっと捻る。その名も「フィリー・ツイスト」。するとまったく別の曲のように変身する。捻りすぎるとブルーノートでなくなる。そのさじ加減が絶妙なのだ。本盤のようなレコードは構成でなくエモーションで捉えないとなかなか真価は見えてこない。 ★★★★

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 ドリス・デイ(vo),アンドレ・プレヴィン(p) 『Duet』


ドリス・デイ(vo),アンドレ・プレヴィン(p) 『Duet』

 ドリス・デイは旧き良きアメリカを象徴する人気女優であるが、元々はハリー・ジェームス楽団で唄っていたジャズ畑の人でもある。プレヴィンのエレガントなピアノにドリスの限りなく甘い声、それでいてベタベタしたところがなくサラッと爽やかなのが彼女の魅力。「フールズ・ラッシュ・イン」は「あのとき君は若かった」に似てるなあと聴くたび思う。管球アンプとフルレンジユニットを使って、本盤が最高に良く鳴るオーディオシステムを組むのがわたしのささやかな夢だ。 ★★★★

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 チック・コリア(p) 『Now He Sings, Now He Sobs』

チック・コリア(p) 『ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス』

 最初に新幹線が通ったようなものだ。このスピード感に比べればバド・パウエルだって急行程度、やけに遅いなあと思ってしまう。マッコイ・タイナーでもせいぜい特急”雷鳥”どまり。速ければいいってもんでもないのだが、喩えればの話。悠長にチンチキチンチキやるのがジャズだと思ってた当時のミュージシャンは、リズムの枠を飛び越えて自由自在に飛翔するチックのピアノを聴いて慌てたことだろう。最近のピアノトリオって、どれも本作の焼き直しのように聞こえてしょうがない。 ★★★★

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 ハービー・マン(fl) 『Herbie Mann Plays』

ハービー・マン(fl) 『Herbie Mann Plays』

 煌びやかなクリスマスの飾りを片付け、大掃除が済んで、さあて何をかけようかと思ったときに必ず取り出すのが本盤だ。フルート、ギター、ベース、ドラムといった編成で織り成すサウンドのザラリとした感触が心地よい。ごちそうの後の玄米茶のようにホッとする。曲目を見ても、決して東洋を意識したようには思えないのだが、不思議とお正月の雰囲気によくマッチする。マンのストイックな美意識は、日本的な情緒に通じるものがあるのだろう。 ★★★★

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 カウント・ベイシー・オーケストラ 『Atomic Basie』


カウント・ベイシー・オーケストラ 『Atomic Basie』

 エリントン楽団にしてもマイルスにしても、ジャズにはどこかヨーロッパ的なものを感じるが、ベイシーには異国を思わせる要素がまったくない。100%アメリカ純血種の音楽だと思う。ベイシーをどれか一枚となるとやはりこれか。疾風のようなブラスアンサンブル。エディ・ロックジョウ・デイヴィスの太く逞しいテナーが咆える[4]と[6]が特にカッコイイ。要所要所で炸裂するソニー・ペインのドラミングも強烈だ。 これはタンノイのスピーカーでは鳴らんだろう(笑) ★★★★

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 マイルス・デイヴィス(tp) 『Miles Davis In Person At Blackhawk,San Francisco Vol.1』

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マイルス・デイヴィス(tp) 『Miles Davis In Person At Blackhawk,San Francisco Vol.1』

 マイルス自身が「ハンク・モブレーとの演奏はつまらないものだった」と語ったこともあり、いまひとつ評価が低いライブ盤。しかし、なかなかどうして一級品のハードバップ演奏だ。特にウイントン・ケリーのピアノが抜きん出ている。モブレーの調子だって決して悪くはない。こういうのを聴いてしまうと、さっきまで聴いてた他のCDが途端に霞んで、取るに足りないように思えてくるからマイルスは恐ろしい。マイルス自身の不満は演奏内容ではなく、『マイルストーンズ』『カインド・オブ・ブルー』と進化してきたスタイルが、本盤で聴かれるような古いタイプのハードバップに後戻りしてしまったことではないか?『Vol.2』、さらにライブの全貌を収めたコンプリート盤の『In Person Friday and Saturday Nights at the Blackhawk, Complete』もある。 ★★★★

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 ベット・ミドラー(vo) 『For The Boys: Music From The Motion Picture』

ベット・ミドラー(vo) 『For The Boys: Music From The Motion Picture』

 「外は寒いよ(Baby, It's Cold Outside)」を聴いてたら、そうそう、こんなのもあったなと思い出した。映画「フォー・ザ・ボーイズ」のサントラ盤。あらためてクレジットを見てみるとこれが凄い。ジャック・シェルドンは劇中でも目立ってたから知ってたが、マーティ・ペイチ、ビリー・メイ、デイブ・グルーシンを始めとして、錚々たる面々。ジャズ系ミュージシャンのみならず、TOTOのスティーブ・ルカサーやジェフ・ポーカロまで入っているではないか。第二次大戦~ベトナム戦争と、米軍の慰問に訪れるディキシー/エディのコンビの物語。曲のほうも'40年代風からビートルズナンバーまで幅広い。当店のスタッフが昔、「なんて良い曲なんだ~」といって[13]を何度も繰り返しかけてたっけ。★★★☆☆

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 ジュリー・ロンドン(vo) 『Calendar Girl』

ジュリー・ロンドン(vo) 『Calendar Girl』

 1月から12月+13月、ジュリーがピンナップガールに扮して13種類のポートレートがジャケットを飾る。勿論サンタ服もあり。今様に言うならコスプレか。内容もそれぞれの月にちなんだ曲が13曲。取り立てて優れた内容でもないけれど、まだ若々しくお色気満点(死語)な頃のジュリーの唄と、楽しいジャケットでファンには堪らない一枚(笑) ちなみに最もセクシーで大写しの「13月」は開封しないと拝めない。『Your Number Please...』とカップリングのお徳用2in1CDもあり。 ★★★☆☆

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 シンガーズ・アンリミテッド(chor) 『Christmas』


シンガーズ・アンリミテッド(chor) 『Christmas』

 シンガーズ・アンリミテッドは元ハイ・ローズのメンバー、ジーン・ピュアリングとドン・シェルトンが、レン・ドレッスラーと紅一点のボニー・ハーマンを加えて1967年に結成されたジャズ・コーラス・グループ。本盤にはジャズっぽい感覚は殆ど見られず、純粋に美しいアカペラのクリスマスアルバムとして広く人気を博している。最も端整で美しい「きよしこの夜」はこれ。ボニーの声の魅力が際立ってる。パーティの喧騒を離れ、敬虔な気持ちでひとり静かに聴きたい。★★★★

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 フランク・シナトラ(vo) 『A Jolly Christmas from Frank Sinatra』


フランク・シナトラ(vo) 『A Jolly Christmas from Frank Sinatra』

 ストリングスと混声コーラスをバックに御大シナトラが唄うクリスマス。ジャズの範疇ではないけれど、これは自信を持ってお勧めできる。まさにアメリカン・ポピュラー・ミュージックの王道を行く力作だ。バラード主体、豪華かつフォーマルな雰囲気はキャピトルのお家芸。今後どんなにデジタル技術が進歩しても、こんな良い音のレコードは作れないだろう。「妙に捻くったものじゃなく、スタンダードなクリスマスソング集が欲しい」という方に最適。マイルス・デイビスも一目置くだけあって、唄のうまさはさすが。 ★★★★

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 ペギー・リー(vo) 『Christmas』


ペギー・リー(vo) 『Christmas』

 もうここまで来るとジャズを紹介してるんだかなんだかよくわからなくなってくる。(笑) 子供のコーラス入りとなるとさすがにちょっと恥ずかしい。しかしながら「クリスマス・ワルツ」なんか聴くと、ペギーの声にコロッと参ってしまう人も多いのではないかと想像する。キャピトル・レーベルだから録音も良いし、これだけ安いんだから何かのついでに買っておいたら、子供のクリスマスパーティなんかで使えるかもしれない。余談だが、わたしが所有する盤にはさらに恥ずかしい「ヘリウム声コーラス入り」のボーナストラックがついてる。★★☆☆☆

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