アート・ファーマー(tp),ベニー・ゴルソン(ts) 『Meet The Jazztet』
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アート・ファーマー(tp),ベニー・ゴルソン(ts) 『Meet The Jazztet』

 ジャズテットはギャング一味のような横ノリのアレンジがイカしたグループ。不良っぽい雰囲気がたまらない。ビル・エヴァンスがファーマーの『Modern Art』で苦労した「Mox Nix」のファンキーなイントロも、本作のマッコイ・タイナーだと難なくこなす。やはり真面目なエヴァンスはギャング団には入れないのだった。
★★★☆☆

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 アート・ファーマー(tp) 『Modern Art』


アート・ファーマー(tp) 『Modern Art』

 ビル・エヴァンスはファンキーができない。それが傑作『Kind Of Blue』をマイルス・ディヴィス自ら「失敗作」と称した理由ではなかろうか?「モックス・ニックス」のイントロ、ピアノで「レロレロレロ~♪」というアレだ。アレは「オール・ブルース」にも出てくるが、こんなふうに几帳面に音符どおりやってはいかんのだ。しかし本作はゴルソン、ファーマーのファンキー度がエヴァンスによって中和されたのか、なかなかキュートで面白い作品に仕上がった。強面のファーマーは意外にジェントルなのだ。国内盤あり ★★★☆☆

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 V.S.O.P.ザ・クインテット 『Live Under The Sky '79』 


V.S.O.P.ザ・クインテット 『ライヴ・アンダー・ザ・スカイ伝説』

 熱病に冒されたように本作の「アイ・オブ・ザ・ハリケーン」を聴きまくった。火の出るような演奏とはまさにこのこと。聴きどころはいくつもあるが、なんといってもトニー・ウィリアムスのキックバス!驚愕の重低音に度肝を抜かれる。雨の田園コロシアムで行われた演奏、異様なまでの熱気と興奮が目に見えるよう。凄いっ!!輸入盤あり
★★★★★

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 ヘレン・メリル(vo) 『Helen Merrill』

ヘレン・メリル(vo) 『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』

 「帰ってくれれば嬉しいわ」というのは、「ジャズ界最大の誤訳」として有名。正しくは「貴方の待つ家に帰るのは素敵」位の意味らしい。ハスキー・ヴォイスのヘレンは、本作の「ユード・ビー・ソー・ナイス...」で、溢れんばかりの歓びを表現している。クリフォード・ブラウン生涯のベストとされるトランペットソロ。小編成でビッグバンドのような厚みを聴かせるクインシー・ジョーンズの編曲も見事。永遠に色褪せることのない傑作だ。国内盤あり ★★★★★

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 デクスター・ゴードン(ts) 『Our Man In Paris』


デクスター・ゴードン(ts) 『Our Man In Paris』

 ジャズ奏者の多くは、所謂西洋音楽の規範からはみ出した演奏をする。音程をやや高めに吹いたり、低めにしたりするわけだが、デクスターはテンポを「遅らせる」ことによって、豪放な独自のスタイルを確立した。本作はパリに移住したケニー・クラーク、バド・パウエルとの意欲溢れる再会セッションにして、デクスターの代表作でもある。 ★★★★

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 ウイントン・ケリー(p) 『Kelly Blue』 


ウイントン・ケリー(p) 『ケリー・ブルー』

 [1][6][7]がセクステットで、残りはウイントン・ケリー・トリオによる演奏。ケリーは比較的どんなスタイルでもこなすピアニストだが、本作ではファンキーな面が色濃く出た。ブロックコードで盛り上げる[2]なんか、明らかにボビー・ティモンズしてる。「抜き足差し足忍び足」のような表題曲[1]のイントロを聴いて、「ダサい」と思うか「カッコイイ」と感じるかで貴方のファンキー度がわかる?国内盤あり ★★★☆☆

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 リー・モーガン(tp) 『Expoobident』


リー・モーガン(tp) 『Expoobident』

 「イージー・リビング」という曲には名演が多い。ペギー・リーの『Black Coffee』、ビル・パーキンスのテナーが渋いジョン・ルイスの『Grand Encounter』。それぞれ個性的な解釈を見せるが、極めつけは本作のリー・モーガン。スピーカーから唾が飛んでくる。アート・ブレイキー、エディ・ヒギンズも好サポート。
★★★☆☆

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 キャノンボール・アダレイ(as) 『Know What I Mean』


キャノンボール・アダレイ(as) 『Know What I Mean』

 妙に前衛的なレコードジャケットは、きっと表題曲[5]のちぐはぐさを表現してるのだろう。幻想的かつ美しいビル・エヴァンスのピアノに乗せて、キャノンボールがいい感じで吹いてるなと思ったら、突如パーシー・ヒースのダサいベースソロが始まり、素っ頓狂なコニー・ケイのドラムが唐突に現れる。鮮烈な音で録れてるから余計にダサい。MJQの名手二人はモードが理解できなかったのだろう。でも他の曲はすべて二重マル。特に「ワルツ・フォー・デビー」が最高! ★★★★

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 ロイ・へインズ(ds) 『Out Of The Afternoon』

ロイ・へインズ(ds)
『Out Of The Afternoon』

 「アレッ?ワンホーンじゃなかったの?」ローランド・カークは一度にテナーとマンゼロ、さらにストリッチという楽器を三本まとめて吹いてしまう怪人だが、演奏は奇を衒うものじゃなく、いたってマトモ…いや、マトモどころか無茶苦茶カッコイイ!へインズのドラムが冴え渡るヴァン・ゲルダー録音。ハードバップのエッセンスがギュウギュウに詰まった堂々たる傑作だ。
★★★★★

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 ポール・チェンバース(b) 『Go』

ポール・チェンバース(b) 『Go』

 胸のすくような快演「ジャスト・フレンズ」があまりに良い音なので、人に聴かせまくったことがある。面白いことに「凄く音が良い」と言う人と、「録音が悪い」と言う人、意見が真っ二つに分れた。ライナーにも元々録音が良くない旨書かれている。さて、貴方にはどう聞こえるか?本セッションの完全盤もある。
★★★★

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 モダン・ジャズ・カルテット 『Django』

モダン・ジャズ・カルテット 『ジャンゴ』

 わたしは本盤を持ってない。内容は熟知してる。本当に素晴らしい。買おうと何度も手に取るが、なぜか他のを買って帰る。いつか買おうと思って20年過ぎた。「今更ジャンゴ買うのかよ」と意地悪な自分が囁く。こういう大名盤は速やかに買うべし。後になるほど買いにくい。国内盤あり
★★★★★

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 レスター・ヤング(ts) 『Pres And Teddy』


レスター・ヤング(ts) 『Pres And Teddy』

 聴いて眉間に皺ができる程度ではまだ足りない。本作二曲目のバラード曲「恋のとりこ」を聴くと、皺ができたうえに「眉がハの字」になる。これぞ最上。眉は音楽のランクを示すバロメーターだったのだ。
★★★★★

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 ウエイン・ショーター(ts) 『Second Genesis』
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ウエイン・ショーター(ts) 『Second Genesis』

 '70年代に入ってから発表されたウエイン・ショーターのワンホーンでのレコーディング。アラビアンテイストを最初にジャズに持込んだのは、たぶん本作にも参加しているアート・ブレイキーだろう。カッコイイ!とにかくカッコイイ「ルビーと真珠」。マジカルなテナーの音色によって、めくるめく官能の世界が展開する。ショーターって奴は化け物だ! ★★★★★

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 カーメン・ランディ(vo) 『Self Portrait』
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カーメン・ランディ(vo)
『Self Portrait』

 マッキントッシュのパワーアンプを買ったのと同時期に購入。本作をかけてゴージャスでリッチなサウンドを堪能したものだ。古いスタンダード曲が、まるで新曲のように聞こえるカーメンの世界。唄は最高にうまいしアーニー・ワッツのテナーも抜群だ。カーメンはもっと評価されていい歌手だと思う。
★★★☆☆

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 フィル・ウッズ(as) 『Woodlore』

フィル・ウッズ(as) 『Woodlore』

 このCDは一旦手放している。演奏が単調に思えたからだ。ところが当時道頓堀にあったジャズ喫茶「BAMBI」でこの「オン・ア・スロウ・ボート・トゥ・チャイナ」が流れてきてビックリ。高級スピーカーJBLパラゴンで聴くウッズのアルトはエモーショナルで表情豊か。程なく当店もスピーカーをJBLに替え、本作も再度購入。それ以来わたしの愛聴盤である。ボンボンとよくボディが鳴るテディ・コティックのベースサウンドも印象的。ちなみにこのジャケット写真はプレスティッジ社長ボブ・ワインストックが撮影。国内盤あり ★★★★

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 マイルス・デイヴィス(tp) 『Relaxin'』
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マイルス・デイヴィス(tp) 『リラクシン』

 ジョン・コルトレーンを擁する’56年当時のマイルスバンドは、そこらの二管クインテットとは一味も二味も違う、洗練されたスタイルを確立している。親しみ易く、何度聴いても飽くことがないモダンジャズ決定盤。ジャズ初心者に一枚薦めるとすれば、やはりこの時代のマイルス。特に[1]のポール・チェンバースは彼のベストプレイと断言できる入魂のベースランニング。[2]の冒頭で聞かれるマイルスとレッド・ガーランドのやりとりや、[6]の終わり、コルトレーンの「栓抜きどこ?」が文字どおりリラックスした雰囲気をかもし出す。プレスティッジの「ing四部作」のなかでも、最も人気が高い作品。国内盤あり ★★★★★

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 ジョン・ルイス(p) 『Grand Encounter』

ジョン・ルイス(p) 『Grand Encounter』

 本作を聴くとき、わたしは巨大な草食恐竜が徘徊する様を想像する。のどかにして雄大なビル・パーキンスのテナー、ベースのパーシー・ヒースが大地を蹴り、チコ・ハミルトンのブラシが草木をかき分け進む。ジョン・ルイス会心の大傑作だ。一度は聴くべし。
★★★★★

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 ウエス・モンゴメリー(g) 『Incredible Jazz Guitar』


ウエス・モンゴメリー(g) 『Incredible Jazz Guitar』

 よく「楽器を唄わせる」というけれど、本作におけるウエス・モンゴメリーの唄いっぷりは素晴らしい。とめどなく涌いてくるイマジネーションが、オクターヴ奏法、コード奏法など驚異的なギターテクニックによって、余すところなく表現される。特にバラードの[3]はこの演奏を超えるものなし。『Full House』と並ぶジャズギターの金字塔。  ★★★★★

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 アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ 『At the Cafe Bohemia, Vol. 1』


アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ 『At the Cafe Bohemia, Vol. 1』

 ジャズをちょっと解るようになってくると、ジャズ・メッセンジャーズとかMJQを馬鹿にするようになる。10年ぶりに本作を出して聴いてみると凄いのなんの!「モーニン」だけ聴いて解ったつもりのわたしが馬鹿だった。ジャズ・メッセンジャーズ恐るべし。『Vol.2』も併せてどうぞ。
★★★★★

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 ダイアナ・クラール(p,vo) 『Stepping Out』

ダイアナ・クラール(p,vo) 『Stepping Out』

 瞬く間に大スターになってしまったダイアナ。最近の作品も悪くはないが、ジャズとして鑑賞するのは専らこのCD。唄もピアノもあっけらかんとして大らか。録音も良く、ダイナミックなピアノが堪能できる。わたしみたいな辛気臭い男に聴かせてやりたい。(笑)
★★★☆☆

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 ルー・ドナルドソン(as) 『Swing And Soul』

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ルー・ドナルドソン(as) 『Swing And Soul』

 このレコードを聴くときこそ至福の時間である。エキゾチックで、洗練され、しかもソウルフル!「ハーマンズ・マンボ」の妖しいイントロが聞こえてくると、もうじっとしていられない!冷たい飲み物片手に、パナマ帽被って聴いてほしい。美女が傍に居ればなお良し。
★★★★★

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 J.J.ジョンソン(tb) 『The Eminent Jay Jay Johnson, Vol.1』 


J.J.ジョンソン(tb) 『The Eminent Jay Jay Johnson, Vol. 1』

 ジョン・ルイスという人は、いつもジャズ史の重要な局面でチラチラ顔を出す。”ミルト・ジャクソンの代りにJJとクリフォード・ブラウン、ジミー・ヒースが入ったM.J.Q.”といった印象の「Sketch I」は、ルイス作品のなかでも最もドラマチックな1曲だ。後半ではチャーリー・ミンガスが活躍する。『Vol.2』も併せてどうぞ。
★★★★

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 ビル・エヴァンス(p) 『Portrait in Jazz』

ビル・エヴァンス(p) 『Portrait in Jazz』

 これほど素晴らしい作品を軽々しく紹介するのは少し抵抗がある。有名なジャケットを見ただけで聴いた気になってしまうが、エヴァンスの音楽は聴くほどに深い。最初凄くて後半ダレ気味な『ワルツ・フォー・デビィ』に比べ、本作は最後まで心地よい緊張が持続する。格調の高さにおいて本作の右に出るものはない。 ★★★★★

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 ローズマリー・クルーニー(vo) 『Blue Rose』

ローズマリー・クルーニー(vo) 『Blue Rose』

 デューク・エリントン楽団をバックに従え、堂々たる歌唱を聴かせる白人女性歌手なんて、ちょっとロージー以外に考えられない。楽団の強烈な個性に埋没しない歌唱力はさすが。といっても実際に共演したのではなく、エリントンのオケを録ったテープにロージーの唄を吹き込んだものらしい。エリントンのヒット曲集としても楽しめる。 ★★★★

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 洋書『Black Beauty, White Heat: A Pictorial History of Classic Jazz 1920-1950』

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『Black Beauty,
White Heat:
A Pictorial History
of Classic Jazz
1920-1950』

 当店の秘蔵書。ひょっとしたらと思って検索してみたら出てきた。さすがアマゾン。1920年代から’50年頃までのジャズの貴重な画像満載の写真集。一枚づつ眺めているだけでも相当な時間を要する豪華本。ジャズという文化に興味があるなら持っておいて損はない。しつこいようだが、これはホントに貴重だ。絶版になる前に買うべし。

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