光を読む

「弱い光が流れる冬の昼下がり」と歌ったのはCharだったが、この「逆光線」という題名の曲を作詞した阿久悠は、おそらくガールフレンドを家に呼んで買ったばかりのカメラで写真を撮っていたのではないかと勝手に想像する。まあそんなことはどうでもいい。重要なのは逆光線というキーワードだ。
 
 カメラを始めてから、iPhoneで撮っていたようにお客様の髪型を撮影してみるのだが、どうも思うようにいかない。色彩が短調で髪の毛もベタっと海苔のように写ってしまい、写真に立体感がない。
 やはり当店はジャズ喫茶のように暗い理髪店だから、絶対的な光の量が足りないのではないかと思い、スタジオ照明のようなものを導入しようかと悩んでいた。

 それからも毎日写真を撮り続けていたら、ふと明るいバーバーチェアで撮った写真より、若干暗いカウンター席で撮った写真のほうが立体感があり、なおかつ陽の光がある時間に撮ったほうがいいことに気がついた。
 そうか、フルサイズのカメラでダイナミックレンジが広いから、ただまんべんなく明るいよりも明暗の差があるほうがドラマチックに写るんだ!

 写真をやってる人にとっては当たり前かもしれないが、かつてバカチョンカメラで逆光の真っ暗な写真を撮って失敗した経験のあるわたしにとっては、逆光で撮るなんて禁断の行為だったのだ。
 それから少しお利口さんになって、光がどっちから差していてどういう向きで撮ればいい感じに写るか立ち止まって考えるようになったんだとさ。


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