見ちゃった人々

 富士登頂を断念したというと、
「来年リベンジするんですか?」
 なーんてよく言われるのだが、実は来年はもっとすごいことを企んでいて、そのために富士山に登るかどうかはまだ未定なのである。そうそう休んでばかりもいられない。だが、やはりいつかは山頂に登ってみたいなあ。

 さて、秋になるとオーディオである。もうじきインフラノイズからアナログアキュライザーが出るぞと噂されているけれど、例によって年末までずれ込むかもしれないからのんびり待つとしよう。

 しかしオーディオというやつは時に演奏者の筋肉の動きや仕草まで見えるように錯覚を起こすから大変だ。もちろんそんな情報が音楽に入ってるわけではなくて、あくまでもリスナーの記憶から呼び起こされる蜃気楼のごときものに違いないが、一度そういうのに出くわしてしまうと
「見ちゃったよ」
てなもんで、音楽を聴く道具からイリュージョンを発生させる装置へと変貌を遂げる。

「見ちゃった」人は少なくないだろう。録音現場にいたわけでもないのに圧倒的なリアリティーを持って、なんでそんなものが見えるのか。脳内の記憶を呼び起こす恐るべきオーディオから逃れることはできない。


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