音像を3D化するコツ

 故・村井裕弥さんのUACU-700のレビューは、「フォーカスが改善され、音像が3D化し、生々しさが増して、演奏の吸引力・説得力がアップする」云々と、いつにも増して誉めちぎってくださってる。特に「音像が3D化」と書くとオーディオはウケる。もっと露骨に言うと「売れる」殺し文句の一つである。

 オーディオマニアの皆さんの中にもこの「3D化」を目標にして日々チューニングに勤しむ方々が多数いらっしゃるのではないか。しかし、実はインフラノイズというメーカーには「音像を3D化」しようなんていう狙いは全くないのである。

 音像を立体的に、手に取るように、見えるがごとき再生音を追求すると、しばしばエッジの立った輪郭を強調する方向に行きやすい。
 視覚的に言うと、マンガの世界は輪郭線で描かれるが実際の世界に輪郭線は存在しない。UACU-700の音は、あるべき色彩が正しくそこに収まることで結果的に立体に3D化して見えるだけなのだ。

 これは、意図的に「3D化してやろう」と狙ってやったのでは実現しない。音と音が重なり合うハーモニー、タイミングなどの音楽的な基準に則って、それが完成した時にパッと3D化して見える。村井さんはきっとそれを見たのだろう。


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