帰ってくれたら嬉しいが帰ってくれなくても構わない

 日本の平均的な床屋の料金が安すぎるという議論がある。何を持って高い安いを決めるのかは難しいのだけれど、当店の総合調髪つまりカット、シャンプー、シェービング込みで一時間かけて4,000円というのは安すぎる部類に入るのだそうだ。
 確かにアルバイトの最低賃金の時給が千円とか決められたら、1/4持って行かれるわけだし、お客のいない時間帯も出て来るわけで当店などでは絶対に雇えない。

 これに関しては、新店ほどドーンと料金高めの設定にしやすい面はある。JimmyJazzも30年前、実家やこの辺りの料金が2,800円だったときに3,000円でスタートした。同業の伯父から「思い上がるな!」と叱られたっけ。

 どんな客層にどういった内容で売っていくのかは、それぞれの店が独自で工夫して、他人がごちゃごちゃいう問題でもないと思うのだが、料金体制について考えていて一つ気がついた。
 わたしはそれほどでもないと自覚しているが、実家の父や弟、それに近所の古くからの床屋は、常連さんの料金をサービス価格で安く設定しているからこの価格なのではないかということ。

 実際には常連さんも一見さんも同じカット料金なのだが、やはり常連さんを大事にして一見さんを軽く見る風潮がある。つまり一回こっきりの一見さんを4,000円なら4,000円で施術するのは割に合わず、何回も来てくれる常連さんだから4,000円で仕事を請け負ってるのだという意識を(意識せずとも)持っている。
 知り合いの高級理容店は、初回来店時の料金が高く、何回も来ると料金が安くなるシステムを採用している。クーポンで初回が安くなるとは真逆の考え方で、これも常連さんを大事にする気持ちの表れかもしれない。

 当店はそのへん結構ドライなので、ふらっと入って来た一見さんも予約が空いてれば同じ料金でやって、それで気に入ってまた来てくれたら嬉しいし、一回きりで来てくれなくてもそれはそれで構わない。きっちり料金はいただくので恨みっこなしのシステムだ。


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