よう!マイルス!

 カッコいいとまではいかなくていいから、「感じのいい人」でありたいと常々思うのだが、これが本当に難しい。なんで感じのいい人はあんなに感じがよくて、わたしはあまり感じがよくないのか。老いていくにつれますます感じ悪くならないか心配である(^^;

 ふとマイルス・デイヴィスが今のわたしと同じ年齢に何をやっていたかと調べてみたら、ミュージックシーンから姿を消し4年間の隠遁生活中だった。1979年、この翌年に『The Man With The Horn』で劇的なカムバックを果たすが、この時点ではもう復帰は無理だろうと囁かれていた。

 マイルスの自叙伝からは、老いて古くなってしまうことに対する猛烈な反発心と裏に隠された苦悩が読み取れる。音楽のことだけでなく、ガールフレンドに贈った宝石が返品して金銭に替えられていたとか、読むだけでトホホなエピソードが出てくる。わたしのように元からトホホな人間じゃなく、ジャズの帝王マイルスがそんなことを言うのだから痛々しい。
 あれほどセンス抜群の音楽を演奏したマイルスが、老いてセンスが若い彼女に受け入れられなくなった哀しみを暗示している。

 同世代のジャズメン同士で古いスタイルのジャズを演奏することを猛烈に拒否、息子くらいの若いミュージシャンをバンドに入れ、常に新しいスタイルを模索し続けたのはすごいことだが、尊敬されながらも老いて周りから浮き上がっていく様子は晩年になるほど顕著になっていく。
 「オレを伝説と呼ぶな!」と言ったマイルスだって、「近寄りがたいレジェンド」より、若い人たちによう!マイルス!と声をかけてもらえる「感じのいい人」でありたかったんじゃないかな。


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