裏表のない人

表で拍をとる人と、裏で捉える人とでは音の聞こえ方が違う。表のテンポで聴く人がジャズを聴くとナローレンジの古めかしい録音に聞こえるが、裏で乗って聴く人が裏打ちのない曲を聴くと抜けの悪い音質に聞こえる。ダンスを習い出して確信を強くした。ダンスの場合は動きがあるから視覚で表と裏の区別がつきやすいけれど、音だけを聴いてると拍が裏返って戻らない現象が起こることがしばしばある。たとえばわたしなんか津軽三味線を聴くと拍が裏返ってブルースのようにガッタンゴットンとテンポを認識してしまい、まったく津軽三味線を楽しめない状況に陥るのだ。

チャーリー・パーカーはジャムセッションの最中に、他のホーンがお決まりのリフで伴奏をつけはじめると、突如ものすごい勢いで拍の裏返ったアドリブをはじめ、バッキングのほうが間違ったのかと勘違いさせておいて、自分はきっちり元に戻って演奏を終わらせるという離れ業をやってのけた。

聴く側の認識で聞こえ方が違うのだから、これは演奏だけでなく、オーディオの音質にも関わる大事な問題だ。と、一生懸命主張するのだが誰も相手にしてくれないのでこの話は三年に一度くらいにしておこう(^^;


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