競争心

去年いっぱいで実家のカラオケは閉店してしまったが、客の入りを増やすにはどうすればいいかと父に相談を受けたことがあった。わたしはカラオケは点数が出るのだから、「今週のチャンピオン誰某」と書いた紙を貼り出してお客同士競わせたらいいと提案し、コピー用紙に印刷して渡したのだが、父はそういうことはしたくないといって受けつけなかった。

人は競争させると燃える。順位が出ると気になるからしょっちゅう店に見に来るはずだというアイデアはイケルと思ったのだが、たしかに楽しく歌うという本来の目的からすると少しズレている。競争に勝つことへ目的が移行するからだ。

同じように、SNSでも現実のコミュニティでも、本来の目的を忘れ、自分が如何にして良いポジションにつくか、尊敬を受けるか、ということに夢中になってしまうことが往々にしてある。わたしみたいに競争心を商売に利用しようという悪質な輩もいるから注意が必要だ。目的を見失い、本来楽しかったはずの仲間との語らいが、いつの間にか相手を蹴落として自分が優位に立つことを願うようになったら、それはとても不幸なことである。


« いつか嗅いだことのある匂い | メイン | バーバーの社会的地位向上委員会 »