海の見える理髪店

 今更ながら2016年直木賞を受賞した荻原浩の短編小説「海の見える理髪店」を読んだ。海の見える床屋の親父が客の青年に自分の過去を語るのがあらすじ。よく書けた小説で、なるほど直木賞に選ばれるのも納得。タイトルは「ジャズの聴ける理容室」のパクリではないか。わたしにも直木賞くださいw
 その床屋の親父はどうやら高倉健が通った銀座の理髪店の米倉満氏をモデルにして、キャラクターに肉付けをしたのではないかと思われる。その他にも理容業に関する様々なウンチクがてんこ盛りで、相当取材したのが見て取れる。

 だが、この親父喋りすぎやろ。こんなに最初から最後までペラペラペラペラと自分の一生を語りながら散髪するなんて、いくらなんでも無理がある。というか、黙って真面目に散髪せんかーい!(^^;
 映画化するなら、一時間やそこらの散髪してる時間に一生分語れるのだろうかと心配である。何から何まで全部語ってしまうんじゃなく、余計な部分は口に出さないでいたほうが親父もカッコよくぐっと渋みが増すのではないか。
 せっかくカッコいい理髪店を題材に選んでくれたのだから、店主の親父もおしゃべりじゃなく無口でカッコよくしてくれたらもっと良かったのになー。

 


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