若い人に学べ

 新しい感覚は腰を低くして若い人から学ぶしかない。キャリア何十年だと威張ってみても年寄りを敬えと叫んでみてもただ寂しいだけである(^^;
 いつもマイルスの話ばかりで恐縮だが、ジェームス・ブラウンみたいになろうとして『オン・ザ・コーナー』を作ってしまう。おいマイルス、全然違うではないか。これのどこがジェームス・ブラウンなのか。だが、ブラウンの『ヘル』とかよーく聴いてると、あっ、ちょっとだけ『オン・ザ・コーナー』してる!という部分を発見して嬉しくなったりw

 自分よりも難しいことをやってる人に追いつくのは無理でも、技術的に近づいていくことはたやすい。でもヘタにやれと言われてそう簡単にできるものではない。ベテランに無理でも刷り込みのない若い人はそれをたやすくやってみせる。
『オン・ザ・コーナー』を聴けば、ファンクなのかインドなのか一体なんなのか、すごいのはすごいがどこのジャンルにも入りきらない独自のへんてこりんな音楽。これを踏襲したミュージシャンはほとんどいなかった、というより誰にもできなかった。

 一方、マイルスより後進のドナルド・バードやハービー・ハンコック、それにクインシー・ジョーンズは、黒人のファンクなフィーリングを素早く吸収し、ポピュラーで馴染みやすく違和感のないスタイルを構築した。違和感アリアリのマイルスとはえらい違いである。
 ほんとはマイルスだってクインシー・ジョーンズみたいにスマートに黒人音楽のメインストリームに合流したかったのだと推察するが、やろうとしてもそれができないこのもどかしさ。なにしろアート・ブレイキーの「モーニン」みたいなのをやろうとして「ソー・ホワット」を作ってしまう人である。全然違うじゃないか。そうなのだ。

 「ソー・ホワット」と「モーニン」、『オン・ザ・コーナー』と『ヘル』、『ビッチェズ・ブリュー』と『エレクトリック・レディ・ランド』、どっちが音楽として優れているかは別問題。にしてもマイルスが、真似しようとして真似しきれなかったこの乖離を見るたびに、若い人から必死で学ぼうとする自分の焦りと重ね合わせてしまうのである。
 わたしも最近のヒップホップとか聴いても全然わからないもんなあw


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