オーディオはなぜジャズやクラシックなのか

 我々オーディオマニアが好んでかけるジャズやクラシックのレコーディングは、基本的に一発録りで、後からテープを聴きながらオーバーダビング(重ね録り)しないものであるが、時々そういうギミックを使った音楽が紛れ込んでいたりする。
 古くはギタリストのレス・ポールが自分のギターを何回も重ねて録音し、「一体どうやって弾いているんだ」と世間を騒がせたが、これはまだいい方だ。

 犬猿の仲であるスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトで無理やりレコーディングさせたかった『ザ・ベスト・オブ・トゥー・ワールズ』、ゲッツが後から演奏をくっつけたのが聞けばもうバレバレである。
 あと、ビル・エヴァンスの『自己との対話』も自分の弾いたテープをかけながらピアノを弾くという痛々しい企画で、これも聞けばわかるがテープなんかちゃんと聞いちゃいないのである(^^;

 こういったツギハギの音楽も、アナログ時代はまだなんとか聞けたのだが、デジタル音源にリマスターされて中途半端に高解像度のオーディオ装置でかけると、もうツギハギ感が耳について聞けたもんじゃない。オーディオマニアが大抵ジャズかクラシックしか聴かないのは、そのツギハギを潜在的に避けているのかもしれない。


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