看板息子

当店には看板娘ならぬ看板息子がいる。店頭のメニュー看板に貼り付いてラッパを吹いている彼は名をジミー君という。いまからおよそ20年前の春、レコードジャケットを飾ってる棚の下にクラフト紙でパリのカフェ風のテントのような飾り付けをしたのだが、ただベージュの紙を貼っただけでは寂しいので、段ボールを切ってささっとラッカーを吹き付け、フリーハンドで書いてものの10分ほどで出来上がったジミー君を中央に貼ったところ、なかなか感じのいいディスプレイになった。その飾り付けは三月ほどで撤去したけれど、ダンボールで出来たジミー君だけは取っておいてメニュー看板に貼って再利用していた。よく考えたらただの段ボールの切れっ端が20年も看板息子をやってるのだから、そりゃボロボロになって当然だ。そんなものまたささっと作ればいいじゃないのと思うだろうが、こういう偶発的に出来たものは再現しろといって出来るものでもない。思案の末に元祖ジミー君を修復することに決めた。うまく出来ればいいのだが。


« デューク・エリントンの鏡 | メイン | ジミー君お色直し »