国家試験 [4]

 理容師の国家試験というのは、とにかく衛生面が第一であるから、消毒液も一揃い持っていかなくてはならない。エタノールにオキシドール、最近では滅多に使われることのないクレゾール液や逆性石鹸など。どれも薬局に行けば手に入るが、それぞれ一瓶ずつ買って新たに別の容器を用意して移し替えるのもコストがかかる。そこで理容学校ではそれら消毒液を小さな容器に入れた、まあ言ってみれば「利き酒セット」のような「利き消毒セット」のようなのを受験者向けに販売してたのを購入して、そのまま試験場に持ち込んだ。

 実技試験は完璧だったが、そのすぐ後にそれら消毒液の臭いを嗅いでその場で種類を当てるという小テストがあった。
試験官:消毒液を出して「これは何の臭いですか?」
わたし:「クレゾール液?」
試験官:「違います。逆性石鹸です」「ではこれは何ですか?」
わたし:「オキシドール?」
試験官:「違います。エタノール」「これはどうですか?」
わたし:「逆性石鹸!( ̄▽ ̄;」
試験官:「違います」
 てな具合で、国家試験をなめくさって「利き消毒セット」を一度も開封しなかったわたしは全問不正解というヘマをやらかしたのだ。さすがにまずかったなと反省したが、それでも試験は合格した(^^;

 子供の頃、柱時計がカチカチ鳴ってるような医者に行くと、消毒液のきつい臭いがして注射されるんじゃないかと怖かった。まさにあの臭いなのである。どれも劇薬なので最近では保健所の指導もほとんどエタノールだけになったようである。あの試験はなんだったのか。。。(おしまい)


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