国家試験 [3]

 今は多少様変わりしてるかもしれないが、わたしが受験した30年以上前の理容師国家試験は、受験者同士がお互いに髪を切り、髭を剃る”合いモデル”制で、スタイルは左分けの7:3。サイドは刈上げず、ネープの横一直線にバリカンを入れてハサミで色彩をぼかす。
 各受験者はモデルとなるため試験前の1ヶ月間は散髪してはいけない。だからといって長髪ボサボサ、髭ぼうぼうといった、受験者が不利になるような状態だとマナー違反となり減点対象になる。わたしは試験のきっかり一ヶ月前に親父に散髪してもらった。今と違って髪が多く伸びるのも異常に早かったから、当日になるとかなり伸びてしまっていて、試験官に「これは長すぎるのではないか」とチェックが入ってドキドキした(^^;

 受験者はみんな当日に髭をきれいに剃ってくるので、実際カミソリが切れなくてもそう問題ではないが、髪の毛は1センチ以上の毛髪がある程度の量、床に落ちてなければ切ったとは見なされない。仕上げは櫛で7:3に梳かしつけるだけ。つむじが右にあろうが毛流が逆だろうが、全員左分けでなくてはいけない。だから終われば国家試験会場からは7:3にぴちっと分けた受験者がぞろぞろ出てくる。
 試験はふるい落すためでなく、合格者を出すために行われるのだから、そう難しいことはない。「オレが落ちるんなら受験者のほとんどが不合格になっちまうぜ」とばかりに調子こいていたのだ。
 7:3のわたしは余裕のヨッちゃんで実技試験を滞りなく終えたのだが、その後に口頭で行われる簡単な試験がくっついていたのだ。(つづく)


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