国家試験 [2]

 長男曰く「まあまあできた」とのことなので、昨日の美容師実技試験は合格と見てまず大丈夫だろう。
 ということで、前回につづき話は30年以上前に遡る。

 だいたい包丁でもナイフでも、歯のついた状態で売るのが普通だろう。こんな鋼でできたヘラみたいなものを一から研いで刃をつけよというのか?替刃カミソリしか使ったことのないわたしには気の遠くなる工程である。試験の日は迫っているのというのに、そもそもうちに砥石じたいが見当たらないのではないか。

 親父に泣きつくと、おもむろに受話器を取って「お前ンところに砥石あるか?」と叔父に電話をかけてくれた。叔父に砥石を持ってきてもらい、研ぎ方を教えてもらうがそう簡単に刃がつくと思ったら大間違い。悪戦苦闘していると、今度は伯父がやってきて「おお、昔はよくこうやってカミソリ研いだなあ。ちょっと貸してみ?」とキコキコシャカシャカ研ぎ始めた。
 親戚一同が集まって、ああでもないこうでもないと言いながら、結局みんなでカミソリを研いでもらい、なんとか国家試験に使えるまでに仕上がった。このときほど親戚がみな理容師でよかったと思ったことはない(^^;

 こうして準備万端実技試験に臨んだのだが、本番でまたもやわたしは大きな失敗をしでかしたのである。(つづく)


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