店の幸福とは

 椎名誠の「にっぽん全国百年食堂」に出てくるのは、必ずしもものすごくうまい店ばかりでない。それでも100年も潰れず続いてるということは、地元の人たちの一定の支持と信用があるからで、あまりにもひどい店が100年続くなんてことはありえない。やはりある程度の水準はクリアしているのだろう。
 繁盛してるところもあれば、それほどでもない店もあるだろう。むしろあまりにも繁盛したり、圧倒的にうまかったりした場合には、ニーズがあるとみて同業他社が進出してきたり、大きくしすぎて失敗したりで潰れてしまうことがある。

 当店なんかが細々と続いてるのもまさにそういうことで、人様から「楽して大儲けしてる」と見られるより「立ちっぱなしで重労働だな、その割に儲からないし大変そうだ」と思われてるほうが長続きするのである(^^;

 ただ、長く続いてるから素晴らしいかどうかは疑問である。太く短く、短期間のうちにバーンと儲けて潔く撤退するというやり方もあるわけで、人生と同じで長生きがいいかどうかは人それぞれ。店が成功したどうかは生み出した幸福の総量で測るしかない。それも一回きりだがお客を深く感動させて、その後の人生に大きな影響を与えることもあるだろうし、長年同じ店に通い続けて毎回ささやかな幸福を得ているお客もあるだろうから、老舗が良くてすぐ閉めた店がダメとも言えないのである。


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