タイミングが合うとクリアーに聞こえる

 またまた映画「セッション」についてもう少しだけ。映画なので演奏の出来不出来が一瞬で観てる者に伝わらなくてはいけない。主人公の叩くドラムと他のメンバーのドラムはどう違うのか。鬼教官は「もっと速く!」というセリフでスピードを強調していたが、これは映画の内容をわかりやすくするために「速いか遅いか」を象徴的に使ったと見るべきだろう。
 わたしが感心したのは、ドラムの演奏がイケてるかそうでないかを、音色によって描き分けた点だ。音楽は、ぴったり合うとクリアーに聞こえるが、合ってないと濁ってよく聞こえない。リズムに関してもそうである。主人公のアイドルがバディ・リッチという設定も、ビッグバンドドラマーであることはもちろん、あの爽快に抜けるスネアドラムの音色が映画に効果的だからかもしれない。

 モコモコと籠もったような音を出すドラマー、例えばエルヴィン・ジョーンズなど、シンバルはジルジャン製でキラキラ輝く音なのに、スネア、タム、キックは籠もって聞こえる。それでオーディオ初心者の頃はエルヴィンのドラムが苦手だった。それが再生能力が上がってくるにつれ、だんだんエルヴィンが好きになってきたのである。オーディオだって音楽のタイミングが合ってくると俄然クリアーに鳴り出すのだ。


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