オーディオマニア向け玄関マット

 玄関マットの業者が今年最後ですからと早くも来年のカレンダーを持って交換に来た。

 玄関マットといえば、子供の頃にあった実家の理容店の玄関マットが面白い形をしていた。それは玄関に向かって入ろうとすると「いらっしゃいませ」の字が見え、店内から外に出ようとすると「ありがとうございました」の文字が出るのである。
 そのマットはゴム製で、横に何本も山型の溝が切ってあって、そこで靴についた泥を落とすのだが、山型に切った溝の入口側の斜面にペンキで「いらっしゃいませ」、出口側に「ありがとうございました」と書いておけば、斜め上から見ると違った文字が見えるという仕掛けであった。

 オーディオでよく議論されるジャズ再生とクラシック再生の両立は、ちょうどこの玄関マットに似ていて、両方を鳴らすということは、喩えて言えば「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」を同時に見せる、ということなのだ。玄関マットを真上から見たら「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」を同時に見ることは可能だが、それは意味をなさない模様となって目に映る。入口側か、出口側か、必ずどちらかに偏った方から見ないとくっきり美しい文字に見えない。これがジャズとクラシック両方を鳴らすことが難しいという理屈なのである。


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