音が近い

 スピーカーから出た音は、たんに反射するだけでなくて様々なモノを共振させる。聴かせてる人の耳音響放射も共振の一種であるが、それ以外にも照明のシェード(傘)とか、部屋じたいのフラッターエコー、当店にいたってはシャンプーボトルまでが共振を起こして音楽に悪影響を及ぼす。これらの共振音は、微妙に音楽に似ているから悪影響があるわけで、まったく音楽に似てない音(たとえばアナログレコードの針音とか空調の音とか)は、さほど音楽鑑賞の邪魔にはならない。
 したがって、部屋の音を良くしたいと思うのなら、妙に吸音したり、ダンプして抑えつけたりせずに、共振してる音を音楽に影響のない音にずらしてやるのがいちばんだ。

 反対に音が良くなる耳音響放射のケースは、スピーカーの再生音とほぼ同じ音が近くに居る人の耳から出ているわけだから、位相に変化が生じて定位が動いたり、音がものすごく広がって聞こえたりする場合がある。ある方が2004年に当店に散髪にいらしたときの感想を「音が近い」と自身のブログで書いている。そりゃあ背後の至近距離に立ってわたしが頭を刈っているのだから、スピーカーより音が近くて当然なのだ。


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