低音出過ぎの正体

 「これだ!オーディオ術2: 格闘篇」で部屋の話が出たついでに。オーディオマニアの妄想する理想のリスニングルームとは、だいたいがハイエンドオーディオの広告写真にあるような、天井が高くて広さがあって、よく響く石造りの空間にスピーカーだけを配置。それも壁から充分に距離をとって置けば、もう機器なんてなんでもいいってくらいによく鳴るはずだ、というもの。実際にはそのまったく逆で、ふつうは狭くて物が多い(失礼!)皆さんがふだん聴いている部屋のほうがずっと良い音がするのである。
 たとえば新居にオーディオを持ち込むと、なぜか低音が出過ぎるといって悩む人が出てくる。いままで使っていたアンプやスピーカーなのに低音が出過ぎるとはどういうわけか。電気的に低音のパワーが増えるとは考えにくいから、やはり部屋のどこか、あるいはオーディオ機器のどこかで共振を起こしていると考えるべきだろう。音楽にぴったり合った共振ならいいのだが、よく響く部屋で偶発的に起こる微妙にずれた共振だから音楽を汚す。これが低音出過ぎの正体なのだ。共振は部屋に物が増えてくれば自然に止まる場合が多い。これをエージングとは言わないだろう。


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