オレはモテたいぜ!

 マイルス・デイヴィスは、常に自分より人気のある奴、自分よりモテてる奴を意識し、必要とあらば同化しようとした。その初期の例がフランク・シナトラの唄う「マイ・ファニー・バレンタイン」である。シナトラふうにささやくように唄うにはどうすればいいかと悩んだ末、トランペットに消音器をつけ、ベルをマイクにくっつけるという方法を考え出したのだ。トランペットといえば高らかに吹くものというそれまでのイメージを覆す奇策であったが、サイレンスをジャズに持ち込んだとしてこれがウケた。
 それ以降も、ジミ・ヘンドリックスに傾倒してワウワウペダルを使ったり、プリンス、マイケル・ジャクソンと次々出てくる若いスター達にメラメラと対抗意識を燃やし、その要素を自分のなかに飲み込んでいった。中山康樹氏によると、晩年マイルスの部屋にはフリオ・イグレシアスのCDまであったというから、歳とってからもフリオのようにモテたかったのだろうな(^^;


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