遅れてきた「バグズ・グルーヴ」

ジャズ入門の際に、なるべく幅広くまんべんなくジャズを聴こうとしたのは間違いだった。少しずつレコードを集めるにだが、一人のアーティストにつき一枚を購入して100枚、つまり100人のアーティストを順番に聴いていった。この方法がじつはいちばん効率が悪い。今なら絶対にそういう買い方はしないだろう。私見だがジャズのCD100枚のコレクションがあるとしたら、そのうち30枚以上はマイルス・デイヴィスが占めるのが正しいあり方なのである。なぜなら、ジャズの歴史的重要盤の多くがマイルス・デイヴィスのレコードにあるからだ。まどろっこしい買い方をしたおかげで、たとえば『バグズ・グルーヴ』のCDを買うのがすごく遅かった。『バグズ・グルーヴ』のバグとは涙袋が大きいヴィブラフォン奏者ミルト・ジャクソンのあだ名であるから、ブルーノートから出ているミルト・ジャクソンのリーダー作を先に買ったが、これではダメ、というか、これだけで「バグズ・グルーヴ」を聴いたことにはならない。ジャズの決定版「バグズ・グルーヴ」とは、あくまでもマイルスの「バグズ・グルーヴ」なのである。


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