丸刈りで読んだ筒井康隆

 高校二年の夏休みに蓄膿の手術をした。上唇の裏をぺろっとめくってノミとトンカチで鼻の骨を削るという、世にも恐ろしい手術を二回にわけて片方ずつ。髪を丸坊主にして3週間ほど入院していたが、鼻がガーゼでつまっている以外は元気なので、筒井康隆の文庫本を大量に差し入れしてもらい、片っ端から読んでいた。最後にはさすがに飽きてきて、「本ばかり読んでられるか!」と家からラジカセを持ってきてもらった。音楽っていいなあ、家に帰ったらレコード聴きまくるぞとしみじみ思った。
 このあいだ、筒井の「ジャズ小説」を読み返してみて、自分の書き方がかなり筒井の影響を受けてたことを発見した。筒井作品の内容はもうほとんど忘れてしまっていたが、物事をナナメから見たような文体は間違いなく筒井の影響。ああ、こういう書き方してる、してると笑ってしまった。なんだ、テラシマさんではなかったのだ。
 十九〜二十歳の頃はオートバイに乗ってたので片岡義男ばかり読んでいた。バイク乗りは雑誌ミスターバイクと片岡義男を読んで風になる(笑)ものと相場が決まってたのだ。ああ恥ずかしい。丸刈りで読んだ筒井康隆 リーゼントで読んだ片岡義男ってとこか。


« 全体を知るために一点を深く掘り下げる | メイン | インフラノイズ高音質CD-Rで焼いたエリントン »