天国旅行

 三浦しをんの「天国旅行」を読む。心中をテーマにした七つの短編。自殺でも同性愛でも幽霊でも、彼女が書くと陰湿なドロドロした感じがない。さっぱりしていて明るく、読後感が爽快。それでいて内容が薄っぺらいわけでもなく、おまけに文章じたいがたいへん美しい。おそるべき才能である。初出が二〇〇八年〜二〇〇九年、小説新潮に掲載された順番で、並べ替えたりせずそのまま本になってるというのもすごい。
 心中といえば、国内の自殺者数は四年連続で減少傾向、二年連続で三万人を割ったという。二〇〇八年〜二〇〇九年も自殺の多かった年だから、三浦氏も思うところがあってこのテーマを選んだのかもしれない。ただ、心中しても「天国旅行」できないことだけは確かだ。自殺なんかするなよ。


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