正しく減衰するスピーカーケーブル

 この季節は、何もしなくても良い音がすることがあるから、音質評価は慎重にしないといけないが、それを差し引いてもSPリベラメンテのパフォーマンスは圧倒的だ。わたしが過去十年あまり使い続けてきたインフラノイズ製品のなかでも、最大の音質改善効果をもたらしたのである。数倍の値段がするUSB-201やGPS-777より上といってよい。掘り進めてきたトンネルが貫通したかのように、スピーカーから怒濤のごとく音楽のエッセンスが迸る!

 たいしたものだと、SPリベラメンテの青いチューブをじっと眺めてながら、やはりスピーカーケーブルはマイクロフォンのように音を拾っているのだな、と思った。スピーカーケーブルにかぎらず、オーディオ装置は全部が音圧で振動していて、それをフィードバックさせながら音を出している。なかでもいちばん無防備な姿で床を這ってるのがスピーカーケーブルだ。しかもラッパと直接繋がっているのだからたいへんだ。音圧で揺らされ、変調した信号が、元の音楽信号にやや遅れるようにしてゴーストのように被ってくる。おそらくこれが表現の機微をマスクしていたのだろう。

 SPリベラメンテの効果を一言で表すとすれば、「正しく減衰するスピーカーケーブル」としてみたい。ギターリストが弦を弾いて、その音がすばやく減衰したり、サスティンを長くとったり、ピッキングは強いのか弱いのか、そのような音楽の表現の大小を、SPリベラメンテはきちんと伝えてくれる。あまりにもギターがよく鳴るので、村治佳織さんの『トランスフォーメーション』を引っ張りだしてきたら、これがまた素晴らしい。クラシックなのかポピュラーなのかよくわからないコンセプトで、聴き所がまったく掴めなかったのだが、どこの銘器なのだろう、このギターの音!呼び捨てだったのが、今や”さん付け”である。恐れ入りました。

 正しく減衰するのは、ギターの音だけではない。4ビートのシンバルレガートや、ベースラインなど、ジャズに欠かせないビート感がしっかり出てくる。金属のブラシでスネアドラムを擦ったり、ジャック・ディジョネットがキースのバックでよくやる「ファサシャ〜〜〜〜〜ァン」というアレなんか、もうバッチリ。ゴーストが消えて、S/Nがよくなってるから、なおさらこれがよく映えるのだ。

 スピーカーケーブルがマイクロフォンのように音を拾っているといったが、SPリベラメンテのチューブの中では、やや硬めの線材がスパイラル状に波打ってる。床などにぴったり這わせず、障害物に点で接触するような工夫がされてるのかもしれない。そういえば、前に使っていたスピーカーコードとSPリベラメンテを一緒に這わせていたときは音がへんだった。古いスピーカーコードの音をSPリベラメンテが拾っているのかなと思って撤去したとたん、音楽が迸るように鳴りだしたのだ。
 他のコードと多少交差するくらいなら大丈夫のようだが、どうも音がおかしいと思ったら、一度引き回しの経路を変えてみることをおすすめする。

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