失敗するケーブル選び

 昨年11月23日、当店オーディオシステムにDGリベラメンテ(ケーブル)を導入してからというもの、どんな音楽をかけても、とても良い音で鳴ってくれて、たいへん満足度がたかい。
 あまりにも音が良いので、これ以上何かしようという気にもなれず、ひたすら音楽と仕事に没頭して年が明けた。
 山本邦山の尺八はもちろんのこと、思い出したように鬼太鼓座をかけてみたら、これまたひじょうに素晴らしい。邦楽の魅力にまいってしまった年始である。

 新年早々に、リベラメンテケーブルの注文も入っており、幸先のよいスタート。ところで、インフラノイズのケーブルが、なんでいつも品薄なのか、皆さんは不思議に思われたことがないだろうか?わたしも、いちいちメーカーに「いつ納品できますか?」と訊ねなくてはいけないので、ひじょうに面倒くさい。どっさり作っておいて、チャッチャと発送すればよいではないかと、いつも思っていた。

 しかし、よくよく話を聞いてみると、リベラメンテケーブルは構造がとても複雑なため、何本もラインに乗せておいて、そのなかで合格したもののみが製品として出荷されるということらしい。
 つまり、合格しない何本かは作るのに失敗して破棄されているのだ。ときには「全滅」なんてこともあるという。

 ケーブルなんて、線材をプラグに半田付けするだけだろう、失敗のしようがないではないかと思うのだが、リベラメンテはそんじょそこらのケーブルではない。作るのに失敗することさえある、まるで精密機械のようなケーブルなのである。
 この再生音の自然さ、ストレスのなさは、じつは恐ろしく手間ひまかけて実現されているのだ。

 そんなに複雑な構造なら、ちょっとしたことで簡単に壊れてしまうのではないかと思うが、ひとたび製品化されたリベラメンテケーブルは、かなり頑丈で、滅多なことでは壊れない。
 こんなに音が良いのだから、他のケーブルメーカーは、こっそり購入して、中を分解して、どうなってるか調べたくならないのだろうか?もしかしたら既にやってるかもしれないが、分解したって秘密が解けないのがインフラノイズというブランドなのだ。

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コメント

インフラノイズの製品があたかも工業製品でなく工芸製品であり供給不安もあるやのご心配をなされているようですが、小生は立派な工業製品であると思っております。
工業製品と考える理由は規格があること、品質や機能が一定の幅に入っていることです。
ケーブルについては同一規格品を複数購入していますが1本ずつ音が変るということはこれまでに経験していません。但し、2個あるUSB-5は微妙に音が違います。これは天然物の木を使っている関係で致し方ないことだと思います。USB-5のまがい物を自作してみればすぐ分かることです。医薬品や化粧品でも生薬その他の天然素材を使用すると、微妙な味、臭い、手触りなどが変りますが、基本的な効果が大きく変わるようなところまではないように品質管理がなされています。
なお、工業製品と言えども、微調整や官能検査によるチェックは必要です。先日地熱発電のタービン製作のTV番組がありましたが、最後は職人芸の調整が入っていました。LINNのプレーヤーの調整もスキルが要るのでグラスゴーまででかけて研修を受けさせられるそうです。陶磁器類は工業製品と工芸品が並立している例です。窯の中で偶然おこる色合いの変化、窯変を期待する場合は工業製品たることは難しくなります。ウイスキーのブレンドは自然に起こるばらつきを平準化する操作で工業製品と言えるものにしています。
工業製品でも開発途上やパイロットスケールの間は、工業製品と言えるような状態ではありませんが、パイロット製造を繰り返している間に条件や検査のチェックポイントを追い込み、安定製造を達成します。もし、そのような安定製造の域に達することができなければ販売をあきらめるでしょう。安定製造の域に達しないものを販売すれば市場から反発を食らいます。インフラノイズのケーブルが多くのユーザーに支持されていることからも立派な工業製品と言えると思います。但し、開発段階においては工芸的な手法も採られているのではないか、徹底したヒアリングによる芸術的評価が行われているのではないかということは想像に難くありません。
以上、ジャンルは違いますが、ものづくりの経験から述べさせてもらいました。

投稿者 酒仙坊 : January 15, 2013 04:00 PM

工業製品のままでは限界があって、必ずマイスター的なヒアリング調整が要る。
一般受けはしなくても、それがオーディオの真実なら、受け入れなければ本物は得られません。
つきつめたオーディオ製品とはそういうものだ、という認識を広めることも大切です。

Aquiraxが思うのは、これは嗜好の問題ではなくて真理の問題だということです。
それをいつまでも、知る人ぞ知る、の状態にとどめてはおけません。
このところ、自分のシステムから出てくる音、音楽を聴く度に、
ほくそ笑みつつも罪悪感を覚えてしまいます(^^;

リベラメンテがあと何年の間作り続けられとしても、いずれは終わりが来ます。
それはそれでいいのです。
問題は、リベラメンテによって確かに生み出されたオーディオ的価値を普遍化できるか、
もし継承が可能なら、どう継承するかです。
もうこれは、Aquiraxがやきもきしても仕方のないことなのですが・・・・・
かけがえのない文化的的財産を目の前にして感じるあせりのようなものです。

投稿者 Aquirax : January 12, 2013 10:39 PM

ラーメン屋のケーブル(になりませんように)…

 今は昔 市内に小さなビルの一階にある、出来合いの喫茶店を改装したようなラーメン屋さんがありました。40台位のご主人と奥さんとで切り盛りしていました。エビの出汁で作ったスープが絶品で、週末に食べに行くのを楽しみにしていました。
 ある時、全国ラーメン選手権とかいう大会で、そのラーメン屋さんは二位になりました お店は繁盛して、ちょっと行列ができはじめました。
 バイトの人が何人か雇われて、そのお店の名前を冠したカップラーメンがコンビニで売られるようになったり、お弟子さんを育てるプロジェクトを始めたり、ご主人は忙しくなりました お店は手狭になったのか、別の場所(JR高架下)に、新しい店ができました、ご主人は殆どお店に立たなくなり、そろいのTシャツのお兄ちゃんがラーメンを作るようになりました。
 久し振りに言ってみると、昔のあのラーメンはなくなり、観光客受けするのか、麺の味が濃くなっていました。
 また暫くして、その場所に行ってみると、いつの間にかラーメン屋さんはなくなってしまいました。
 ご主人の手が届かなくなってから、味は変わってしまい 「全国二位になんて、ならなければ良かったのに」と、嘆息したのでした…。
 全部が広告でできたような雑誌に取り上げられて、激賞されて(正当な評価を受けて)でも、いろんな人が入ってきて、手あかが付いちゃうと嫌ですね~

投稿者 札幌のSさん : January 12, 2013 12:21 PM

蕎麦屋的ケーブルというのか?

知り合いの蕎麦屋でマスコミ嫌いの店主がいます。
食関係の本の取材は一切拒否、興味本位の客が押し寄せて
本来の仕事が出来なくなるかららしい。
忙しいのが嫌なのが本当の理由にも思えますが。
そこが本屋で立ち読みしたミシュランガイドに出ていました。
写真も空欄だったので喜んで取材に応じたとは思えません。
まあミシュランが良い悪いは別にして迷惑がって困って
いる顔が眼に浮かびます。

そのおやじに昔聞いた話。
十割のつなぎなしの蕎麦はその日の温度や湿度、また
そば粉の状態で水の量とかもうデリケートで
大変とのこと。あんたはまさかと思うだろうけど
失敗してせっかく出来たのをほかすことは珍しくないのや
と言ってた。

なんか似てますな。この話と。

でもオーディオは科学のはずなのに今更歩留まりのわるい
手作り品なんて。工業製品でないオーディオ製品とは
非科学的なイメージがあるのでこんな暴露ネタに
メーカーは喜ぶか嘆くかはたしてどちらなんだろう?

投稿者 Ken : January 12, 2013 11:06 AM

>ときには「全滅」なんてこともあるという。
まるで窯元が焼き上がった茶碗を全部割ってしまうような話ですね。
「製造」と言うより「創作」、もっと言えば「奉仕活動」ですね。
並みのメーカーなら、たとえ作れても、割に合わないんで売らないでしょう。

じゃあ、不安定な製品なのか、と言えば、まるで逆。
音質を万全に管理していればこそ、製品として世に出す意味がある。
こうまでハッキリ結果を出すケーブルは他に無いでしょう。
誰が聴いても、こうあるべき、という音、音楽になります。
「結局、人それぞれ、好みの問題」なんていう言葉が空しく思えてきます。

>分解したって秘密が解けない
何をしているか判っても、何のためなのかが判らない。
それでは、同じ結果を再現することなど望めません。
DAC-1のふたを開けた人がいて、回路に豆電球が入っているとか、いないとか。
他にも普通でない処理が多々あって、却って謎が深まったことがありました(^^;

年末に「オーディオなんとか賞・かんとか賞」が発表されますが、
こういう製品こそ受賞すべきだと思います。

投稿者 Aquirax : January 12, 2013 12:49 AM

新年おめでとうございます。

久々に、線材意識(?)を刺激されるマスターの書き込みでした!(笑)

投稿者 叶福助 : January 11, 2013 11:18 PM