そこまでしてでも使って欲しい 最高傑作GPS-777

 今回リベラメンテケーブルを使用して、初めてインフラノイズという会社の恐ろしさを垣間見た人も少なくないだろう。ケーブルだけでこんなことができるなんて、かなりのベテランオーディオマニアでも信じられないはず。しかし、まだまだこれはほんの序の口、インフラノイズの真骨頂は、やはり精密機械設計の見事さにある。

 なかでも昨年発売されたGPS-777は、最新のテクノロジーとインフラノイズの音響ノウハウを惜しみなく投入した最高傑作のひとつだが、いくら凄いといっても、繋げられる機器を持ってないんじゃしょうがない。
 もっと手軽にクロック入力する方法はないのかという声にお応えして、インフラノイズが繰り出す次の一手がクロックレシーバーCCV-5だ。DAC-1等の同軸デジタル入力できるD/Aコンバーターがあれば、CCV-5を経由して、超高精度クロックに打ち直したデジタル信号の恩恵が受けられる。

 じゃあ、わざわざ低価格レシーバーを開発してまでして、インフラノイズが使わせたいGPS-777とは、いったいどのくらい凄いのか?

 以下は、当店でGPS-777を購入された方が、友人に宛てて綴ったメール。長文だが、あまりに重大な内容なので、許可を得て掲載させていただくことにした。
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私も今週ついに買ってしまいました。(いや、これこそ、魂を売ってしまったというべきかもしれません!!!)これも恥ずかしいというか、値段が値段だけにオーディオ好きの人以外には買ったことすらいえません。クロック・ジェネレーターなのですが、インフラノイズのGPS-777を買いました。

比較試聴した某海外製クロック・ジェネレーターは、某オーディオ店が一押しの製品でした。

私はオーディオに関しての専門的な知識が皆無に近いので、両クロックジェネレーターの方式の違いはほとんどわかりません。

ただ、GPS-777のほうはその名の通りGPSのクロックをそのまま利用しているらしく、それを受信しつつ、CDの信号とプレーヤーでの再生を同期させているということだと理解しています。なんでも軍事用の衛星を5台使っているとか。。いないとか。。。

だから結局『音』で判断しました。海外製クロック・ジェネレーターにも捨てがたい魅力があるにはあります。が、総括的には、GPS-777の圧勝といってもよかったです。
この違い、向上の仕方を今までの私が経験したオーディオの言語では表現できなのが実にもどかしく、今そのボキャブラリーを探しながらいろいろ聴いているところです。

何が今までと違うか、というと(某海外製クロック・ジェネレーターも含めてですが、)アクセサリーを付け加えたりした時の≪変わることは大きく変わるけれども、好みの問題もあるかもしれない≫という次元ではないということを一番感じました。(つまり某海外製クロック・ジェネレーターのほうにはアクセサリーみたいな独特の固有の音付け、音作りがかんじられました)

つまりこのGPS-777に関しては、この状態の再生音を聴いてしまうと、いろいろな正解がある種類の、国語とか文系の論文みたいな答えがいくつか許容範囲があるというのではなくて、数学、物理のような≪解は一つ≫というニュアンスにも似ています。これは音の種類の答えが一つという意味では断じてありません。
GPS-777を付け加えるかどうか?という選択に対する答えです。

ただここでまたジレンマなのは、音が向上する、というニュアンスだと、高音だとか、広がりだとか、奥行きだとかのそれぞれの要素が向上するイメージでとらえられてしまうことです。

もちろんそのとおりなのですが、...何かが違う、そんな表現ではなくて、何かもっと根本的な表現はないものか。

CDの音を良く再生しているというよりは、元々の実力をむき出しに目の前にさらけ出してくれた感じといったら少しは近いかもしれません。

つまりGPS-777のやっていることは「音に関する改善ではなく」、ひたすらデジタル信号を正確に同期させる、という目的なのではないかということ。

しか~し、またこういう書き方をすると実に音楽的でないと思われてしまいますが、全くその逆なのです。

あと、異常ともいえるのはオーケストラでも、バンドでも、ミリ単位とは言いませんが、目の前に何センチ単位で縦横奥に奏者が立体的に並んでいる感じがびっくりするくらい感じられます。

それは目の前に球体が広がっている感じに近いです。
もしくは『飛び出す絵本』でしょうか。つまり左右の広がりと奥行きだけというのではなく、もっと楕円に近い網目のような座標にそれぞれの奏者が点在している。

そして各音がそれぞれ独立した立ち上がりと余韻をおのおの聴かせてくれるのです。
その各音の集合がアンサンブルとか、バンドサウンドになるのです。

こう書くといかにも生演奏とはかけ離れた分析的な音のように受け取られてしまうかもしれませんが、そんな安直なレヴェルではなく≪生を知り尽くした人だけが、納得しつつ、味わえる再生芸術の極致≫というべきです。

海外製クロック・ジェネレーターのほうはそういうことはなく、あくまでも音質向上アクセサリーのような感じでした。

GPS-777だと確実に指折り数えられる奏者とか、楽器の数が増えます。そして、それぞれの奏者の楽器それぞれの音の長さ、余韻が全く違うという生で楽器を演奏する人ならすぐに献じることのできる楽器固有の音の出方が、「楽器そのまんま」なのです。
それらがアンサンブルするのですから、それはそれは素晴らしい空間が出るわけです。

そして今まではそれほどいいと思ってなかった高音質盤などがびっくりするくらいいい演奏だったことが分かったりもします。

私の場合コリン・デイヴィスのベートーヴェン序曲集のSACDのことなんですが、これはK-03を買ったときに当時の馴染みのオーディオ屋さんにもらったものです。
正直、全然いいと思えなかったので、しょうもないものくれちゃって、と思っていたのですが、昨日試しに再生したら、さすがは≪菅野センセ≫がオーディオチェックに使ったことがあるというだけあって、派手さはないですが、音楽に必要な中音域の、「音楽力」がつまったSACDでした。

つまりGPS-777は本当に優れた演奏なり、録音なりかどうかを一瞬にしてふるい分けることができるほど恐ろしい再現力を持っているのです。

これは打ち込みだとか、へたくそなバンドの演奏や、ダビングを重ねた音の悪い音源だと、以前の印象とほとんど変わらない、という極めて厳しい結論を突き付けられることからもわかります。

同じコリン・デイヴィスではボストンとのシベリウスがデッカから再発されたCDが素晴らしかったです。

ほかのアクセサリー然としている製品だと、すべてのCDの音が『変化』するので、悪い音源もそれなりに『変化』し、買い換えてしばらくの間はあたかも音が改善されたかのような気になるのですが、このGPS-777は『悪いものは悪い』と言われているようでかえって小気味よいです。(笑)

まだまだ購入してから日が浅いので、ほとんど聴いてないのですが、あまりに興奮して、自分が今までどのCDをよく聴いていたのかを俄かには思い出せないのです。
笑っちゃうでしょう?

この製品は JimmyJazzという≪床屋≫さんから購入したものです。
なんでもオーディオマニアの床屋さんがあるらしく、散髪の予約の項目にも音量のリクエストなんてのがあります。
そのオーディオのサイトにインフラノイズの製品が買えるところがあって、いろいろ調べて、そこから買いました。(20万を切る値段ということもありましたが、実際に聴いた感想を書いてらっしゃるところが気に入りました。)

GPS-777はGPS信号を受信するのですが、前回試聴機を借りた時は、受信部分のコードを返却のことを考えて最大には伸ばさなかったのが今思えば原因だったと思いますが、GPS受信が安定しませんでした。

ところがいざ購入して目いっぱいコードを伸ばすと押入れの中で十分受信してくれ、いま素晴らしい音を聞かせてくれています。

とくに空間表現が得意な[SACD]がびっくりするほど違ってくるようです。

モノラルについてはまだほとんど試聴していませんが、両チャン再生と、本来のモノラル再生である片チャン再生の両方で比べてみる必要はあるでしょう。

しかし、いっぱい持っているモノラルオリジナルレコードとの比較をする気はありません。
なぜなら、今回GPS-777を聴いてみて、アナログとデジタルを比較して追いつけ追い越せ、という時代は完全に終わったように思えました。
『別の趣味性』ということです。

今までは明らかにレコードの方が優れた再生を聴かせてくれていましたが、今回K-03とGPS-777とのコンビになったことで、CD再生の開発時の根本的な問題点である、『同期』させる、という難問が解決したような音でした。

これはクロックジェネレーターをつけられるCDプレーヤーを持っている人なら、私が金を出してでもつけてもらいたい製品です。

繰り返しになりますが、GPS-777は『好きか嫌いか』という趣味性の選択とは全く別の次元に位置しており、一度聞いてしまうと『元に戻ってはならない』音です。

余談ですが。
ただ悲観するわけではないのですが、一つの技術がピークを迎えるということは、もうその時点で廃れる要因を内在してもいるのです。

レコードのピークと同時に出現したCDでしたが、今時代はPCオーディオ、配信オーディオに確実に移行しつつあります。

ここにきてCDプレーヤーの音が向上しているのは最後の技術的なピークといえるで
しょう。

新製品としてCDプレーヤーを作らないメーカーも出てきています。

私としては、持っているCDを理想の音で聴けるGPS-777を今回購入しましたが、以前聴かせてもらった、サキコロの最高の状態でのPCオーディオを我が家で聴かせてもらった時の臨場感には腰が抜けましたので、今後のことはわかりません。

問題はもう一つあってCDにはマスタリング。リマスターという問題があります。これがへたくそなCDが物凄く多くて、それでレコードより音が悪い、なんてことが起こっているともいえます。

ところが新たにマスターテープから配信されるようになったら、今までのCDは全部ゴミになってしまうのではないでしょうか。

とくにブルーノートやEMIのようにプレスの最後の段階までも音決めをしていたような音源はもともとマスターテープの音と、われわれが家庭で聴いている番に入っている音が著しく異なるわけで、そのあたりの本当の音が手軽に聞ける時代が目の前にきているかもしれません。

さらに問題点を言うと、マスターテープの音が最高に優れているともいえないという点です。
最後に音決めをすることで『再生芸術』としての『レコード芸術』が完成していたともいえるからです。

※GPS-777関連エントリー  ※CCV-5関連エントリー


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コメント

マスターに感想を寄せられた方に同感です。GPS-777は外国製クロックジェネレーター、国内大手・中堅メーカーの高価なクロックジェネレーター、これまで使用してきたインフラノイズの旧製品のクロックジェネレーターを圧倒的に引き離すパーフォーマンスを示しています。
しかし、オーディオ誌上では外国製クロックジェネレーターを持ち上げる記事はあっても、少数の評論家以外、なぜかGPS-777を取り上げようとしない。また、ある販売店はセールストーク的、一方的評価を押し付けている。この方の文章はオーディオ評論家顔色なしの的を得た評価になっているように感じました。さらに、不可解なのはクロックの重要性を喚起する評論家が限られており、また無視しつづけるメーカーが多いこと。
理髪店のブログの方が的確な情報が得られるし、ネット販売という方法で簡単に製品が入手できる。決まりきったメーカー、ディーラーの製品が決まってグランプリを採り、聴いてみるとがっかりということでは、業界そのものが自分で首を絞めているように思います。このような状況が続くとオーディオ誌とオーディオ評論家とオーディオショップの役割は終わったのではないかという感じもしないではありません。
この際、全国の理髪店、別段理髪店でなくともカフェでもなんでも良い、神戸にはメトロゴンのJazzが流れるカレー屋さんもある。実際にちゃんとした音が聴けて、的確な情報が得られれば其れで良い。オーディオ誌は記事の内容よりおまけ路線で頑張れば・・・ということになりかねません。

投稿者 酒仙坊 : August 6, 2012 11:33 AM

GPS-777試聴機貸出希望が殺到しておりまして、
いま申し込まれると、貸出は9月以降になります。
http://art.pepper.jp/archives/001483.html

投稿者 Master : August 4, 2012 01:03 PM

「GPS-777」で検索をかけると、
某有名オーディオ店によるGPS-777を含む3種のクロックジェネレータの比較試聴記事がヒットします。
ところが、そこでのGPS-777の音質の記述がどうにも納得いきませんでした。
ウソが書かれてないならこういうことだろうな、という推測の上で読んでいましたが、
上記のコメントは、それを裏づけるかのような内容で、表現も何もかもが素晴らしいです!

いつもグダグダと書きすぎるAquiraxですが、もう言うこと無しです(^^;

投稿者 Aquirax : August 4, 2012 01:02 PM