Q: そもそも、ジャズの聴ける理容室をはじめようとしたきっかけは?

 その店は、淀川通り沿いに建つ府営住宅の一階にあった。ドアを開けると、コンクリートの壁に囲まれ、大きなスピーカーからモダンジャズが流れる、まるでジャズバーのような空間。壁面を飾るジャズメンのポートレートや歴史的名盤のレコードジャケット。ここはどこだ?西淀川の下町に居ることを一瞬忘れてしまうような異次元空間。

 コトンと静かな音をたて、ジャズの聴ける理容室のMasterは、レコード盤をひっくり返した。

Q: そもそも、ジャズの聴ける理容室をはじめようとしたきっかけは?

 1988年にJimmyJazzをオープンした当時は、音楽も小道具のひとつくらいにしか考えてなかったのです。もちろん、ジャズが当店を印象づけるための重要なキーワードになることは意識してましたが、「おりゃ~!ジャズを聴かせてやるぞ!!」とかいう気負いはなかったですね。
 よく、Masterのジャズ好きが嵩じて、それでこんな店を造ったのだと思われがちですが、最初は良い店を造ろう、ムードのある、かっこいい店にしようという思いがあって、それからジャズの勉強をはじめたんですよ。だから、毎日わたしはジャズを聴いて遊んでるわけではないのです(笑)

Q: ジャズバーのようなカウンターが印象的で、ご主人も蝶ネクタイに黒服でバーのマスターといった出で立ちですね?

 最初はオシャレで斬新な理容室のつもりだったのですが、24年もやってると、どこでもオシャレなヘアサロンが当たり前になってしまいました。そこで、数年前から、当店が潜在的に持っていたブランドといいますか、ジャズと大人の雰囲気を前面に押し出して、多少アクの強い、デフォルメしたMaster像を演出するために、こういう仕事着を選びました。

Q: オーディオ装置も凝ってるのですね?

 開店当初の音響装置は学生時代から使っていた貧相なものでしたが、これも、お客様から「カットしながらジャズが聴けるなんて、画期的ですね!」と云われ、それなら少しでも音が良いほうがよかろうということで、少しずつグレードアップしてきたものです。

Q: 理容室でジャズをかけようというアイデアは、どうやって思いついたのでしょう?

 じつは、わたしは床屋の4代目でして、子供の頃から店でかかってるものといったら、大相撲に野球中継、競馬、それにワイドショーとか、素人のど自慢とか、なんとも締まりのない内容のものばかりで、なんてカッコ悪いんだろうと思ってました。自分が大人になったら、ぜったいに洋楽をかけてやるぞと。ところが、実際に親父の店を手伝うようになって、ロックとかかかけてると、ヒュッと親父がボリュームを下げる。ヘビメタはやかましいからレゲエならいいだろうと思ったら、これもヒュッとボリュームを下げる。素人のど自慢は下げないのに(笑)
 で、あるときジャズをかけたら、親父がボリュームを下げなかった。これだ!と思いましたね。

Q: やはりジャズファンのお客さんが多いのでしょうか?

 ジャズの嫌いな人は来ないと思いますが、ジャズに詳しい人ばかりというわけではありません。ジャズファンの比率は全体の一割程度じゃないでしょうか。顧客の皆さんは、音楽そのものよりも、当店の雰囲気が好きで来てくださるのだと思います。
 今はインターネットの時代ですから、自分に合うと思えば、ジャズの好き嫌いにかかわらず、遠方からでも、電車や自動車に乗って毎月通って下さいます。ジャズファンやオーディオマニアで、しかも近所に住んでいても、あの店は怪しいと思って来てくれないこともありますし、こればかりは相性の問題かもしれません。

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