スパイさん、いらっしゃい

 (んっ?この人って、同業者じゃないのかな?)

 2010年はじめから、当店は連休を返上。盆・正月をのぞいて、定休日は月曜のみとなっている。近所の組合加入店や美容室などが休んでるときに開けてるわけだから、ときには同業のスパイが、客に扮して偵察にやってくることがある。

 わたしもたまにこのような”諜報活動”をやることがあるから、スパイさんの気持ちは手に取るようにわかる。なるべく同業であることを悟られないよう、自然に振る舞おうとするのだが、なぜかわかってしまうのである。

 さて、お客にスパイの疑惑があるとなると、こちらもなぜだか緊張してくる(^^;
 べつに盗まれて困るような秘密のテクニックがあるわけでもないのに、どこまで情報開示してよいものか、とドキドキする。
 「どうせ二度と来ることはないのだから、適当にさばいて帰してしまえばいい」と思う反面、「なんだ、たいしたことないな」と思われるのも癪にさわる。それに、たとえ偵察に来たとしても、きっちり4,000円置いていってくれるかぎりは、ちゃんと良い仕事しなくてはいけないのではないか。などと、いろいろ考えた末、まあ、普通に仕上げて帰ってもらった。

 他店に偵察に行くのは、すごく勉強になる。良いところが参考になるのは当然として、技術が下手であっても、接客や雰囲気が悪くても、それが反面教師となって勉強になる。
 スパイするのは、とても研究熱心な人なのだ。

 お宅もたいへんでしょう。当店もたいへんです。こうして連休も返上して必死で頑張ってます。スパイさんのお店にとって、当店が何か少しでも参考になればいいのだけれど…。

 「ありがとうございました」

 スパイさんを見送ったあと、「いまの人、散髪屋じゃないかな?」とつぶやくと、「わたしもそう思った!」と家内。やはり、わかってしまうみたいである(^^;


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