シェービングの極意

ヒゲブラシ

 ヒゲを剃るのに重要なものは、カミソリの切れ味だと思われがち。フェザーがいいとかジレットだとか、どうしてもそっちに気をとられる。じつは、意外なことに、ヒゲにシャボンをつける(ラザーリングという)ヒゲブラシがいちばん重要なのだ。

 顔面に、きめの細かい良い泡を立てることができれば、それはもう鮮やかにヒゲが剃れる。言うのは簡単だが、これがけっこう難しい。シェービングに使用する石鹸は、薄すぎると泡立ちが悪く、濃すぎると刺激が強くて肌がヒリヒリするのである。
 当店では、ずっと液体の石鹸を使用していたが、数年前に刺激の少ない、昔ながらの粉石鹸に切り替えた。液体石鹸と違ってお湯に溶けにくいから泡立ちもよくないし、容器に移し替えるときに粉末が舞い、鼻に入るとくしゃみが出る。なにかと面倒な粉石鹸だが、肌にやさしいのはこれに勝るものはない。

 熱々のお湯と粉石鹸をシェービングカップに入れて、泡立てるときに登場するのがヒゲブラシ。これも100均で売ってるようなビニールの毛が植わっているものから、穴熊の毛を使った最高級品までピンキリ。良い物を使えば、良い仕事ができるが、使うにつれだんだん磨耗して毛足が短くなってくる。高いのを奮発しても一生モノというわけにはいかない。およそ数ヶ月に一度は買い替える。

 顔に乗せたふかふかのホットスチームタオルを取り去って、おもむろにヒゲを泡立てる。素晴らしい泡が立ったなら、もうここまでで勝ったも同然(?)。カミソリをあてれば、「ジョリジョリ」と気持ちの良い音をたてて剃れていく。これぞシェービングの極意なり。


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