ウイントン・マルサリス(tp) 『J Mood』

ウイントン・マルサリス(tp) 『J Mood』

 スタンダードジャズばかり聴いていた初心者のわたしは、このCDのよさがちっともわからず、冷たく無機質な響きに閉口して手放してしまう。約20年の歳月を経て再会した本作を聴いて、そのエネルギーに圧倒される。なんと熱い演奏、[1]は哀しみのブルース、これのどこが無機質なものか。ウイントンのラッパも凄いが、容赦なく降り注ぐジェフ・ワッツのシンバル雨あられ。当時のわたしには、このパワーを引き出す装置も、理解する感性も備わってなかったのだ。しかしウイントンも小難しいオリジナルばかりじゃウケないと悟ったか、この後スタンダード作品を連発する。[7]は同じメンバーで入れた『スタンダード・タイムVol.1』の「スーン・オール・ウィ・ノウ」に酷似のジャムセッション。 ★★★★

1. J Mood
2. Presence That Lament Brings
3. Insane Asylum
4. Skain's Domain
5. Melodique
6. After
7. Much Later

Wynton Marsalis (tp),Marcus Roberts (p),Robert Leslie Hurst III (b),Jeff "Tain" Watts (ds)
[Columbia] 17-20.Dec.1985.


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コメント

> 『スタンダード・タイムVOL.1』が理解できて、この『J Mood』が
> さっぱりわからんなんて人はいないと思うのですが。

いやいや、それは自転車に乗れる人が「乗れない人がいるなんて信じられな~い」というのと同じ(笑)でしょう。

メロディを口ずさめるか否かが、ジャズ・ビギナーにとってのハードルなのだと思われます。

先日、ラヴェルのピアノ協奏曲を聴いて、「あんな現代音楽は邪道だ。絶対認めんぞ」とマジで怒ってる人もいました。

投稿者 村井裕弥 : January 2, 2010 09:18 PM

『J Mood』、eBayのショップで1$ちょっとで出てたので買いました。
ウィントンのリーダー作を買って聞くのは初めてなので、楽しみです。

そう言えば、彼はクラシックをよく演奏してましたっけ。
来年早々の工房ネタにいいかも(笑

投稿者 Aquirax : December 31, 2009 09:19 PM

『スタンダード・タイムVOL.1』が理解できて、この『J Mood』がさっぱりわからんなんて人はいないと思うのですが。
メンバーも同じだし、テーマ部分以外はほとんど同じアプローチといってもいい内容ですねー。

投稿者 Master : December 31, 2009 07:05 PM

Masterのおかげで、何年かぶりにウィントン・マルサリスをCDラックから取り出しました。

最初の音を聴いて「おっ。いかにも新主流派風」とか余計なことを考えてしまったボクはド阿呆です。そういう言葉で音楽を分類してわかった気になるのはもうやめなきゃと思っていたのに。

忘れろ、余計なことは。ただ音の流れと変化だけに耳を集中させろ。

そうしていると、このアルバムの非凡さがだんだん見えてきたような。

Masterほどうまくは表現できません(苦笑)が。

追伸 あまりにも心地よいので、『スタンダード・タイムVOL.1』も聴いちゃいました!

投稿者 村井裕弥 : December 31, 2009 09:35 AM