誰も知らない「良い音」のわけ

くれぐれも誤解のないようお願いしたい。
オーディオ機器に付帯音をつけている、固有の音をわざと鳴らしている、ということ自体は
「間違ってる」ことでも「悪い」ことでもないし、
それら機器やアクセサリーを使うと音が悪くなると言ってるんでもない。

放っておいても付帯音はある。キカイなんだからしょうがない。
完全にそれを取り去ることは不可能だが、音楽に似た音に変化させることなら、できる。

オーディオとは、そういうもんだ
と、諦観した人こそ、逆に
オーディオって、すばらしいなあ
そうシミジミ感じることができるのだ。

わたしは時々こんなことを夢想する。

良い音の機器を創ろうと懸命になってるエンジニアの元に、
いたずら好きの天使が降りてきてそっと囁く。
すると、素晴らしい音のする機器が出来上がった。
ある程度の予想はつくものの、創ったエンジニア自身にも
なぜこれほど良い音がするのか、本当のところはわからない。

そうして出来た機器は、当然ヒット商品となる。
初号機で培ったノウハウを元に、さらに改良を加えた後継機種を発売。
こんな具合で、次々に新技術を盛込んだものが開発されることは、
オーディオ界においてよくある話。

しかし、決まってこういう人が出てくるものだ。
「初号機がいちばんよかった」
天啓によってもたらされた機器に、計らい心をもって改良を加えても
なかなか勝てるものではない。
自ら創ったものが、
「なぜ良い音がするのか」を、部分的にしか見抜けなかったエンジニアの限界である。

最初の音を憶えてるエンジニアが現役のうちはまだいいが、
自ら掴んだノウハウを若手に残し、退職を迎える。
やがて合理化の名の元に、性能的に必要ないと思われる部品は排除され、
かわりに一般受けしそうな新技術を投入したものが売れ筋商品となる―――。

マッキントッシュの凄いところは、
音が薄くなったとかいろいろ言われながらも、
ちゃんと現代にも「伝統のマッキントッシュサウンド」を継承していることだ。


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